超ショートショート『アイスティー上のぺんぎん』No116
つめたいアイスティーを頼んだまま、くうを見つめてボーッとしていたら、いつのまにかそこにペンギンが住み始めた。
5センチくらいのまめつぶみたいなペンギンたち。
いつのまにかひんやりした氷の上にいて、うす茶色のアイスティーの海を泳いでいる。
ぺったんぺったんと氷塊の上を歩いたり、綿毛みたいな子供を温めるため、足に抱えたりしている。
なんだか、とてもかわいい。
私がすっかり魅入ってしまっていた。
...ふと、だんだんと氷が小さくなっていることに気づく。
アイスティーが溶けてきたんだ......。
小さな小さなペンギンたちは、だんだんと住処を失って、泳いでいることの方が多くなる。
大変だ。私は焦ったのだけど、どうしたらいいか分からない。
一体どうすれば...
...
...
私の朝は遅い。
特に休日は、暖かくなるお昼までおきない。だってさむいと眠いし。
とにかく、お昼になって。
私は羽根布団からだらんと起きて、地を這うように、陽の光の入らなくした、ヒヤリとした洗面台に向かう。
そこにはたくさんの氷の塊と、ペンギンたち。
私はそこの水で気をつけながら水を汲み、顔を洗う。
ペンギンたちは少し迷惑そう。
そして、冷たい水ですっかり目が覚めた。
さあ、今日はどこへ行こうかな。
涼しげなペンギンたちを見ながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。
ご拝読ありがとうございます!
まだまだ若輩者ですが、小説家になるためにひとつひとつ頑張っていきます。
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