7話 奴隷。
えー、ある作品のとあるヒロインの事が作者は結構好み、でありまして、今回登場する奴隷にはそのヒロインの名前とか設定とか色々混ぜて見ました。なろう作品を読んでいる方であれば気付く方もいるかも知れないですね、因みにその作品はアニメ化していてかなりの人気を誇ってます。
ギルマスに事を丸投げした後、勿論黒竜の翼の連中から腰の皮袋を全員分アイテムボックスに収納してからギルドを出た。
ここで、これからどうしようか迷った。
時間はまだ昼前だし、今この街は俺含め3人しか起きてないのでどこも機能してないだろうし。
という事で、取り敢えず当面の目標を考える事にした。
俺の最終目標は地球でも俺つえぇぇぇ!する事なので、
1、地球への帰還方法を探す。
これは時空魔法の更なる進化に期待しつつ、他のアプローチも探っていく形になるかな。
例えばだけど召喚魔法の応用的な物ね。
2、この世界の満喫。
優先度は1の地球への帰還だが、難易度はこっちの方が圧倒的に低いな。
なんせ楽しむだけやからな。
金もある程度出来たし、角街に屋敷買って転移拠点にでもして行こうかな〜
完全に金の無駄遣いだが、そうゆうの嫌いじゃないからな〜。だったら屋敷の管理をするメイドもいるな〜、この辺はかわいい奴隷でも置いとこう。夢が広がるな〜
大きく分けるとこの辺りかな、まぁ、細かい所ではギルドランクを上げるーとか奴隷を買うーとか、魔法の習得ーとか色々あるけど、基本は1.2の目標の中で必要な時にやっていこうと思う。
その後も色々と妄想しているとちらほらと街の人が目を覚まし始めたので、取り敢えず黄金豚の帽子亭に再度一泊する為転移で向かう。
「いらっしゃいませ、おぉこれはこれはタカナシ殿、お部屋にお忘れ物等はありませんでしたが、如何致しましたか??」
店主が声を掛けてくる。
「いや、もう一泊しようと思ってな」
「それはそれはありがとうございます。ご満足頂けたと思っても宜しいですかな。お部屋は昨日と同じで宜しければ手入れは済んでおります」
「そうか、もしかしたら人が増えるかもしれん」
「同じ部屋であれば大丈夫です。お食事は要り用であればお伝え下さい。ただお食事は少しお届けするのが遅くなるやも知れませぬ。私も含めてなんですが、先程まで全員が意識を失っておりまして、タカナシ殿は何かご存知でしょうか??」
「俺も同じ状況だったな。街の皆も同じ状況だったな。詳しい事は知らんな」
「今年で50になりますが初めての体験でありました。不思議な事も在るものですな。」
「あぁ、そうだな。代金は部屋に置いておくから受け取っておいてくれ」
「かしこまりました」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
宿を取ってから次に向かうのは奴隷商。
この街には2店ある。黄金豚の帽子亭店主によると1店は大手チェーン店的な存在らしい。ある程度の規模の街には必ずあるらしい。もう1店はこの街に昔からある老舗店なんだと。絶対ではないが、数なら1店目、質なら2店目で奴隷を探す方がいいと教えてくれた。
まぁ、どっちも行くんだが2店目の老舗店から行く事にした。単純に近かったからね。
2店目は比較的冒険者ギルドに近い場所にあった。1店目は北門の近くだ。
◇◇◇◇◇◇
老舗の奴隷商店に到着したんだが、初見で場所を間違えたかと思った。いやまぁ間違える筈はないんだが、外観がイメージと合致しなかったのだ。
俺のイメージだと、店の前にゴッツイ人いてどこか暗い雰囲気だと思っていたんだが、何というかこう一言で言うと、明るい。
まるで日本で言うコンビニの様な親しみやすさがある。更に扉も開きっぱなしにしている。
大丈夫だろうか??心配になってくる。心配したくなる雰囲気がある。
何はともあれ、重要なのは奴隷だからな。行って見よう。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ!」
挨拶をしてきたのは、双子なのかな??顔の似通った中学生くらいの女の子2人組。
やっぱ入る店間違えたのか??
「ここは奴隷商だと聞いたんだが、違ったか??」
「いぇ!間違ってません!」
「ここは奴隷商店です!」
2人でワンセット的な感じなのかな?
「そうか、では早速奴隷を見たいんだがいいか?」
「はい!では!」
「こちらへどうぞ!」
案内されたのは奥の個室。
双子は一旦退室して紅茶を持って来てくれた。片方がコップを持ち片方がそれに紅茶を注いでいた。ニコイチなのは分かるんだけどさ。たぶん別々に働いた方が効率いいんじゃない??いいんだけどね。
最初の挨拶以外には特に喋る事も無く、双子がやたらと凝視してきている為、目を合わせるとバッ!と目を逸らす。それを3回くらい繰り返した後、扉をノックして人が入ってきた。
「失礼致します」
入って来たのは壮年の男性。非常に優しい雰囲気を纏ったおじさまだった。
おじいさんとかおじちゃんとかオッサンとかではない。どの呼び方も年齢は大体同じくらいの年の男性を指す呼称だが、この人は間違いなく
おじさまである。
この感覚というかニュアンスは伝わり辛いかも知れないが分かって欲しい。
「お客様、本日はお越し頂きありがとうございます。私、当店の支配人をしております、名をトーマスと申します。
同室しております娘2人は見ての通り双子でございます。首に布を巻いている方がエミリ、腕に布を巻いている方がミリアでございます。2人とも借金奴隷でございますので、お気に留めて頂けたなら後程お話をさせてあげて下さいませ。」
この双子も奴隷なんだ。普通に身なりも綺麗だし店員かと思ったら商品だったわ。
「あぁ、よろしく頼む。俺はタカナシだ。一応奴隷を買うのは初めてなんだ。途中で色々と聞くかも知れんがいいか?」
「えぇ、勿論でございます。タカナシ様は奴隷をお求めになるのが初めてとの事ですが、どういった奴隷をお求めでしょうか??条件に合わせてリストアップしてご紹介させて頂ければ、少しは選びやすいかと思います。」
「そうだな、特にコレって条件はないんだよな。取り敢えず男はなし。有り得ない。女で言ったら大きく分けてどんな用途がある?」
「女性の奴隷であれは、やはり一番多いのは夜を共に過ごされる為に買われる方が多いです。他には家事炊事、稀ではありますが戦闘をこなせる者もおります。冒険者等でダンジョンを主な狩場とされている方の荷物持ち等も良く聞く女性奴隷の用途で御座います。」
「この店には全ているのか?」
「この辺りにはダンジョンも存在しませんので荷物持ちに適した奴隷は居りません。ですが、
戦闘をこなせる者が1人だけ居ります、その者が兼任できる可能性はありますが、元々冒険者でしたので少々気が荒い部分がありますので、おススメはできないです。
その他、夜伽ができる者が少々。家事炊事が出来る奴隷は多く居ります。というのも当店自体が基本的にこの街の借金奴隷しか取り扱ってないのが原因でして、ほとんどの娘は親の借金返済代わりに売られて来ている娘ばかりなので、必然的に家事炊事が元からできる娘が多く、それ以外には何も。という状態で御座いまして、必然的に年齢も低くなりますので、夜伽ができる奴隷な少ないのもそこら辺が主な理由になります。」
「なるほどねぇ〜。因みにそこの2人はどうなの?」
2人が同時にビクッとする。
「エミリとミリアには夜伽の方も教えてあります。まだ経験は御座いません。勿論、家事炊事は高いレベルでこなせる様に教えて有ります。当店の奴隷の中でもかなり優秀で御座います」
「歳は?」
「共に13歳になったばかりで御座います」
たしかに可愛いし見た目的には俺はいいんだが、どうしても元の世界の倫理観みたいなモノがな〜。いや別に手を出そうとは思ってないんだがね。今回欲しいのはこの街に買う予定の屋敷の管理人だからね。
「そうか、この子らに質問してもいいか?」
「勿論で御座います」
「じゃあ質問だ、俺に買われる気はあるか?」
「・・・」
2人共にこちらを向いているが、うんともすんとも言わない。
「申し訳御座いません。タカナシ様、話す許可を頂けないと奴隷は基本的に声を出さないので御座います。よろしけば許可を出してあげて下さい」
トーマスおじさまが言う。
「あぁ、すまんな、2人共話していいぞ」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「私達は、タカナシ様に!」
「お仕えしたいです!」
「何故、そう思った?」
「ぇっ、ぇっと、」
「わ、わかりません」
「ふーん、分からないのに仕えるのか?トーマスさん、普通はそんなもんなのか?」
「え〜、先ずですが、奴隷が主を選ぶ事自体が有り得ない事で御座います。奴隷は商品であり、それを選びお金を払うのはお客様ですから、奴隷側に選択権はないので御座います。
よって買われるのに理由を求めても答えられる奴隷はそうそういないかと。」
「そうゆうものか。因みに幾らだ?」
「はい、エミリとミリアは買われる場合2人とも一緒に。という形でしか販売して居りません。2人合わせて金貨60枚でいかがでしょうか??」
流石にいい値段するな。黄金豚の店主が言うには奴隷の相場は男で銀貨5〜10枚、女で金貨5〜10だと言っていた。男か女かってだけで10倍も値段が変わる。だがあくまでも相場であり、奴隷業界自体がかなりピンキリなので高い時はもっと高いんだろう。
「その値段で構わない」
腰にアイテムボックスのダミーとして下げている皮袋から、金貨60枚取り出して渡す。
正直、悪代官のスキルでバカみたいに値切り出来るとは思う、それこそタダ同然までいけると思うんだが、この店には今後も残ってほしい。そんな気持ちも込めて言われた値段で買う事にした。金は集めようと思えば幾らでも集められるからな。
「ありがとうございます。奴隷証はどちらになさいますか??」
「紋で」
「かしこまりました。ではタカナシ様の魔力紋をエミリ、ミリアに刻みますので2人の背中に指を当てて下さい」
背中を向けて肌ける2人。
一瞬、ドキッとしたが平静を保つ。
「こうでいいか?」
2人の背中に両手の人差し指をつける。
柔らかな感触と共に2人が少しだけ震える。
「はい、ではそのままでお願いします。」
トーマスおじさまが目を閉じ集中する。
「主タカナシ隷属エミリ、主タカナシ隷属ミリアにし双方の間に隷属の契りを結ぶ」
次の瞬間、2人の背中には黒色の模様が浮かんできた。なんと言うかよく分からない模様だな。まぁ、これが所謂奴隷紋なんだろう。
「タカナシ様、奴隷契約は完了しました。エミリとミリアにはこれから準備をさせますので、少々お時間頂きますが、その間他の奴隷も見られますか??」
「あぁ、そうだな。一応見せて貰おうか」
「はい、ではこの部屋に順に招きますので、ごゆっくりどうぞ」
一通りの奴隷を見せて貰った。戦闘のできると言っていた元冒険者の奴隷を旅に連れて行こうかな??と思ったが、想像以上に目つきがよろしくない。
可愛い娘のツンならいいんだが、容姿が普通なのにツンは正直要らない。
俺の好みじゃないので却下。
他も正直双子の下位互換もしくはいい勝負が出来るかな??くらいだったので、今回は却下。
年齢は1番高くて20。低いのは7歳とかもいた。買う人は中々の趣味をお持ちだろう。
20人くらいをパパっと見せて貰い、双子の準備が出来た所で終了した。
「では、最後にエミリ、ミリア。タカナシ様に挨拶を」
「タカナシ様、なんでも精一杯頑張ります!」
「夜は上手くできるか分からないです!けど頑張ります!」
「よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
可愛い女の子が一生懸命な姿はいいな。うん。実にいい。俺はロリコンと言われてもいいかも知れん。
「あぁ、よろしくな」
「はい!」
「はい!」
「タカナシ様、本日はありがとう御座いました。また要り用でしたらお待ちしております。」
「あぁ、いい買い物が出来た。たぶんまた来るからよろしくな」
「是非に」
俺と双子が店を出るまでトーマスおじさまは頭を下げたままで見送ってくれた。
分かりましたでしょうか?
出てきた奴隷はエミリ、ミリア。エミリミリア。
死に戻りする主人公のメインヒロインの名前ですね、そして双子と言う設定。ここまで言えば、知ってる人は分かりますね、知らない人はreゼロでggr。