表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/50

1話 訪問先はどこですか?

初投稿です。不定期更新になります。

よろしくお願いします。


(・・・・・・ここは??)


あたりを見回すと、池?というか、いや4階くらいの高さから水が落ちているからここは滝つぼのほとりなのだろう。滝幅は5?6?メートルくらいか。水飛沫が太陽の光に反射して少し幻想的な雰囲気がある。


(・・・・・・で、ここはどこだ???)


いやな感じの汗が背中に感じた。どこだかさっぱりわからん。

その前に、私は訪問マッサージ先の老人ホームに向かっていたはずだ。道中に滝つぼは無い!!

・・・街中を自転車で疾走していたはずなのに、なんでこんな山だか森だか林だか知らんが、緑溢れる自然のど真ん中にいるんだ!


(ここはどこだ? 私はだれだ? 今日は何曜日だ? 朝ごはんは何食べた?)

ダメだ! 認知症の確認テストみたいになってきた。・・・混乱している。

  

整理しよう

私は紅葉治療院に勤める あん摩マッサージ指圧師 だ。略して[あマ指師]という。

三年間専門学校で解剖学生理学運動学リハビリテーション学など基礎医学とあん摩とマッサージと指圧の実技を学び国家試験に合格すると免許が得られる医療職だ。医師の同意書を得て医療保険で身体の機能回復やマッサージをする仕事をしている。

リラクゼーションのセラピストやほぐし屋の整体師とは、よく混同されるが、民間の資格と国家免許の違いがあり、例えるなら経理事務員と税理士くらいの知識と技量の差があると思っているが、社会的に認知されていないのが悲しい。


今朝は土手駅近くの老人ホームに訪問マッサージに自転車で向かっていた。治療院から少し走ると国道沿いにでて大橋に向かう、大橋は渡らずに土手上のサイクリングマラソンロードに入り河沿いに下流に向かい次の土手駅橋まで行く、お気に入りのコースだ。


河は左から右へ大きく蛇行カーブをし、対岸の西方向に視界が開けた時に遥か奥に富士山を見ることができる。富士山はいつでも見ることができるわけではなく、天候がよく空気が澄んでいる時かぎりのラッキースポットだ。頭上は雲に覆われていて雨が降りそうでヤバげな感じだが、西の奥空は晴天で富士山が見える。


今日の天気予報は午前中曇りところによって一時雨、午後は回復し晴れの見通し、雨具の用意は完璧だ。

大体一時雨とか時々雨とかいうと、頭上にいつも雨雲が張り付いて、私のまわりだけ降っていたりする。

いわゆる雨女ってやつだ。昔から旅行とか運動会とかイベントごとにいつも雨って、ゲッソリな感じだが、

大型イベントは晴男だか晴女だかもいるらしく、雨は降っても中止になったことはない。イベントタイムの前後に降ることがほとんどだからだ。珍しく晴れたなぁと思っても、お天気雨が降ったりする残念な雨女だ。


今日はなんとか富士山も拝めて、雨が降らないといいなぁと思っていたら、お約束のように、ポツリポツリときた。ホームに滑り込みたいとペダルを漕ぐ足に力が入る。強く踏み込んだ足先が滑り、スネを強打する。

(ヤバイ!! 車体がグラつく・・・)

(・・ゲッ!!  ロードから脱輪した!!)

土手を転がり落ちて行く~


(・・・加速スルぅ・・・とッ止まれない~・・・)


(あぁぁ・・・雨が目にぃ・・・目がかすむ・・・)


(ヤバイおちるかも・・・・ヒッヒェ~・・・・とまってぇ~・・・・)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・河に落ちた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、現在にいたる。


(おっ思い出した!!

河に落ちたんか??

イヤ、落ちてないだろ?・・・・・服ぬれてないし?

でも、水面に当たる衝撃はあった。


当たった瞬間にどっかに飛ばされた!

どっかって、どこだ!

どっかって、ここか!!)


ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

冒頭に戻る。





(はぁ~ まいった。

もしかしなくても、トリップってやつだろうか?

・・・だよねぇ。

どうしよう?

はぁ~)


ぼーっと滝を見ていると、水面がキラキラと波たって、滝の飛沫が放散して光が反射して、とてもきれい。

なんだかとっても癒される・・・

ヒーリングスポットだね。

隠れた秘境100撰とかにありそう

・・・日本かな?

日本なら、自衛隊とか山岳会とかが保護してくれそうだけど、外国なら危ないな。

大使館にたどり着くのも大変そうだ。言葉わからないし、パスポートもない。


どっちにしてもいつまでもここにいるわけにはいけない。

人里を見つけて場所を確認して帰る方法を探そう。移動しよう。

その前に、この風景写メにとっておきたい。

カバンどうした?わたしのショルダーバッグちゃんは?


・・・・・良かった、あれだ!  見つけた。


タブレットを取り出して写メをとろう。タブレット大丈夫だよね?


ショルダーバッグを拾って、ファスナーを開けて中を見る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ファスナーを閉める。




首をかしげる。目をパチパチして、コミカミをグリグリしてみる。


もう一度ファスナーを開けて見る。

「なんっじゃこりゃ~!!!」

思わず叫んでしまった。


バッグの中は、真っ白だった。

まるでフェードアウトした画面のように・・・・・



恐る恐る手を入れて見る。

何も無い。触れない。霧の中に手を入れているみたい。  

底も壁もなく亜空間のようだ。

手を出して、ファスナーを閉める。


もう一度ファスナーを開ける。

・・・・・真っ白だ。悲しいくらいに・・・・・


タブレットとか、今日のお弁当とか、ペットボトルとか、タオルとか、ティシュとか、メイクポーチに、小腹用チョコや飴もどこいったの~  

ついでに財布とスマホも~  あと雨具も~

その他もろもろバッグに入れておいたものがない。

ないというか・・・・・何も見えない。


「はぁ~」

どうなっているんだろ?

お弁当とペットボトルがないのは、悲しい。水はあるとしても、食べ物がないのはきつい。

人里まで何も食べずにたどり着けるのだろうか?

サバイバルとか勘弁してほしい。

純粋な街育ちの都会人なんだから、無理ゲーやめてほしい。


とにかくこのバック意味不明だ。

足元の石を拾って、バッグに入れてみる。  手を離すと石がフェードアウトして消えた。

どこへいったのだろうか。重さは石を入れる前と同じだ。バッグ本体の重さしかない。

元々入っていたはずの中身の物の重さもない。


王様の耳はロバの耳じゃないが、なんだか白空間に向かって叫んでみたくなる。

「私のタブレットちゃーん!!」「お弁当!!」




すーぅと、お弁当が白空間に現れる!

「えーーーっ!!」

掴んでみる・・・・・・掴める!

バッグから取り出す・・・・・取り出せた!


タブレットは?

もう一度白空間に向かって呼んでみる。  「私のタブレットちゃーん」

・・・・・・・反応なし


もう一度呼んでみる。 「タブレット」

すーっと、タブレットが現れた!!


掴んで取り出す。

ONにすると、充電は100%、電波は圏外。

電話は繋がらない、メールの送受信も不可だ。

アプリは起動、カメラを起こして滝にレンズを合わせる。

写真を撮る。アルバムを起こす。写真を確認。

「うーん、よく撮れてるね」


・・・じゃないわ!

思わず、突っ込み事故をおこしてしまった。



タブレットとお弁当を地面に置いて、バッグの白空間に向かって、「ペットボトル」と呼ぶ。

すーっと、ペットボトルが現れた。

ペットボトルを取り出す。

一口飲む。中身に異常はない。

バッグに入れる。手を離す。フェードアウトするように消えていく。


メイクポーチは、どうだろうか?  「メイクポーチ」と呼ぶ。

来た! 

バッグに手を入れて取り出す。

ーチのファスナーを開けると、メイクセットの他、常備薬、合鍵などいつもの小物がごちゃごちゃと入っている。・・・良かった、ホッとした。

バッグに入れて手を離すと消えて行く。



だんだんわかってきた。

このショルダーバッグは外観は、いつもの訪問マッサージの時にもっていくカバンそのものなんだけど、中は亜空間?的な何か違う物のなっているということだ。

物を取り出す時は、名前を単語で呼べば現れて、手を離すと消えるというか、他のところに保管されているようだ。

どれくらい入るか分からないが、重くならないのは、いいね。  

非常に便利だわ。







・・・・・・本当に地球か? ここは?

だって、ありえないだろう!  

日本か?外国か?というレベルじゃなく、地球かファンタジーな世界か?

・・・のレベルになっているよ、怖すぎる! 


・・・・・・・・・・・・・・・帰れるのだろうか?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ