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14話 2日目の夜②


透子は、昨夜と同じように、平べったい石の上に寝そべった。


・・・硬かった!


昨日は、色々とありすぎたのと、歩きすぎで疲労が困憊して寝てしまったが、今日は逆に色々あったことで頭が興奮しすぎて寝れなかった。


寝そべっていると、背中の節々が石にあたって痛くなってよけい寝れなくなってしまった。


透子はぼんやりと考えていた。


(この先、村だか町だかにたどり着くまで、野宿確定だよね?

この洞窟はまだキレイなほうだけど、地べたに寝る可能性もあるってことで、

テントもないところで、地べたはイヤだなぁ・・・

なんとか魔法でどうにか、できないかなぁ?・・・

とりあえず、ベッドで寝たいよねぇ・・・

水魔法でウォーターベッドとか?

あっそれいいかも?!

ベッドじゃなくても、ウォーターマットとか?

あーウォーターマットとかいうと 浴室にあるエロ用?になるかも?!

・・・そうだ!テントの中におくエアーマットのウォーター版がいいかも!!

・・・それでやってみよう)


「ウォーターマットシングル!」

無言で唱えてみた。


寝そべっている透子の真上に、発現し、そのまま落下して透子を押しつぶした。

「うっうへーっ!」


・・・押し潰された透子は何とか下から這いずり出てきた。


クーリンはウォーターマットが出現した時点で、飛び起きて警戒して距離をとっていた。


その様子を薄目で見ていた一休が言った。

「トロ子は何をしておるのじゃ!  ようやくおとなしく寝たかとおもえば、また妙なもんを出しおって?」


「えー、ベッドの代わりにウォーターマットを出してみた? 石の上だと背中が痛くてよく寝れないんだよねぇー なんか出す場所間違ったみたいだけど・・・アハハハ・・・モノはあっているみたいな?」

透子は苦笑いした。


「昨日の夜は、グースカ!グースカ!とその石の上でよく寝ていたけどな?」

クーリンが突っ込んだ。


「んなことない!!」

透子は、ギロっとクーリンを睨んだ。


「・・・まあ、よい。そのウォーターマットとかにのって早く寝なさい! 安眠妨害じゃ#」

一休が言うと、

「そうだそうだ!!」と、クーリンが便乗した。


「はぁーい、お休みぃ」

透子は、ウォーターマットの上に寝そべった。




(うん、楽々♪ 毎晩これ出そう。

今日は、亀のおかげ?で、いろいろわかってきたな。

特に、精霊魔法!

クーリンは、水と風の魔法が使える。

私は、水と氷というか氷雪って言っていたな、雪も使えるのか。

亀は、水と風の他にもできそうだけど、他には何の魔法が使えるのだろうか?

あと、マジックバックの謎?

明日、洗ったぬれたタオルがどうなっているのか?確認しなくちゃ!

弁当箱の中身も。

チョコやアメ、100均店で買った胡椒や蕎麦とめんつゆ、ポストイットやボールペン、A4用紙もろもろ、バックの中身を一度全部だして、確認しないとだめだよね。

日本での最後の買い物品が100均グッズとは、なんだかね・・・

でも、100均よったあとで良かったかも?

細かいものばかりだけど、重宝するだろう。

使ってもリセットできるなら、なおいい・・・ありがたい。

生理用品も予備があるはず、4~5枚ポーチに入っているだろう。

なんとかなるかな?

・・・何がなくて、こまるだろうか?

水は大丈夫、食事はマジックバックで何とかなるだろう。

・・・やっぱ、着替えだよね!

このまま、着た切り雀になりそうじゃん!

服と下着を手に入れたい!

あと、靴。

昨日、今日の歩きでだいぶ汚れて、くたびれたようだ。

このままだと、履きつぶしそうだわ。

・・・そうだ!

リセットするか?寝ている間、マジックバックにいれておこう。)


透子は、そーと音を立てぬように寝そべったまま靴と靴下を脱いで、マジックバックからビニ袋をとりだし、靴下と靴を入れてマジックバックにそーと入れた。


透子はまた思考した。

(昨日、今日、ほんとによく歩いたなぁ・・・

普段は自転車オンリーだから、あんまり歩くことはないから。

足、パンパンだわ。

そういえば、マイ自転車!どうなったんだろう?

あの、滝のまわりにはなかった。

門を渡ったのは自転車に落ちてからなのだろうか?

水面に突っ込む直前までハンドルを握っていた気がする。

自転車は他の場所に行ったのだろうか?

そういえば、足は昨日よりましになっているような気がする?

茸のおかげかな?

あんなに茸食べたのは初めてだった!

日本じゃ、シイタケとかシメジがおかずにちょっと入ってます、くらいだからね・・・

何かの薬の材料になるって言っていたから、疲労回復の効果もあるのだろうか?

採集したものを換金する、とりあえず今はそれでもいいけど、

ずーと、そういう生活をするのはイヤだなぁ。

どこか安全な町?街?に行って、定職に就きたい。

あん摩マッサージ指圧師なんて職はないだろうから、

なにができるだろうか?

そういえば、亀は火・水・光魔法は浄化と治療と言っていた。

ヒーラーとかだろうか?

医療系に就けるなら、それもいいな。

とにかく戦う系はパス!だから!他はなんだろう?

家事系のメイドも、不得手分野だからパスしたい。

あとは、商店とか、職人系かな?

職人は師弟制度とかありそうで、無理っぽい?

・・・と、なると商店の売り子とか、事務か?

どうやって、仕事見つけるのだろう?

ギルドとか?

ラノベやゲームだと、ギルドから斡旋だった。

冒険者ギルドか?

そういえば、この世界の文字や言葉は大丈夫だろうか?

クーリンや亀と普通に話しているから会話は大丈夫そうだけど、

文字は読めたり書けたりするのだろうか?

あの二人、文字文化と無縁そうなんだよね?

読み書きできなけりゃ、事務は無理だしね・・・

逆に加護のおかげで、ノープレブレムだったら、

この世界の教育水準が低ければ低いほど重宝されるかも?

ああーなんかいろいろと不安だ。

こんな森だか山だかにいるから、よけい思うんだろうな。

もともと都会人なんだから、人がいて文化がある街とか都市に行きたい!

やっぱり、定住して生活の基盤がないことがストレスかも?

・・・ヒーラーがいいな! 

それに関係する職、ポーション?製薬系とか?

水魔法を極めないといけないんだろうな?

せっかく魔法が使えるようになったんだ!

いろいろ教えてもらって、イメージを試して、沢山使えるようになろう。)


透子はそんなことを考えながら、いつしかウォーターマットの心地よさにうとうとしながら眠った。





「やれやれ、ようやく寝たようじゃな!」

一休はこっそり起きた。

そして、透子のウォーターマットを、シゲシゲと見た。

(まったく、いろいろと規格外じゃわい! 

シールドの予想以上の威力もだったが、

このウォーターマットやらは常時魔法を発現した状態を保つつ、

睡眠しながら、無意識に魔力を循環させておるようじゃ。

そうとうの魔力量じゃの。

王の加護は強いゆえ、使いこなせず自滅する者が多いというに

こんなわずかな期間で

これほど独創的に使いこなす者は初めて見た。

おそらく彼女の世界にある何かをイメージしておるようじゃが、

実に面白い!

ワシもまだまだ長生きできそうじゃ。

明日は、しかときたえねばならんの!

実に楽しみじゃわい!!)






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