12.めっちゃ異世界!
アルベルムに入れる門の入り口には、門番が通行チェックしていた。
オルームは商会の紋章を見せ、すんなりアルベルム内に入る。
アキラは馬車の窓から街を見る、中世のヨーロッパの様な街並みだった。
家はレンガの石造りで、街の入り口には宿屋が連なっていた。
ここからは馬車を御者に預け、徒歩でオルームと商会へ向かう。
街中に進むと露店があり、人々で賑わっている。
アキラはキョロキョロしながらたまに足を止め観光していた。
日本では決して見られない光景に、テンションを上げていた。
「アキラはんこっちやで!そんなに珍しいもんかいな、まるで子供や」
オルームは苦笑いする。
「ーーすみません」
顔を赤くしてアキラはオルームの後ろを再び歩き始めた。
しばらくすると大きな建物の前に止まる。
オルームは扉を開け中に入る、それに続いてアキラも中に入る。
商会の従業員はオルームを見て挨拶をした。
オルームは手を軽く挙げて応えながら、客室へ向かった。
客室に入りふかふかのソファーへ座る、早速商談の様だ。
「ほな、パスリカ花の取り引きと行こか、どれくらいの数持ってるんや?」
「とりあえずこれだけ売りたいんですが」
アキラはアイテムボックスから半分の数のパスリカ花を出す。
「えらいぎょうさん採取しとんな、ちょい待ち、どれくらいの金額になるか計算するわ」
そう言うとオルームはそろばんを弾きだす。
「ひーふーみー、まぁこれくらいやな、大銀貨1枚と銀貨4枚、大銅貨7枚、銅貨11枚や」
「違う商会に持ってたらこの半分くらいの値段やけど、助けてもらった分と今後ともよろしくって言う意味も込めて、かなり多めに買い取ったる」
オルームはアキラにウインクをして特別感を演出した。
「いいんですか!?ありがとうございます!!」
アキラは満面の笑みを浮かべた。
「そんかわり素材や鉱石なんか売る時はウチの商会を贔屓してなぁ、いい値段で買い取ったるで!」
「もちろんです!!こちらからお願いします!」
「ウチの商会は規模が大きいさかい、他の都市にもあるから旅路で困った事があったら相談しなはれ、アキラはんの名前と特徴を伝達しとくわ」
「何から何までありがとうございます!!」
2人は堅い握手を交わした。
(ワイの商人感がアキラはんは金の卵を産む鳥やとビンビン反応しとるで、これくらいの恩で贔屓して貰えるもんなら安い出費や)
オルームはこの手の感は外した事がなかった、そのため自信満々である。
取り引きを終えアキラは外に出る。
オルームおすすめの宿屋を探す事にする、街の入り口には少し離れているが、お手頃な料金で部屋も綺麗らしい。
「……えーと銀狼の宴亭、お!ここか!」
街を歩く人に聞きながらも宿屋にたどり着く。
こじんまりとしているが中々雰囲気がいい、煙突からはモクモクと煙が出ていてどうやら食堂も併設している様だ。
すみませんと言いながら、宿屋の扉を開ける。
「いらっしゃい!何泊するんだい?」
受け付けに居たのは優しそうな恰幅のいいおばちゃんだった。
「とりあえず5日間泊まりたいです」
「あいよ!大銅貨2枚と銅貨6枚になるよ!」
アキラはお金を支払う。
「ちょうどあるね、酒場で美味い飯も出してるから別料金になるけど、よかったら利用してね!」
「それは楽しみです!」
アキラは部屋に案内される、2階の角部屋だった。
中は1人用のベットが有り横には机、机の上にはランプが置いてある、トイレは共同で風呂はお湯を入れた桶と手拭いを用意してくれるみたいだ。
湯船に浸かりたいがここは異世界だ、贅沢は言ってられない。
部屋を確認し終えると街中を散策する。
街には冒険者ギルド、商業ギルド、市場、娼館、鍛冶屋、道具屋、多くの食事処があり、街の最奥は貴族街になっていた。
気づけば空は夕日のオレンジ色に染まっていた。
街の散策を終えると露店で買い食いして、今後の予定を考えながら宿屋へ戻る。
(明日からどうしようかな……とりあえず冒険者ギルドへ行ってみるか)
予定を決めアキラは部屋に戻って休むのであった。




