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16.ほんと空気読めないよな、あいつ

初日は終わりダンジョン2日目がやって来る。

昨日と変わらず10階層までの魔物を倒し素材を剥ぐ。

そして地上に戻って解散した。


時刻は17時、宿屋へ向かう帰り道にバッタリ黒の虎狼(ブラック・ファング)の荷物持ちの男の子に会う。

アキラに気づいた男の子は駆け寄って来て話しかけてきた。



「こんにちは!よく会いますね!」


「そうだね、何してるの?」


「今から帰る途中です、そういえばお互い名前も知らないですよね、僕はカインって言います」


「俺はアキラ、よろしく」



カインとアキラは握手をした。



「飯食った?まだなら一緒にどっか食べ行かない?」


「行きたいのですが、子供達が留守番してるので……」


「じゃあその子達も連れてきなよ、飯奢るよ」


「ありがとうございます!子供達も喜びます!」


「じゃあ1時間後に、またここに集合ね」


「わかりました!待ってますね!」



カインはお辞儀をして笑顔で去って行った。

空は夕闇に包まれる、待ち合わせをした場所には、カインと串焼きをあげた子供達が居た。

アキラは駆け足でカインの元へ近づく。



「ごめん、待った?」


「いえ、さっき来たばかりです!」


「ならよかった、それじゃあ行こうか!ちびっ子共たくさん食えよ!」


「おじさんありがとう!」



子供達は満面の笑みだ。

出かけるのが嬉しいのか、子供達はアキラの手を引っ張っり早くお店に行こうと催促する。

その光景を見ているカインはとても嬉しそうだ。


カインおすすめの食事処に入る。

二階建の沢山のテーブルが置いてある大衆食堂だった。

掻き入れ時なこともあり多くの人で賑わっていた。

どの席に座ろうか辺りを見回していると、1人の男が近寄りアキラに話しかける。



「あれ!?アキラじゃねぇか!」


鉄の翼竜(アイアン・ワイバーン)のロベルトだった。



「奇遇ですね!皆さんもここで食べているんですか?」


「あぁ、皆いるよ!俺はもっぱら酒がメインだがな!」



ロベルトはガハハと笑いながら言う。



「よかったら俺たちと一緒に飯食おうぜ!」



ロベルトの提案にアキラはカインに目配せをする。



「僕達は大丈夫ですよ!大人数の方がきっと楽しいですし!」


カインの了承を得たので、アキラはロベルト達と一緒に食事をする事にした。

ロベルトの案内て席に行くと、バレル、マルス、リベイアが和気藹々と料理を楽しんでいた。



「よう!待たせたな!」


「やけに長いトイレじゃな?ん?アキラじゃないか」



バレルはロベルトの後ろにいるアキラ達に気がついた。

アキラは軽く手を挙げ挨拶する。

マルスとリベイアもこんばんはと言いながら軽く手を挙げた。



「アキラ達が店に来たところでたまたま会ってな!一緒に飯食う事にしたけど皆もいいよな?」



3人はもちろんと言うと、空いているテーブルをロベルト達のテーブルとくっ付けて、人数分の席を用意する。

アキラ達はお邪魔しますと言うと席に付き、各々好きな料理を注文した。


しばらくすると美味しそうな料理が、次々とテーブルに運ばれアキラ達は料理に舌鼓を打つ。



育ち盛りの子供達は、我先にと料理を口いっぱいに頬張る。


子供好きなのか、リベイアは暖かい笑みを浮かべながら、子供達の汚れた口をおしぼりで拭く。


カインは料理を食べながらも、空いているコップに水を入れたり、食べ終えた皿をまとめたりと気配りをしている。


ロベルトは上機嫌に笑いながら、エールを水の様に飲む。


バレルはそんなロベルトに、二日酔いするぞと呆れながら嗜める。


マルスは賑やかな雰囲気を楽しみながら、エールを飲み肴を食べる。


アキラはベーコンチーズが気に入り、おかわりを注文する。



各々がとても楽しい時間を過ごす。



「それにしても大丈夫かカイン?黒の虎狼(ブラック・ファング)の荷物持ちしてて?あんな連中だから大変だろ?」



酔っ払ったロベルトが言う。



「母の体が弱くて、子供達には元気に育って欲しいから僕も働かなくちゃいけないんで、そこは仕方ないと割り切ってます」


カインは苦笑いする。

酔いが深いロベルトは涙脆くなったのか、ウォンウォン無いている。



「リベイアと似ているね」


「確かにそうじゃのぉ」



リベイアは境遇を語り出す。



「私の家は没落貴族で、幼い頃に母が他界してから父が男手一つで育ててくれたんですけど、そんな父も病気で床に伏せる様になって……代わりに私が冒険者になり家計を支えています」



「……そうなんですか、お互いに大変ですけど、頑張りましょう!!」



その後カインとリベイアは仲良く話し始めた、意気投合した様だ。

そしてその光景を見たロベルトの涙腺はさらに崩壊していた。

バレルとマルスは爆笑している。


そんなひと時に奴が現れる。



ーーヒックっ、あらら?鉄の翼竜(アイアン・ワイバーン)と才能の無い人達じゃないか、奇遇だね?




その場に居た全員が最悪だと思ったであろう。

酒瓶片手に深酒したエルビスがやって来た。


アキラは振り向きもせず料理を頬張る。

そんなアキラが気にくわなかったのか、エルビスが暴挙に出た。



「才能の無いおっさんが無視してんじゃねぇよ!そうだ、可哀想なおっさんには、この才能溢れる俺が酒を恵んでやるよ」



そう言うとエルビスは、アキラの頭に酒瓶を逆さにして酒を流し始めた。



「ーーてめぇっ!!!!」



その光景を見て怒鳴りながら、ロベルトは立ちあがろうとする。

だがアキラはロベルトの肩を叩き、怒りを抑える様促す。

アキラは立ち上がり振り返るとエルビスの目を見る。



「ーー才能無くてすみませんでした」



この場から立ち去れと言う意味を込めて、睨みを効かしながら言う。



ーー揉めるなら出禁にするぞ!!



店の店主に見つかったようだ。

エルビスは舌打ちをすると自分の席へ戻って行った。



「……何で?」


ロベルトは何も言い返さないアキラに苛立ちを覚えた。



「ロベルト周りを見るんじゃ」


バレルに促されロベルトは周りを見渡す。

子供達が怯えていた。



「……すまねえ、頭に血が昇っていた」


それに気づいたロベルトは頭を下げる。



「まぁ、ロベルトだからね!」


マルスは陰鬱な雰囲気を消そうとおちゃらけた。



「うるせぇ!!」


ロベルトは顔を赤くしながら悪態をつき、それを見た皆が笑い出す。

陰鬱な雰囲気は消え、子供達にも笑顔が戻った。



「ひゃあー冷てぇ!風邪ひいちまうわこれじゃあ、先に宿屋に戻ってるから皆はゆっくりして行って!」


笑いながらそう言うと、アキラは全員分の飯代を置いて食堂を後にした。















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