表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/252

幕間.罪と罰

(やっと……やっと……娘に会える)


ヴォルマー博士は装置の前で涙を流し、過去を思い出す。



◇ ◇ ◇ ◇



ーーおとーさん、私死んじゃうの?


ーー大丈夫!お父さんが必ず治してみせるさ!



私は研究に明け暮れた。


私の宝物、私の全てだった娘は、不治の病に10歳の頃かかり15歳でこの世を去った。


徐々に弱っていく娘を尻目に気持ちばかりが焦る、妻や他の研究員に当たり散らす毎日、気づけば私の周りには誰も居なかった。


だが、娘は救えなかった。

そして私は壊れた、娘にもう一度会いたい一心で禁忌に手を出す。



ーーー268人。



これは今までの私の罪の数。


私財を全て使い、孤児を引き取り、違法な奴隷を買い、傭兵を雇いそして騙し、唯一の親友でさえも人体実験で殺した。


私はある仮説を立てた、上位個体のゴーレムのコアを素体に埋め込み、研究で生み出した特殊な培養液で満たしたカプセルに閉じ込め、娘の遺伝子を生きたまま組み込む。


何度も、何度も、何度も、実験を繰り返した、私は諦めなかった。

もしあの世があるとすれば、私は地獄に行くだろう……だがそれでも構わない、娘に会えるなら。



◇ ◇ ◇ ◇




ーー269人目。



ようやく完全な適合者が現れた。

それは歴戦を戦い抜いた傭兵だった、強力な睡眠薬を食事に混ぜ、液体で満たされたカプセルの中で眠っている。



「25年かかった……全てはこの日の為に……」



装置のボタンを押す。



ーーシンクロ率、10%、30%、66%、90%、100%ーー



「やったぞ!!成功だ!!」



ーー101%、144%、emergency、emergency、異常発生、直ちに装置を停止してください、繰り返します直ちに装置を停止してください。



カプセル内の培養液が沸騰し始め、素体が暴れ出す。



「何故だ!!なぜ、なぜ……」



慌てて装置の緊急停止を押すが既に遅かった。

それはカプセルをこじ開け生まれ落ちた、培養液は溢れ、壊れた装置の配線からは電気がほと走る。


そしてヴォルマー博士の元へ歩み寄る。



ーーブシュッ


ーーガハッ


ヴォルマー博士の胸を手刀で貫く。



「……これは神が私に与えた罰か、今私もそっちに行くよ……シルヴィア……」



ヴォルマー博士は静かに目を閉じた。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] だから、それはシルビアさんの裏話です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ