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無生物テイマーは家電が好きなのです  作者: はむにゃん
第1章 無生物テイマー、恋人を探す
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舞台とルール

 どうせだからということで、朔太も混ぜてPvPをやろうという話になった。


 朔太の闘いの時のスキルは見てみたい。果たしてどんな戦い方をするのか。


 朔太のスマホで確認すると、他の予定も入っていないようなので、早速PvP会場に向かうことにした。



『朔太さんお久ぶりじゃないですか、てっきり死んだままだと思ってましたよ。そしたら愛しの依里亜さんは現在フリーってことで僕が立候補してもいいんですけど、そりゃまあ依里亜さんの気持ちもあるからなかなかすぐにはとはいかないかもしれませんが……』


「うるさいマイカ。【オートドライブ】切っていいぞ。俺運転するから」


 朔太の顔は笑っている。


『依里亜さんは運転しないんですか、僕の運転席にやはり一番似合うのは依里亜さんだけですから、朔太さんは』


「うるさいって。ほれ」


 とアクセルをグンと踏むと、ホイールスピンをしてから車はスタートした。結構なスピードを出す。


『ああ!やめてくださいよ! 警察に捕まってしまいますよ。切符切られるのは朔太さんですけど、警察に捕まると僕のプライドが。つか警察怖い。嫌い』


 1人で勝手に走ってる間に何があったのか。


「ふーん、それじゃあ、あとは()()()くれぐれも安全運転でよろしく」




 PvPの対戦相手は、ジャンケンもクジも家電たちには難しそうだったので、あみだくじにした。トーナメント方式。


【1回戦】マイカ VS 朔太

【2回戦】以蔵 VS ブンジ

【3回戦】2回戦の勝者 VS 依里亜

【決勝戦】1回戦の勝者 VS 3回戦の勝者


 試合数が多いので3位決定戦はやらない。


「空いてたので第1体育館借りましたー。マイカがいると広い方がいいしね」


 第1体育館はバレーボールコートが最大で9面張れる広さ。


「ルール説明しまーす! 時間は無制限。相手のHPを削り切るか、場外で負けでーす。誰から見ても戦えない状態になっても負けでーす。HPがあってもね。トドメは刺すことないわ」


 朔太が手を上げた。


「体育館内なのに場外って? 」


 依里亜が入り口横の壁についてるボタンを押すと、コンクリートで出来た長方形型の舞台が依里亜の腰の高さまでせり上がってきた。


「PvP用専用のバーチャル舞台なので破壊は可能よー。壁は破壊できないけど。壊れても対戦ごとに新しい舞台にできるわ。マイカもコンクリートの上の方が走りやすくていいわね」


「いわゆる天下一なんとかのルールと近いね。となると場外の定義ははっきりさせた方がよさそうだね。何が起こるかわからない」


「そうね、それじゃ舞台の周りのフローリングの床に触れたら負けね。壁に当たっても跳ね返って舞台に戻ればセーフ」


 舞台と壁との距離は3mくらい。


「観客席は? 」


 壁の上には約4500の観客席がグルっと取り囲んでいる。


「フローリング以外はセーフで。そっちの方がおもしろそう! 観客席も壊れないけどね」


「場外乱闘の盛り上がったところで決着がついちゃうのも白けるからね」


「ポーション、マナポーションは各自3本まで使用可能。私はそれ以外にもヒールは使うけどね。これは私のスキルだから。あとは何をしてもいいわ」


バーリトゥード(なんでもあり)か、ますますいいね」


「あと、レンタルでビデオカメラも借りてきたわ。レビにつないで撮影しまーす。レビはズームアップとかカメラの操作もリモートでできるということなので、任せた。微妙な判定はビデオ判定で。レビが審判ね」


「接戦になればいいね、マイカ君」


 早くも朔太が挑発をする。


「それから! 朔太は即死スキルは禁止ね」


「まあ、妥当でしょう」


「私も無理やり【テイム】で相手を操るとかはしないから。あ、そうそう。PvPって仮想対戦だけど、朔太のカード枚数はその都度復活するのかしら? 1回戦で苦労したら2回戦でカードがゼロとかー」


「今までそういうのに影響されたことはないから、どんどん減っていくと思うよ。まあ、1回戦でそんなには使わないよ。なあ、マイカ」


 朔太がマイカの屋根をペチペチ叩く。


『いやいや僕だってレベルあがってますし、相手が依里亜さんじゃなきゃ遠慮なんてしませんから、壁に自分からぶつかったりとかは絶対にしないで本気で()きにいきますよ。負けても言い訳しないでくださ……』


「はいはい」


 と朔太はニヤニヤしながらボンネットに座り、サスペンションの反発を楽しむかのようにゆさゆさと体重をかけた。


 このまま走り出して朔太を轢いたらルール違反である。


「はい!もう始めるよー! スタートポジションは2人の好きなところで」


 朔太とマイカは適度な距離をとって、向かい合うようにポジションを決めた。


 マイカがレース前のようにエンジンを吹かす。サイドブレーキを掛けたままギアを繋ぎ、いつでもスタートを切れる状態。


 一方の朔太は左手の親指をズボンのポケットに引っ掛け、突っ立っている。武器などは持ってないが、いつでもカードで出せるからいいのだろう。右手を上げ、用意ができたよと合図を出す。


「じゃ、3、2、1、ファイト! 」



今日はあと1話投稿しますので、ぜひご覧くださいませ。

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