23.魔法を覚えたい(リスキー)
「魔法を覚えよう!」
アキラは唐突に言う。
攻撃の手数も増えるし、何より魔法を使ってみたいと思っていた。
ヒューリーから聞いた話しだと魔法を覚えるには、学園都市ラクーリアにあるいずれかの魔法学園に入学して、覚えた方が身になるらしい。
魔法を間違った使い方をすると、下手したら体内の魔力が暴発して死に至るケースもある様だ。
途中で馬車に乗せて貰ったりしながら、4日かけて学園都市に着いた。
「おぉ!ここがラクーリアか!!」
街を見回すと道具屋と本屋が多く、歴史がありそうな大きな時計塔が目立つ、まるで昔のロンドンの様な街並みだった。
また、学園都市なだけあって若い学生が多く見られ、アキラも何だか若返った様な気分になっていた。
魔法学園に入学するにはそれなりの身分が必要だ、その為アキラはある手段に出る。
(えーと、マタタビ商会はと……)
早速オルームの商会を頼る事にした。
しばらく歩くと肉球の看板が可愛らしい、大きな建物を見つけ中に入る。
受け付けの人に名前を言いこの支部の責任者に会えないか聞く、少し待つと係の人に客室に案内された、しばらく客室で待つ。
「儲かりまっか!あんたがアキラはんやな?」
客室に虎柄の猫人族がそう言いながら入室してきた。
アキラはソファーから立ち上がりそうですと頷く。
「ワイはオルームの4番目の兄のエルーム言うもんや、以後よろしゅう」
アキラとエルームは握手をする。
ソファーに座ると従業員の人がお茶と茶菓子を置いて退室した。
「オルームが世話になったようやな、おおきに!んでなんか困り事かいな?」
アキラは何処の魔法学園でもいいから入学したい旨を伝えた。
「んー、ちょっと探してみるさかい、明日またここに来てくれはるか?」
アキラは了承し近くの宿屋で一泊する事にした。
翌日になりマタタビ商会へ行く、昨日と同じ様な流れでまた客室に案内された。
中に入るとエルームがソファーに座って待っていた、アキラは対面に座る。
「いくつか聞いてみたんやけど、どこも定員満杯やなぁ」
アキラはがっくりと肩を落とす。
「ただ、1つだけ中等部の短期入学希望者を募ってるとこがあったんや」
アキラは希望に満ちた目でエルームを見る。
「ただ、そこは女学園やったんや」
アキラはまたがっくり肩を落とした、まるで心の中はジェットコースターの様だった。
「まぁ話は最後まで聞きぃ、これ使えば入学できるでぇ」
エルームは1つのペンダントをテーブルに置く。
「何ですかこれ?」
「これはとある潰れた闇ギルドから押収した物を、知り合いから買い取った物やんやが、変化のペンダントちゅうもんや」
「変化のペンダント?」
「そや、これを着けている間はどんな人にも変装できるんや、例えそれが異性でもや……」
「…………すげぇ」
アキラは驚愕している。
「これ着けて入学すればバレへん、その魔法学園はお嬢様学園やから身元承認はワイがなって資金も援助したるわ」
アキラは生唾を飲み込む、至れりつくせりだかリスクが高い、バレたら終わりの諸刃の剣だった。
「なーに、アキラはんなら大丈夫や!おもろそうやし(小声)」
「え?最後なんか言いました?」
「何でもない、何でもない、聞き間違えや、入学しようやアキラはん、魔法使えたらごっつ楽しいやろうなぁ」
オルームは守銭奴でエルームは面白そうな事が大好きな性格だった。
「……わかりました!」
アキラは誘惑に負けた。
「アキラはんならそう言うと思ったで!ほな早速つけてみよか」
アキラはペンダントを着ける、すると体が発光する。
おお!と声が出る、少しすると変化が終わった。
「ほれ!鏡見てみぃ!」
エルームは姿鏡を持ってくる、アキラは自分の姿に驚愕した。
黒髪で少し背が高めのボーイッシュな女の子がそこに居た。
体は丸みを帯び完全に女体化している、自分の股間を触るが完全にナニは無かった。
「えらい似合っておるでぇ!手続きは済ましとくでぇ、名前はそやなぁ……アキラやからキーラにしよかぁ!あと制服は2日後に来るから入学は3日後くらいやな、3日経ったらまたここに来てやぁ」
エルームはアキラにバレない様に笑いを噛み殺しながら言う。
アキラは宿屋に帰る、宿屋の受け付けのお婆さんにはアキラの恋人のキーラと名乗った。
あっという間に3日が経つ。
アキラは学園指定の制服を着ている最中だ、下はスカートかスラックスを選べるが流石にスラックスにした。
着替え終わりマタタビ商会の馬車で学園に行く。
「……ここがアルフィリオ魔法女学園か、俺……じゃなくて私は中学2年のキーラよ」
キーラは自分に暗示をかける、ボロを出さない様に。
ーーパンッーー
頬を叩き喝を入れると、キーラは意を決して学園の門を叩いた。




