14.職をくれ
旅の疲れか眠ってしまってたようだ、気づいたら朝だった。
まず1番初めにライムを召喚する。
「ライムーー!ありがとうな、お疲れ様」
アキラに抱えられて撫でられているライムは、嬉しそうにプルプルと震えていた。
少しライムと遊んで異空の城へ戻す。
宿屋の食堂でサンドウィッチを食べる、チキンマスタードのピリっとした辛味が眠気を覚ました。
出発の準備をしていると、アキラは自分の格好を見てふと気づく。
「服もボロボロだな、服屋行って新調するか」
前は急げと思い、アキラは白シャツ数着、黒と青が混ざった色の革鎧、黒色のカーゴパンツ、下着数着、茶色のブーツを買う。
銀貨4枚と大銅貨6枚の出費だった。
じっくり選んでいたら、昼だったので昼食は露店で済ます。
「うかうかしてたら、すぐ金欠になるなこれ」
アキラは牛肉の串焼きを頬張りながら道を歩く、すると小学生くらいの男の子と、男の子に手を引かれている小さな女の子が、涎を垂らしながら串焼きを食べているアキラをじーっと見つめている事に気づいた。
「……残り食うか?」
アキラは袋に入っている残りの串焼きを子供達に渡す。
「おじさん、いいの!?」
男の子は満面の笑みで袋を受け取る。
「仲良く分けろよ」
「おじさんありがとう!!」
「おいたん、ありがと!!」
男の子と女の子はお礼を言うと嬉しそうにその場で食べていた。
「焦って食うと喉詰まらせるぞ」
心配していると、サスペンダーの服を着た中学生くらいの年齢の男の子が駆け寄ってくる。
「すみません、子供達がお世話になったみたいで!!」
「あぁ、気にしないで、喜んでるから俺も嬉しいし」
「本当にありがとうございます!ほら皆行くよ」
3人は再びありがとうと言って去って行った。
(やべ、冒険者ギルドへ職探しに行かないと)
アキラはやるべき事を思い出し、駆け足で向かう。
扉を開け中へ入る、受け付けで揉めている人、張り紙を見ている人、仲間同士で雑談している人、ギルドの中はすごく賑やかだった。
受け付けに行くと前の人の、揉めている会話が聞こえてくる。
ーーーーステータスが低すぎるだろ、それ壊れてんじゃねぇのか?もう一回計測しろよ!
(え?ギルド入会する時ステータス見られんの?)
正直見られたくない、ジョブスキル持ちとバレたら、とてつもなく面倒な事になりそうだ。
「あのー、ギルド入会する時はステータスとか見られるんですか?」
「もちろん測りますよ?」
一応受け付けの人に聞くとやはり計測するそうだ、強さで最初のランク決めと、やはり有望な人材は把握しときたいらしい。
(えー、どうしようかな……)
「何かアルバイト的な仕事ありませんか?」
「それでしたら、あちらの張り紙に出してありますので、確認してみてください」
アキラは張り紙の方へ向かう、案の定賃金はめちゃくちゃ安い。
仕方ないと思いながらも1つの張り紙を持っていく。
「ーーこれお願いします」
「ダンジョンでの荷物持ちのアルバイトですね、承りました」
(ダンジョンとかすげー行ってみたい)
アキラは年甲斐もなくワクワクしていた。
仕事は受理される、しばらくすると4人組がこちらに近づいて来る。
「ーーあんたが荷物持ちの人か!」
剣を腰に差した大柄の男が、アキラに声をかける。
そうですと言いながらアキラは会釈した。
「俺はこのパーティ、鉄の翼竜のリーダーをやってるロベルトだ、よろしく頼む」
ロベルトとアキラは握手をする。
「俺の名前はアキラです、よろしくお願いします」
「ワシはバレルじゃ、よろしく頼む」
「俺はマルス!短い間だけどよろしくな!」
「私はリベイアと言います、よろしくお願いします」
槌を背負ったドワーフ、ソバカスが似合う狩人の青年、杖を持ちローブを着た綺麗な女性とそれぞれ握手をする。
「早速ダンジョンに向かうって言いたいんだが、アキラは準備は大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「ダンジョンはここから徒歩で1時間くらいの場所にある、それじゃあ行こうか」
大きいリュックを渡される。
鉄の翼竜の一行と、リュックを背負ったアキラはギルドを後にした。




