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自由人のやりたい放題人生  作者: 遊びに行くよ
6/15

3話 冒険者ギルドといえば、やっぱりこうで。結局はそうなるよね。

ニャンコ大戦争面白いね。


これまたでっけー。


今俺がいるのは冒険者ギルドの前。

《神権》でこの街のマッピングは完了してるので街の中はどこに何があるのか把握できている。街並みは期待通りの中世ヨーロッパ風。

一応分かってはいたんだが目の前でみると

改めてデカイな。一応建物自体はで2階建て。ここまでは割と普通なんだが、広い。ただ広い。

ドームまではないにしろ、体育館以上はある。この街で2番目に大きい建物だ。1番は領主邸ね。やっぱりいますよ金ズじゃなくて貴族。俺のお財布とも言う。



じゃあ行きますかね。

ギルドの中に人がいる事は確認済みである。

俺のテンプレの藻屑となれ。



引き扉を開ける。

ガタ

足を踏み入れる。

聞こえる冒険者同士の会話、酒を飲んでいる者、板の前で腕を組むもの、女性を誘う者、受付嬢を見つめている者、この広い空間の中で色々な人がそれぞれの事をしている。



「ぁぁ、良い」


求めていた。こうゆうのを!


そのまま真っ直ぐに歩を進める。

その先には皆美人の受付嬢が座るカウンター。


「こんにちは!冒険者ギルドへようこそ!ギルドへ依頼でしょうか?」


どうやら俺が依頼をする方だと思われたらしい。声を掛けてくれたのは栗色の髪を後ろで纏めていて目のクリクリとした可愛らしい感じの女の子だ。


「いや、違う。登録をしに来た」


「ぁっ、すいません!登録ですね!

登録料が銀貨2枚になりますが、いいですか??」


「ほい、銀貨2枚」


「ありがとうございます!

登録の際にギルドの方で一応の情報を管理してます、お名前と特技等他必要な事があれば教えて貰えますか??必要であればパーティメンバーの紹介等もできる様になります!」


「名前は小鳥遊 遊生だ。特技は特に無いな」


「タカナシ ユウセイさんですね、貴族の方でしょうか??」


「いや、違うな」


「ぁ、すいません!では共和国からの旅人ですかね、ェヘヘ、珍しい格好に苗字までお持ちでしたからてっきり」


共和国か、今の話ぶりだと国民全てに苗字があるんだろう。建国者は地球の転生者の可能性もありそうだな。

それに今いるこの国では苗字は貴族の物らしいな、今後は小鳥遊だけ名乗ろう。


「まぁ、そんな所だな」


「タカナシさん、特技無しとの事ですがなんでもいいので出しておいた方がいいと思います。例えばですけど、属性魔法が使える〜とかあればパーティメンバーも紹介しやすくなりますが」


「いや、パーティメンバーを募集する予定は無いからな、必要ない」



「ぁ、分かりました。ではギルドカードを発行するまでに10分程掛かりますが、

冒険者ギルドの説明等は必要ですか??」


「頼む」


「はい!

では説明させて貰います!

冒険者ギルドは街の人達の依頼を受け、冒険者登録された方々にその依頼をこなして貰いその仲介料にて運営してます!なので、冒険者ランクの低い内は比較的雑用と言われる様な依頼を主にされている方が多いです。冒険者ランクは低い方から

G、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSの順番で上がって行きます!タカナシさんはGランクからですね。Eまでが駆け出し、Dで一人前、Cで中級、Bで上級、Aは一流。Aランク以上の冒険者となると1%にも満たないです。そしてSは英雄レベルです!SSは伝説ですね、現時点でオルナス全体のSランクは24人です。SSランクに関しては3人しか居ません。後一応SSSランクは未だ達成された方はいないです。なんであるんでしょうね?ァハハ」


その後は軽い談笑を交えつつ冒険者のイロハを教えてくれた。


「はい、こちらがギルドカードになります!」


渡されたのは白色の薄い板。特に装飾なども無く、俺の名前とランクが記載されている。


「無くさないようにお願いします、再発行には金貨1枚必要になります。後は身分証明や街の通行証にもなります。ギルドが入っている街であればどこでも使えます、無いのは魔大陸くらいです。

まだお昼ですが、早速、簡単な依頼でも受けていかれますか??」


正直《神権》でそこら辺のおじさんから金巻き上げて宿代にしてもいいんだが、せっかくだし受ける事にした。


「ちょっと聞きたいんだが、一晩飯付きの宿だと幾らくらいする?」


「安い所では銅貨2枚くらいですね、一般的な所で銅貨4〜5といった所でしょうか、高い所では一晩金貨数枚の宿も有ります。恐ろしくて行けないですけどね、ァハハ」


「そうか、なら今日の宿代が稼げるくらいの依頼を教えてくれ」


「はい!少々お待ちください!」


待つ事1分。


「タカナシさんは今回が初依頼になるのでなるべく戦闘系の依頼は外して、3つ程紹介します。」


そう言って並べた3枚の紙。


・薬草の納品

薬草を納品する事、薬草5つで依頼1つと見なす。報酬銅貨3枚。


・宿屋、豚の帽子亭の皿洗い

宿屋にて店主から細かい指示を受ける。報酬銅貨5枚。


・迷いナイトキャットの捜索

依頼主の元でナイトキャットの捜索を行う。目的のナイトキャット確保で依頼達成。報酬銀貨5枚。


「薬草の依頼は常時依頼です。普段は銅貨1枚が報酬の依頼なんですけど、最近納品が少なくて少し上がってます。東門から出て直ぐの森に生えているので、比較的楽に採取できます。東の森は浅い所の魔物遭遇率がかなり低いので、大丈夫だと思います。深くには行かないで下さいね!絶対ですよ!

次は宿のお皿洗いです。薬草依頼と違って全く命の危険が無い依頼ですので報酬はやや低めです。私としてはおススメですね、最初は安全を確保して欲しいですから。

最後はナイトキャットの捜索です。この依頼主は一応貴族の方でして、一応報酬はいいし安全ですから選んで見ましたが、街は広いですしナイトキャットはかなり隠密性に優れた魔物ですので見つかれば捕まえられるとは思いますが、発見するのには苦労しそうです。

今紹介できる依頼はこの3つになりますが、どうしますか??」


「そうだな、薬草はどれだけ取って来てもいいのか??」


「それはもう、あればあるだけギルドとしては助かります!」


「分かった。では薬草の依頼を受けよう」


「はい!受諾しました!依頼の期限は無いので無理はしない様に頑張って下さい!」


いい人だなあ


「あぁ、ありがとう」


「いぇ、そんな!こちらこそ!ェヘヘ」


顔が赤くなっていたが、まぁいいだろう。

早速働きますかね〜。


「おいおい!お前みたいなガキが冒険者?

グハハハッ!笑わせんじゃねぇよ!」


キタァァァァ!

待ってましたテンプレNO.1!!厳ついオッサンからの冒険者登録時の洗礼!!高まる気持ちを抑え、あくまで冷静に。


「俺の事か?」


「お前以外誰がいんだよ!

まぁ俺は優しい優しい冒険者のモンス先輩だからな世の中の厳しさってもんを身をもって教えてやっからよ、持ってる有り金、後その珍しい服。ここに置いて行け!」


「うわぁ、またモンスの新人いびりが始まったよ。気の毒にな」

「最近はあんまり見なかったのにな」

「あれでもCランクだからな、俺には止めらんねぇよ。」

「しかもバックにあの大手クラン黒竜の翼がいるからな。仮にあれをやれても人生真っ暗だぜ。」


いいね!いいね!その如何にもなゲス感!くぅ〜堪らんっ!!しかもなにやらもっと大きな魚もかかってるらしいな。これは是非とも一網打尽にしたい!


「必要ないな」


「あん?テメェもっぺん言ってみろ」


「お前の様なむさいオッサンの手解きなど

ゴブリンの糞より価値が無いと言ったのだ。

聞こえなかったのか?ん?その死にかけの老人よりもおざなりな耳はお飾りか?この肉ダルマが」



・・・・。



静まり返るギルド。

先程までの喧騒がまるで嘘の様に静寂に包まれ、ほぼ全ての人の視線が遊生へと集まる



「なっ、なっ、な、なんだとグラァァァァァ!!死ねぇぇぇ!!」


肉ダルマが腰に掛けた剣を抜き切り掛かってくる。が、遅い。遅すぎる。ハイスピードカメラでも見ているかの様なスローモーションである。

正直避けなくても大丈夫なんだが、服が切れるのは宜しくない。ので、片足だけ引く。


スカッ、バキッ!


空振り、木の床が割れる。


「キャァァァ!」

「うおッ!あれはやべぇって!!」

「おい!誰が早くギルマス呼んで来い!!」


遅まきに聞こえる阿鼻叫喚。



「んなっ!??テメェ!ガキが!

避けんじゃねぇよ!!」


肉ダルマの顔がりんごの様に赤くなっている


二度三度と切り掛かってくるが俺はほぼその場から動かず、足捌きだけで避けている。


「畜生!ガキがちょこまかと!」


当たらない事を察したのか剣を振るのとは逆の手で掴みかかってくる赤リンゴ。

取り敢えずその手の指を全部折る。腕の関節を全て外す。痛みで叫ばれてもうざいので、

腹パン+首トンを決めて床に転がす。


「ゥッ」


ゴンッ。


剣は要らないな。取り敢えず倒れ際に腰の皮袋は戴いておいた。意外にも金貨2枚銀貨6枚銅貨15枚も入っていた、これで宿代は確保できたな。後はあの餌でどれだけ釣れるかだな〜。


そんな事を考えながら採取へ向かう遊生が

ギルドを出るまでの間、ギルド内の人は誰一人として動けずにいた。



◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇


遊生がギルドを出た後のギルド。




「ん??みんな一体どうしたんだ?そんな黙り込んで」



階段から降りてくる筋骨隆々の男性。



「ギルド長・・・実は。」


受付嬢が事のあらましを話す。


「何!?またモンスは新人にちょっかい掛けたんか!?でその新人は大丈夫なんか?」


「えぇ、それが攻撃していたモンスがいきなり倒れまして、それを機に新人さんは出て行きました」


「いきなり倒れた??なんだそれは?それであそこに転がってるのはモンスか?」


「はい」


「おい!モンス、さっさと起きろ!今回の件でのランク降格は免れんぞ。おい、モンス」


モンスからの反応は無い。

仕方なく起こしにいく。


「モンス、さっさ・・、ん?どうゆう事だ?首に打撃を受けた痕跡があるな。それに左手の指も折れてんな。関節も繋がってねぇ。おまけに内臓にも若干きてるな。

おい、この中でモンスの狂乱を見てた奴はいるか??」


全員が頷く。


「モンスが襲って、モンスが勝手に倒れたと聞いたんだが、間違いないか??」


これにも全員が頷く。


「そうか。分かった、一旦モンスは俺が預かる。皆んなは日常に戻ってくれ。

おい、カンナ!モンスに襲われた新人の登録情報を寄越してくれ。」


「かしこまりました!」



モンスのこの怪我は明らかに故意的なモノだ。これだけの事を、もし周りが見ていながら気付かずにやれる様な新人だとしたらとんでもない化物を引き込んだかも知れんな・・。


やっと狂乱のタンクをゲットした。嬉しいなぁ、ハハは。

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