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22話 ふれあい広場

5月後半忙しくて投稿できず、お待たせしました。

いつも読んでくださっている方ありがとうございます。


透子が里内を散策していると、子供たちのにぎやかな声が聞こえてきたのでその方へよってみたら、クマ子ちゃんやクマ太君たちがワラワラと遊んでいた。

よく見るとウサ子ちゃんやタヌキ君もまじっている。

遠目でみるとモフモフふれあい広場化していて眼福である。



(あー、クーリンもいる!)

透子はフラフラニヤニヤと近寄って行った。



「あー、水魔法使いのヒューマンだ!」


「えー、違うよ。闇魔法だろ!」


「おとうちゃんたちが探していた闇魔法使いのヒューマン?」


「違うよ、今朝、水を補給に来たヒューマンだよ」


「あー、そうだ。おとうさんがいつもよりたくさん水を入れてくれたって言っていた水魔法使いのヒューマンだ」


「おかあさんがいつもより水がおいしいって言っていた」


「うん、加護持ちの水はおいしいって、うちのばあちゃんも言っていた」


「祝福と加護じゃ、味が違うの?」


「加護の方が上だからじゃない?」


「えーあんなに真っ黒な髪と目なのに、闇魔法じゃないの?」


「水魔法なら青いよね? どこも青くないみたいだよ?」


「二次属性持ちなんじゃね? ヒューマンだし」


「「「「「あー、なるほど!!」」」」」


「いやいや、なるほど・・・じゃないから!」

クーリンが否定した。・・・・・・でも、誰も聞いていない。


「じゃあ やっぱりメインは闇魔法なんだね!」


「「「そうだろ!」」」


「へー、いいな。二属性持ちか」


「ヒューマンは複数持ちが多いからな」


「ちがうから!」

クーリンがさらに否定する。・・・・・・でも、誰も聞いていない。


「闇魔法と水魔法か!かっこいいな」


「ヒューマンの魔法みたいね!」


「「「「「あー 見たい!見たい!」」」」」


「トーコさぁ~ん」

トールさん家のレナちゃんが手を振りながら呼んだ。


透子はナデナデモミモミしたくなる心とワシワシ気味の手を押さえて、子供たちに声かけた。

「こんにちは! みんなはここで何しているのかな?」


子供たちが口ぐちに返事した。

「遊んでいるの!」


「毛づくろいごっこなのー」


「おいかけっこー」


「クーリンにタッチ競争!」


「えー、いいなあ、私も毛づくろいごっこしたいなぁ」

透子はキラリと目を輝かせて、よだれ垂らしそうな勢いで、女の子組?に反応した。

男の子組の走る方はさりげなくスルー。


「えー? 毛ないじゃん!」


「そうそうヒューマンは毛なしだからだめなのー」


「無い毛はつくろえないのー」


「禿げ?は無理なのー」


「いやいや、毛あるから! 禿げじゃないから! 産毛あるから!」

透子は焦って言いつくろう。


「「「「「???」」」」」

クマ子ちゃんたちは意味不明で首をかしげた。


「ねえねえ、魔法みせてよ!」

駆け回っていたクマ太君の一人が声かけてきた。


「んー、魔法?」

透子はなんだろうと思いながら聞きかえした。


「闇魔法と水魔法使いなんだよね?」

タヌキ君が聞いた。


「えっ? 闇魔法? 違うよ! 水魔法だよ!みんなのおうちに朝、水を給水したんだよ」

透子はここでも闇魔法か!と内心舌打ちした。


「それは知ってるよー」


「おかあさんが言っていた」


「うちもとうさんが言っていた」


「二属性持ちだよね?」


「黒目黒髪の闇魔法と水魔法だよね?」


「メインが闇で、サブが水だって誰かが言ってたよー」

子供たちが口ぐちに言いあった。


「いやーちょっとちがうね~。昨日から何度も言ってるけど闇魔法はないのよ! 水魔法がメインなの。あとは氷雪魔法が使えるかな?」

透子は子供達にわかるように言った。


「「「「「えー、闇魔法ないの?」」」」」


「「「「「ひょうせつ魔法って何?」」」」」

子供たちは闇魔法に反応したグループと氷雪魔法に反応したグループにわかれた。


「私は水門を通ってここにきたらしいから、水の精霊様の加護を頂いたの。その時に従者は精霊さまが水の眷属でと言うのでカワウソのクーリンを旅のお供につけてもらったのよ。」

透子はクーリンを指し見ながら言った。


「「「「「あっ、ああー 」」」」」

子供たちもクーリンを改めて見て、なんとなく理解した。


「じゃあ、ひょうせつ魔法って?」

ウサ子ちゃんが代表するように聞いた。


「水魔法の上位魔法の事だね。水を冷たくして固めたのが氷でひょう。それより柔らかくて白いのが雪でせつ。氷と雪のことを氷雪っていうのよ。」

透子は優しく説明した。


「氷と雪!」


「雪って、冬の寒い日に空から落ちてくる白い冷たいやつだ!」


「あーあの白いフワフワなのー?」


「氷ってなんだっけ?」


「ほら、寒くなると水がカチンコチンに固まるじゃん!」


「あー、泉とか池とかの表面が固くなったやつか?」


「朝、土の下に生えてくる白っぽい棒みたいなやつじゃね?」


「それいうなら、屋根の下にできる棘みたいな水の塊なのー。おとうさんが折って鍋にいれて火をつけると水になるよー」


「「「ああー」」」

子供達が思いつくままに言い合っていた。


透子はパンパンと手を叩いて、子供達の衆目を集めた。

「えー、水が固くなったのを氷というんだけどね。土の下から生えてくるのは霜柱(しもばしら)。屋根の下にできるのは氷柱(つらら)といいます。氷の仲間です。」


「魔法で見たい!」


「見たい!見たい!」


「そうだ!そうだ!」


「「「「「氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!」」」」」

子供達のシュプレヒコールが起こる!


「「「「「氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!」」」」」


「「「「「氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!」」」」」


「「「「「氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!」」」」」


「「「「「氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!氷雪魔法!」」」」」


「わかった!! わかったから!」

透子はあまりの盛り上がりに閉口した。


(どうしよう? 水なら噴水ショーとかイメージあるけど、氷と雪だよね?なんかないかな?・・・・・・雪?雪?雪? ダメだ。なんも浮かばない! このままだとブリザードになりそう~ブリザードで雪だるまでも作る? あーカマクラとか? ・・・じぁないわ! 雪像だ! 北海道の雪まつり!! すべり台付きの雪像を作ろう!)


「じゃあ、ちょっとみんなこっちに集まってね。」

透子は広場の中央を空ける。


「おい! 大丈夫か!」

成りゆきを見守っていたクーリンが心配になって声をかけた。


「んー、たぶん?・・・・・・何とかなるでしょ!」

構想を練っていた透子は適当に答えた。


「ブリザード!! ウォータースライダー雪像  零下50度凍結」

透子がぼそっと力強く唱えて、手をワシ手にして指先を広場の中央に向けると、指先から雪が猛吹雪になって走りだし、広場に積み上げられていく。

積み上がる雪は固まりながら形を作りやがて5mくらいの高さになり、プールサイドにあるような螺旋型滑り台・ウォータースライダーに形づいていった。

透子の体からゴソッと魔力が抜きだされて軽い倦怠感を感じたが、まだまだ魔力は健在である。

ブリザードが止まると、透子はもう一度「冷凍硬化」を唱えた。


スライダー雪像からは白い冷気がうっすらとあがっている。

まわりもなんとなく空気が涼しい。


子供達は顎が外れそうなくらい口を開いて、ポカン状態になっている。

クーリンも同じく・・・であった。


透子は、なんだかやり遂げた感で、家一軒分より大きくあろうかという乳白色の雪像スライダーを見上げてその出来栄えに満足であった。

(すごーい! 某ランドのウォータースライダーにそっくり! 雪で出来ているからスノースライダーだね! あとはちゃんと滑るか? だよね?・・・・・・なんかだか楽しそう!)


ポカン状態からいち早く脱出したクーリンは、透子の近くで詰め寄った。

「ねえ! ちょっとちょっと大丈夫か? あんなどでかいの作って!!・・・・・なんだかよくわからないけどあれ、氷だろ?ヤバクね? 絶対カメ爺、説教案件じゃね??」


「あれは、スノースライダーといって滑って遊ぶ遊具だよ。子供たち、楽しいと思うよ」

透子はニコニコしながら言った。


クーリンは呆れたように言った。

「はっ?遊具? いやちょっとダメじゃね?かなりフリーズしているよ! 子供達、完全に放心しているから~」








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