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無生物テイマーは家電が好きなのです  作者: はむにゃん
第1章 無生物テイマー、恋人を探す
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スキルと売却

「1回のバトルでだいぶ稼げたわね。さすがサービスデー」


 ポーションもなくなったし連戦は無理だったのでとっとと家に帰ってきた。各自のスキル確認タイムである。


 最後までカラスを倒しきったことで4人ともさらにレベルがあがっていた。


 ――――――


如月(きさらぎ)依里亜(いりあ)】Lv:8

 スキル:【テイム】【キュアLv5(全体)】【スローLv5】【ヒールLv4】【バリアLv3】【ファイアLv1】


 ――――――


「なんか全体的にスキル名のとおりねで、デバフと支援ってことよね。バリアが何を防ぐかだけ確認……あ、物理も魔法もダメージカットだ。高性能ねえ。あとやっと攻撃呪文を覚えたわー。やってみたかったのよねー! 【ファイア】!! 」


 依里亜が手のひらをレビに向けるが何も出なかった。


『わ、やめてくださいよ。戦闘時以外使えるか使えないかはまだ確認してなかったでしょ!』


 レビの後ろでブンジも横に素早く移動した。


「いや、多分出ないとおもってたしー、出てもヒールあるしー」


『怖いこと言ってるなー、初戦の時、私を庇った依里亜さんは一体どこに!? あ、ところでやっぱり魔法特化ですね。レベル上がった分ステ振りしました?』


「まだだけど、HPとMP、魔力をあげておくわ。バランスとってあげるわ。そういやレビの新スキルおもしろそうよね。」


 ――――――


【レビ】Lv:6

 スキル:【移動】【麻痺Lv5】【指令Lv5】【弱点サーチ】【声真似】


 ――――――


「【弱点サーチ】は大きめのモンスターと戦う時に便利そう。人型モンスターは心臓を一突きか、頭をふっ飛ばせば死ぬから使わないわね」


『怖いこと言ってるなあ』


「あ、いま【声真似】つかったのね。普段の女子アナ風の声がおっさんボイスに!」


『まだ何に使えるかわからないですけどねー。スパイ的な感じの働きはできそうですよ。動物の声とか機械音も出せますよ』


「物陰で隠れているのに音を立ててしまって、急遽猫の鳴き真似をするときに使えるわね」


『にゃーにゃー、あれ? 依里亜さんなんでそんな顔してるんですか? にゃーにゃー』


「……あざといレビも嫌いじゃないけど、でもまあ……」


『……今のはなしでお願いします』



(ピーピー)



「あ、ブンジさんが呼んでる。液晶パネル見てみるね」


『おれブンジ スキルのせいのう たしかめて』


「ブンジおもしろいよねー話し方がへんー」


 液晶パネルに同時に表示できるのは20字まで。表示できるのはひらがなとカタカナだけ。ブンジは何か言いたい時ここに文字を表示するが、それだけだと気づかれないので電子音で呼びかける。

 20文字以内で言おうとするから川柳(せんりゅう)っぽくまとめるといいと思い込んでいるようだ。5、7、5にスペース2つで19文字。うまくできているといえばできている。


『へんなやつ いうならスキル くらわせる』


『ブンジさんも依里亜さんと変わらないくらい物騒ですね』



 ――――――


【ブンジ】Lv:5

 スキル:【必中】【表示】【スチームLv1】


 ――――――



「スチームの性能ちゃんと見てなかったわね」


 パーティ全員のステータスが表示されているレビの画面からタッチパネルで詳細を見る。



【スチームLv1】【敵一体を魔法障壁に閉じ込め100℃の蒸気で熱する】



「今までにはない無慈悲な感じのスキル説明よねえ。なんか物凄く残虐な技でゾクゾクするわ。これスキルレベルあがると温度上がっていくのかしら? 100℃でも普通の生き物ならやっつけちゃうでしょうけど。でも、焼くならもっと超高温で塵も残さないくらい焼き尽くした方がよくない?死んだ後消えるとはいえ、100℃くらいで焼かれただけだと肉体は」


『依里亜さん、細かい描写やめましょう。まあ、でも依里亜さんもブンジさんにも攻撃手段が増えたんで戦略の幅広がりますねー』


「そうね、今のところ一番チートなのは【指令】だと思ってるけど、火力を複数で出せるのはいいわね。」


『しょうへきで とじこめじょうきで やきつくす』


『ブンジさん、怖い発言しかしないんですけど』



 しゃべる冷蔵庫もしゃべるレンジも実際にはある。しかし、依里亜の使っている家電には元々そういう機能がついていない。だからいくらテイムしてもレベルが上がってもしゃべれない。




 ――――――


【以蔵】 Lv:6

 スキル:【アイスシュートLv6】【アイテムボックスLv2】


 ――――――



「アイスシュートはレベル上がっても同時発射可能なのは最大5個までみたいね。あとはレベルアップで威力があがっていく感じか。アイテムボックスは便利ね」


『バトルのあとドロップしたアイテムを急いでかき集めて入れたけど、全部入りましたね』


「冷蔵庫なのにドア開けずに入れるのは意味がわからないけどね。冷蔵庫のドアをあければ冷蔵庫に。ドアに手をかざして半透明のパネルがでたらそこに入れればアイテムボックス、という区別は便利なような不便なような」


『でも、パネルが表示されるのはいいですよ。入れたアイテムは縮小サムネイル化して名前まで表示、長押しすることで説明も表示。ソートやフィルターも使え、同一アイテムはサムネイル1個で9999個まで持てるのはいいとおもうよー』


「説明的な感想ありがとう。そうねえ、冷凍ミートソースを9999個入れておくのも可能なのよねえ」


『そういえば依里亜さんこっちの世界で1回も自炊してませんね』


「うぐぅ、明日の朝には作るわよ。自分が食べる分だけだけど、レパートリーはミートソース以外にもあるから」


『そういえば実験してましたよね。お湯をアイテムボックスにいれたら、冷めるのか、それとも時間が止まるのか』


「見てみるか……あーだめね。冷めてる。時間は止められない。だから、アイテムボックスの中に生物(なまもの)入れて忘れて放置はやばいわ。場合によっては冷蔵庫より始末が悪い。魚釣りをして魚100匹釣れても、冷蔵庫なら入らないって終わるけど、アイテムボックスだと入っちゃう。もしそれ1ヶ月も忘れてたら……しかも出して実体化するまで匂いすら気づかないのよ。」


『説明を聞いてるだけでなんか匂ってきそうですね。私はテレビなので匂いわかりませんけど』


『バタンバタン!』


 以蔵も冷蔵庫的なポジションからの意見として「腐ったものは入れるな」的な主張がありそうだ。


「ドロップで手に入れたアイテムも売れるものは売りたいわね。カラス戦で【黒い羽根】とか【カラスのくちばし】とか大量に拾ったけど、これ合成とかの材料よね。持っててもあまり意味はなさそう。」


『あ、そういえば、気になるアイテムありましたよ。【クロウアイ】ってやつ。30個くらいありましたけど、他のドロップアイテムとサムネイルのフレームが違うんですよ。もしかするとこれ合成に使う以外に使えるかもですよ』


「【カラスの目】ってことね。ちょっと説明見てみるか」



【クロウアイ】【戦闘時でなくても一定時間攻撃スキルを発動できる。※スキルの練習に使いましょう。※壊れやすいものの近くで使わないこと。※高値で売却できる】



「お、高値で売れるって。で、簡単に言えば、家の中で攻撃スキル出せるってことね。で、巻き込んで家具壊れる、と……【ファイア】!」


 依里亜がレビに手のひらを向ける。凄い勢いでレビが飛び退く。


『だから!依里亜さん!』


「あははは!アイテム使ってないから平気よ!……これ売りたいわね。でも使える気もするからいくつかは残して」


『くろいとり ひゃっぱころして かねにする』


『やめて!』


「じゃあー明日売りに行きましょ。あとは各自適当にステ振りしておいて。アイテムはどこで売れるのかわからないけど、とりあえずホームセンターとかコンビニに行って聞けばいいわね」


『ドロップアイテムは、普通はギルドに登録して売ったりするのが定番ですけど、ギルドもどこにあるのかわからないですね。そもそも実際にあるのか』


「それも含めて冒険よ。楽しみながら進めましょう。みんなおやすみー」



 ――――――――――――



「おはよー。」


 依里亜は普通の冷蔵庫の中から卵やら牛乳を出して朝食を作る。料理の時に【カラスのくちばし】やらを寝ぼけて出したりはさすがにしない。


「食洗機をテイムできたら皿洗いは便利だけど元々うちにはないからなあ。あ、そうそう。寝ながら考えたけど、今日はまず私とレビで行くわー」


【アイテムボックス】スキルは以蔵だけのものなので、ドロップアイテムは全て以蔵が持っている。しかし、どこで売るかどうかわからないのでコンビニやホームセンターを回るとしたら車の方が都合がいい。そして車で移動するなら以蔵は連れて行けない。冷蔵庫は軽自動車には乗らない。


 ということで、ボックスから出したある程度のアイテムをリュックに入れて、依里亜とレビが車で回ることにしたのだ。


「以蔵さんとブンジさんお留守番ねー」


『バタン!』


『るすのまに なにかあっても しらないよ』


「変なこと言わないでいい子にしておくこと! 」



 ――――――――――――



 ドロップアイテムを売却できるのはやはりギルドだという情報は、最初によったコンビニですぐに教えてもらえた。お礼にとばかり、ポーションとマナポーションを少し多めに買った。


 ギルド登録やアイテム売却は市役所に行けばいいらしい。確かに公園の管理も仙台市がしてたしな、と納得する。


 市役所に向かって依里亜が愛車を走らせる。ふと思いついてレビに話しかけた。


「そういえば、気になってたのよね。私がテイムする時って、()()()()()()()()()()()()()()()()()ことでできるのは、以蔵とかブンジをテイムした時にわかったんだけど、レビさんだけは、最初から触ってもいないのにテイムできちゃってたのよね。怪しくない? レビ。」


『そうでしたっけー? ほら運営のブラフさんも言ってたけど私はなんか隠れた秘密があるんですよ、きっと』


 レビは怪しいやつ扱いされても特に気にする様子はなかった。



 市役所に着き、車を駐車場に停めるとカーナビから音がした。


『こんにちは。今日は✕月✕日火曜日です。』


「あれ、カーナビのボタン押してないのに」


『今日からテイムされましたのでご挨拶です』


依里亜の愛車はテイムされていた。





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