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49話 ノアキネー村の店

短いです、後日加筆修正します。


※2021.2.27 「道具屋」の話を、加筆しました。本編に直接影響する内容ではないのでスルーしても大丈夫です。


透子とクーリンは店の看板を1つ1つ見ながら、服屋を探していた。


「服屋の看板ないわね? 絵は服のマークだよね?」


「たぶんね、でもここは村だから、服屋の単独はないかも。何かと兼業しているかもね?」


「ああーそういうことか、ギルドもハンター以外は総合窓口だったよねー。 服屋って何と兼業しているんだろ?」


「んー、武器屋?」


「えー、ないない。剣とか盾とか売っているところで服なんか売ってないよ」


「そうかな? 防具とか鎧とかハンター用の服ありそうだけど」


「あー、そっちね。普通の旅装が欲しいんだけど・・・」


「えっ? だってこれから水の祠で試練受けるんでしょ? 戦闘用の方がいいんじゃない?」


「んー? でも鎧とかはイヤだな。せめて魔法使い用のローブとかないかな?」


「じゃあ、武器屋行ってみて、小剣をみてこようよ、1本くらい持っていたほうがいいっていわれたじゃん、ついでに聞いてみればいいよ」


「あっ、そうだったね。まだ素材を換金していないからあまり持ってないけどどれくらいするか見るだけ見て聞いてこよう」


「あっ、そうだった換金してなかった。あの喧騒でしそこなっちゃったんだっけ」


「そう、だから3万マルカしかないから、1万残して、それぞれ1万マルカ以内の予算で」


「わかった。・・・けどいいのか? それはトーコの持ち物の対価だろう?」

クーリンは申し訳なさそうに言う。


「うん、取り合えず建て替えで、素材を換金したら清算するから気にしなくていいよ」







「ねえ、剣と槍の絵があるよ、あそこじゃない?」


「それっぽいね」


透子とクーリンは店に入っると、ドアの上で何かの金属がガチャガチャとなった。

奥から、店主らしい髭のヒューマンが出てきた。


「こんにちは」

トーコが挨拶して、クーリンはペコっと頭を軽く下げた。


「おう、見かけない顔だな? 何を買いに来た?」


「ナイフか小剣を見せて下さい」


「解体用か?戦闘用か?」


「あー、兼用?」


「ん? お前ら本当にハンターなのか?」

店主は呆れたように言った。


「一応ハンターです。さっきギルドに登録してきました」


「はっ、見習いだろう? 伝道者はどうした?」


「・・・いないですよ」


「そんなわけないだろう? ん? お前ヒューマンの魔法士か?」


「あーそんな感じです?」


「そっちはなんだ?」


「クーリンです」


「そうじゃないだろう? ハンターだというなら何で獲物と戦うのだ?」


「水の中なら爪で斬撃、森の中ならウィンドカッターとか?」


「は? お前カワウソだろう? ウィンドはないだろうが、ウォーターカッターじゃねえのか?」


「あっ、それでもいけます」


「・・・・・・もういい。お前らは魔法主体なら俺の店には用はない。道具屋に行け、ローブとか杖とか売ってるから」

店主は疲れたように追い払うしぐさをしながら言った。


「ナイフや小剣もあるんですか?」


「ナイフならあるだろうが、カッター使えるなら魔法でやればいいじゃないか?」

面倒くさそうに店主は言った。


「ちなみに服って、どこで売ってますか?」


「布屋だな」


「あーなるほど、ちなみに看板の絵はどんな絵になってます?」


「布をロール状に巻いた絵だな」


「ああぁー、見たわ、あれか! ありがとうございます」

(ロールケーキかカット前のバームクーヘンかと思った、ケーキ屋じゃなかったのね!?)


「じゃあ、ありがたいと思うならこの桶に水を入れていってくれ、何も買わないなら客じゃない。情報代だ」

店主はニヤリと笑ってカウンターの下から洗面器サイズの木桶を出した。


クーリンと透子は顔を見合わせて、透子が桶に近づいた。


「なんだ、お前じゃない、そっちのカワウソに言ったんだ」

店主はうざそうに言った。


「水とお湯とどっちがいいです? 氷でもいいですよ」

透子はニッコリ笑って選択を迫った。


「何だと?」

店主は驚愕した。


「出せるものなら出してみろ、氷を」


『チューブアイス』

透子は冷凍庫で作る3Cm正方体の氷をイメージして、手品師のように手をグーからパーに開いてザラザラザラザラザラと桶に山盛りに盛った。


「・・・・・・」

店主はあんぐりと口を開けたままフリーズした。


透子は氷を1つ摘み、店主の口に放り入みながら言った。

「この氷は、食べてもおいしいと思いますよ。じゃあ、失礼、クーリン行こう」







「で、どうすんの?どっちから行く?」


「んー、道具屋はどこだかわかんないし、ナイフより服の方が欲しい。布屋に先に行こうよ」


「いいよ、あそこだっけ?」




ロールケーキの絵にしか見えない看板のある家に着くと、ドアの前には、クローズの木札がかかっていた。


「・・・閉まってるね・・・」


「閉まってるな・・・」


「・・・じゃあ、道具屋探すか」


「あら、道具屋探しているの? ギルドの真向かいにあるわよ」

通りかかりのタヌキのおばさんが言った。


「えっ?ありがとうございます」


「そう思ったら、ぜひ買って行ってね、うちの身内が作った道具もあるから」


「あっ、職人さんなんですね。わかりました何か買うようにします」






「なあ、あんな事安請け合いして、大丈夫なのか?」


「んー見ないとわかんないけど、不足しているものは一杯ある。きっと買うものがあると思うんだ」


「優先順位を考えろよ」


「うん、もちろん」






※加筆部分※



「ここだよね?」


「ギルドの真ん前だから、そうじゃね?」


「看板はペンと紙だよね? 文房具屋じゃないの?」


「カミ? ・・・ああ皮紙か、えー文房具とは?・・・あー書くものを売る店か?」

クーリンは、脳内検索をして、透子のなぞ単語を解析した。


「・・・・・・クーリンって、単語を調べる検索機能?が頭に入ってるの?」


「んー検索機能とは?・・・違うね。透子の世界の言葉を翻訳する情報をタッキー様から授かっている、が正しいかな? 解析とか鑑定できないし」


「あー用語辞典みたいな感じか?」


「用語辞典?・・・そうそうそんな感じ」


「・・・・・・・・・」

ジト目でクーリンを見た。


「・・・何?」

何でそんな目で見るのか?と言わんばかりに首を傾げるクーリン。


「はぁ・・・もういいわ、入ろう」




ドアを開けようとノブを握ると、ノブが薄く光って消えた。

透子は少し驚いて、固まったのち、ノブを動かそうとしたが、全く動かなかった。


「何だったの?今の光?  開かないんだけど!」


「留守じゃないだろう?」


「オープンの木札がかかっているから、やっているよね?」


「開け方がわるいんじゃね?」

クーリンは、透子を押しどけて、ノブを握った。


透子と同じ様にノブが薄く光って消えた。

「あっ、ダメだ、開かないな」


「どうしようか? 何かしないと開かない感じだね? ロックがかかっているみたいじゃない?」


「ロックか? 色々面倒そうじゃね?」


「オープン中の店にロックって? あまり有り得ないけど?」


「・・・そんなこと言われてもさ」




透子とクーリンがウダコダやっていると、ギルドからカウンターにいた受付嬢がでてきた。


「あら、あなたたちはさっきの新人登録した者たちね、もしかしてこの店に来たの?」


「ええ、なんか入れないんです?」


「あー、この店は入り口で固体認証しないとドアが開かないようになっているのよね。前に酔っ払いのガーディアンらがなだれ込んできて暴れたり、たちの悪いハンターどもが道具にいちゃもんつけたりして、店の中が何度か大変なことになって、店主の懇願でギルド長と村長が合意で防護対策にドアノブに魔道具を取り付けたから、始めての来店者は、ギルドカードか住民カードをノブが光っている時にタッチして魔力を流して登録しないと中に入れないのよ。」


「あー、そうなんですね。」

(カードをタッチとか、日本の某ホテルのドアみたいだ)


「魔力を流すとドアが室内に後退するから、ノブを握ったまま中に入ったらノブを離すと、ドアが元の位置に戻るから、やってみて!」


「じゃあ、私からやってみるね」


「そう、じゃあついて行くよ」






いつも読みに来てくださっている方、ありがとうございます。


最近仕事上のメンタルの浮き沈みが大きいので投稿ペースも乱れていますが、亀更新でもエタらず継続維持したいと思っています。


よろしくお願いいたします。


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