表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/50

15話 ブートキャンプ?


ただ今、ブートキャンプ絶賛開催中!!


・・・主に、クーリンが!


いやぁ、すごいって! ほんとにすごいワ!!

もともと、すばしこいとは思っていたけどさ!


水の眷属っていうのにさ

風をまとって 

「さぁーっ」って、移動したかと思えば

「しゅーっ」って、草刈鎌のような風刃出して果実やら木の実やら切り落として

「すとっ」と、落下したのを落下地点で待ち構えてキャッチ!

「ぽぃー」と、マジックバックに放り込む


「さぁーっ」

「しゅーっ」

「すとっ」

「ぽぃー」


「さぁーっ」

「しゅーっ」

「すとっ」

「ぽぃー」


「さぁーっ」

「しゅーっ」

「すとっ」

「ぽぃー」


「さぁーっ」

「しゅーっ」

「すとっ」

「ぽぃー」


「さぁーっ」

「しゅーっ」

「すとっ」

「ぽぃー」

以下、同文、繰り返す・・・・・・



クーリン、めっちゃガンバってます!

「かっこいいよ! クーリン!」

枝から枝へ 「さぁーっ」「さぁーっ」と、大跳躍して移動していく姿は

もはや、カワウソというより、ムササビに見える!


マジすごいワ、サーカスの曲芸よりレベル高いワ!


だって、たまに後ろ脚が踏み外すことあるんだけどね

落ちそうになると

すかさず、あのしっぽがクルッと枝に巻き付いて

半回転して、体勢を戻すんだよね!

「ずるっ」

「くるっ」

「すたっ」

って、感じなんだよ!


手に汗をにぎって、ハラハラ!ドキドキ!ホッとしながら

応援しています!


・・・マジックバックの口を全開して、ちょっと斜めに傾けて 

絶賛待機中!!  

・・・・・・の、透子です!



えっ?

ボケッとマジックバック持って、突っ立っているのか?って?

・・・イエイエ、一応歩いていますよ。進行方向に向かって!



えっ?

透子のブートキャンプはどうしたか?って?

・・・どうなったんでしょうかね~?


遠い目をして、思い返すのであった。







・・・・・・時は、戻り

朝食を食べた、透子、クーリン、一休は、水洞窟をあとにした。



「今日は半日くらい歩くとの、徐々に水精霊様の庇護から遠ざかって行くわい。

替りにのいろいろな森の獣が現れやすくなって危険が増していくのじゃ。

襲われる前に自衛が必要じゃ。攻撃は最大の防御ともいう。

よってこれからクーリンはウィンドカッター、トロ子はウォーターカッターの特訓じゃ!

まずはシールドを纏って移動するとしようかの。」

一休が宣言した。


「はい・・・水で? 風で?」

クーリンが聞いた。


「どちらでもよい・・・が、訓練や風がよかろう」



「はい・・・このままで練習するの?」

透子は一休に聞きながらシールドを唱えた。


クーリンはさりげなく透子を見て・・・フリーズした。

「!・・・・・」



「シールドを纏ったままじゃ・・・ 歩きながら、木の実や果実を見つけたら、狙って枝から落すようにカッターを出すのじゃ・・・ 」

一休は透子に答えながら振り向いて・・・絶句した!

「!・・・・・・」



シールドを発動させた透子は、特大バルーンの上下から頭と膝から足が出ている・・・ちょうどバブルサッカーのような姿になっていた・・・


「ん? あれっ!おかしいな?」

透子が姿を確認するように腕を伸ばすと、バルーンから肘手がボコッと出てきた。


「ブツフォ!」

クーリンが噴出した!!


「トロ子! それって甲羅から手だした亀じゃん!! ブッブッ!!」

クーリン大爆笑!


一休は眉間をモミモミした・・・


「えー?」

透子はわけわからないまま・・・シールドなりそこない?のバブルサッカーを解除した。




「なんじゃあれは?・・・まさかっあれがシールドとか?!」

一休はあきれたように言う。


「あはははは・・・なんでだろうねぇ? バブルサッカーみたいになったようだ!・・・おかしいな?昨日はちゃんとウエットスーツみたいにシールド張れたんだけどね?!」

透子は苦笑いしながら首をひねった。


「ブッブフォ・・・フォハハハハ・・・」

クーリンお腹を抱えて・・・爆笑中!


「バブルサッカー?」

一休は知らない単語を聞きとがめた。


「あははははっ・・・そりゃ亀じい見ながら・・・ブブッ・・・発動するから・・・ははははっ・・・バッバルーンカメットーコ・・・ブフォーッ・・・になったんじゃねえのか?・・・」

クーリンは講釈しながら・・・ドツボにハマってさらに爆笑した!


(・・・クソッ! クーリンめ!)

透子は内心で怒りながら、イビツなバルーンで何度か身を包んでは、クーリンに爆笑され、ようやくウエットスーツのようなシールドを纏うことができた。


一休はその様子をため息をつきながら見守っていた。


そうして3人?は、川下に向かってさらに歩き進めた。






「トロ子、あの実を落としてみるのや」

一休が指示する。


「はあぁーい・・・いきます・・・ウォーターカッター!」


透子の手から水が放たれた。


水はホースのように真っ直ぐにその実にむかって伸びて行き、実と周辺に放水して消滅した・・・


「・・・水やりをしろ、とは言っておらんがの?!」

一休が肩を落としながら言った。


「ぶぶっ!! カッターじゃなく、水やりだね!」

クーリンは、笑いをこらえながら追従した。

既にクーリンの笑いの沸点はかなり低くなっていた。


ムッとして、透子は半目でクーリンを見た!

クーリンはおどけたように首をすくめた。


「ウォーターカッター!」

今度は大真面目に唱えた!


水は再びホースのように、先ほどより太くなって、その実に向かって伸びて行き、その放水の勢いで実は枝から弾けてそのまま飛ばされて見えなくなっていった・・・


「・・・フム、どこへいったのかのう?実は? ・・・あれはウォーターカッターにはみえぬ、ただの放水? いやあの勢いや、暴水かのう?・・・まったく、実を採集しておるのっじゃよ! 飛ばしてどうする! わかっておるのか!!」

一休は手?を眉毛の上に敬礼するようにおいて、実の行方を見つめながら言った。


「ぶっぶぶっ!! 暴水! 」

クーリンは 一休のつぶやき?が追い打ちをかけて、笑いのツボに入り腹をかかえて笑っていた!



透子はクーリンに、ムムッムュとして、近くの実をねらって連続して唱えた!

「ウォーターカッター!」

「ウォーターカッター!」

「ウォーターカッター!」

「ウォーターカッター!」

「ウォーターカッター!」


透子から放たれる放水は、気合が上がるほど、太く勢いが増していき ・・・消防車の放水を超えて・・・もはやダムの放流爆水レベルに膨れ上がったときには ヤバイ!!と感じた一休が、透子の顔面に甲羅でストライクした!!


ストライクされた透子はそのまま後ろに昏倒し、かろうじて放流爆水は放たれる直前に霧散した。


透子の暴水に爆笑していたクーリンは、放流爆水には青くなって退避モード寸前だったが、透子が昏倒すると慌てて介抱しはじめた。


「ちょっとじいさん!! やりすぎじゃねえの? メスの顔に甲羅ストライクはないわ!・・・あーあぁ鼻血でてんじゃんか!」


「いやー わしもあせったんでのう! あれはあかん! あんな爆水放したら森への影響が計り知れんわい! 地の精霊様から巨大なお叱りがあるわ!」


「いや、それは・・・わかるけどよ・・・おれも逃げごしだったしな・・・それでも顔はやめようぜ! ただでさえつぶれた平たい顔しているんだしよ・・・やるならボディブローにしとこうぜ!!」

あまりフォローになってないフォローだった。






鼻血をタラーリと流しながら昏倒した透子は、クーリンに介抱されてしばらくすると気が付いた。


「ちょっと! ひどいじゃない! 甲羅で顔面攻撃ってどういうこと#」

当然起きるなり怒り心頭の透子である。


「あーそれはすまんの。鼻血が出るほど強く当てるつもりはなかったのじゃ。」

一休が神妙に謝った。


「えー鼻血?」

透子は鼻の下を指で拭ったが血はつかなかった。

既に一休の魔法できれいになっていた。


「しかし、あの爆水魔法はあかん! あんなものを放したら森が破壊されるであろう。森に住む精霊様の怒りを買うであろう。 主はまだ精霊魔法をうまく扱えてはおらぬゆえ失敗もあるが、それでも山や森の自然を壊してはならんのじゃ! 」

一休は諭すように言う。


「トロ子よ、大きな威力で発動する魔法は危険じゃ。そのつもりがなくても他者に被害を与えてしまうこともある。自重せよ! 魔法はわれらに恩恵を与えるもの。扱い方を間違えてはならぬのじゃ。」

一休はさらに言葉を重ねた。


鼻血と聞いて、さらに頭に血が上りかけた透子であったが、一休の話を聞いて昏倒直前に放とうとした魔法を思い出して消沈した。

「うん・・・わかったよ」




復活した透子はウォーターカッターに再びトライするが、威力を注意しながら上げると暴水し実を弾き飛ばし、下げるとウォーターロープが鞭のようにしなったりして、カッターにはならなかった。


しかたがないので、ウォーターアローをがんばってみた。


(当たるようにはなったよ!・・・命中率も2回に1回くらいになっていい感じだよ・・・だけどさ実が爆散するって!どういうこと!!・・・クーリンがさ・・・実の上の枝か茎を狙えっていうんだけどさ、実に命中するんだよね? ・・・亀がさ、爆散するたびに眉間をモミモミしてばかりいるんだよ・・・ノーコンとは言わないと思うんだけどね?・・・何で矢がささったまま落下してくれないのかな?・・・)



・・・というわけで、お役目御免になった透子はマジックバックを開いて回収する係になったのである。

冒頭に戻る。






そうして、三人は森の恵みを収穫しながら進んでいく。






いつも読んでいる方、ありがとうございます。

恋愛ジャンルできた方、ごめんなさい。まだ出会い場面に近づいてないので暫くお待ち下さい。

もう少し旅の道中記的なあれこれが続きます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ