第七十五話 ユウヒと第四王女
どうもHekutoです。
修正等完了しましたので投稿させていただきます。ほんの一時の間でも皆様に楽しんで頂ければ幸いです。
『ユウヒと第四王女』
名も無き異世界に広がる広大な森の中、日暮れにより昼間の暑さが幾分和らぐ時間帯ではあるが、森のとある一画ではある理由により信じられないほどの冷気が溢れていた。
「いつもながらユウヒはえげつないにゃ」
森の中に突然現れたクラッシュドアイスの小山を前にユウヒが満足そうに頷いていると、地面に降りたユウヒの隣に、木の上から一部始終を見届けていたネムが飛び降り、着地するなりユウヒを呆れた様なジト目で見上げる。
「どこが、暑そうに汗を流してたから冷やしてあげたんだ・・・優しいだろ?」
「そんなの優しさじゃないにゃ!?」
ジト目で見上げてくるネムの言葉に不服そうな表情を浮かべたユウヒは、氷の小山のところどころから足や腕、上半身や下半身を出してピクピクと痙攣する気絶した男達を指さして恍けた様に首を傾げる。実際、一人として殺めていないらしいユウヒは優しいと言えば優しいのだが、寒いのが苦手なネム達にとっては十分に『えげつない』光景と言えた。
「あ、あの・・・この度の助勢感謝いたします。大変助かりました」
危険が去ったことでユウヒを中心にエルフやネシュ族達が集まり始める中、あまりの事に驚きで固まっていた三人の基人族女性達。彼女達は十分な時間を使って正気を取り戻すと、ぎこちない動きでユウヒに近づき、彼女達に気が付いて振り返ったユウヒにお姫様は少し固い口調で謝意を伝える。
「いえいえ、怪我は無いですか?」
「あ、はい・・・特に怪我はありません。それで、ユウヒ殿? はいったいどういった」
つい先ほどまでの魔王然とした姿が嘘のように消えてなくなり、今は覇気の感じられない温和な笑みを浮かべるだけのユウヒ。そんなギャップのせいか少し返事に戸惑ったお姫様は、すぐに気を取り直すとネムとユウヒの間で視線を彷徨わせながら問いかける。
「ん?」
「何者かと聞いているんだ!」
どこか居心地の悪そうなお姫様の問いかけの意味がよくわからなかったユウヒ、今度は彼の方がネムとお姫様との間で視線を彷徨わせはじめてしまう。視線を彷徨わせ困った様に笑みを浮かべたユウヒに、再度問いかけ直そうとお姫さまが口を開こうとした瞬間、後ろに控えていた女性騎士の片割れが警戒心を隠すことのない強い語気で叫び、ユウヒは思わずそちらに目を向けると後ずさる。
「ちょっとなんで喧嘩腰なのよ!」
「いやしかしだな・・・ぅ」
その警戒心丸出しの声には、周囲に集まっていた森の民も険しい表情を浮かべ、ネシュ族少女の一部は密かに身構えてさえいた。そんな周囲の雰囲気を察したお姫様は後ろを振り返ると、同僚に肩を掴まれ注意されている女性騎士に睨みを利かせ、無言でそれ以上の言葉を禁じる。
「ふむ・・・ネムさんや」
「何にゃ?」
ユウヒからは見えないお姫様の表情がよっぽど怖かったのか、警戒心丸出しの騎士は顔を蒼くし、同僚の女性は驚いた表情を浮かべていた。そんなやり取りなど特に関心が無いらしいユウヒは、自らの顎を軽く親指と人差し指で摘むと小首を傾げ、隣で呆れた表情をお姫様の背中に向けていたネムへと声をかける。
「俺はどういった立ち位置なんだろうか? あれかな協力者とかその辺が妥当かな?」
お姫様から問いかけられた意味を自分なりに反芻していたらしいユウヒは、その結論を誰何の類だと判断した様だ。しかし、同時に自分の今の立場が今更ながらに分からなくなったようで、その疑問の答えをネムに求めたのであった。
「エルフの恩人でしょうか?」
「それだったら獣人にとっても恩人にゃ」
ユウヒの問いかけに苦笑を浮かべたネムの隣に居たエルフ女性は、僅かにその目を光らせると綺麗な笑みを浮かべ、エルフの恩人だと口にするも、耳をピンと立てたネムはその言葉にかぶせるようにして獣人の恩人でもあると口にし、エルフ女性に睨みを利かせる。
「恩人ねぇ? まぁそんな感じの者です。今回はお姫様を迎えに行くのを手伝っただけですかね?」
「えっと・・・」
背後で睨み合う女性たちに首を傾げたユウヒは、とりあえずそれでいいかと頷いてお姫様に向き直ると、首を傾げながらどこまでもふわっとした内容の説明を口にし、そんなユウヒの姿にお姫様は困った様な笑みを浮かべると、思わずユウヒと同じように首を傾げるのであった。
「・・・ふん、怪しい魔族だな」
そんなユウヒとお姫様のやり取りを見ていた勝気な女性騎士は、警戒心むき出しで睨むことは止めたものの、不審そうなジト目を浮かべると思ったことをすぐに口に出してしまう。
「おう、今度は魔族だってさ」
即座に同僚の肘鉄を脇腹に受け、痛みで沈黙する女性騎士の言葉に笑みを浮かべたユウヒは、ネム達に顔を向けると投げやりな笑みを浮かべ、自分の総称がまた一つ増えたとどこか諦め顔で笑い飛ばす。
「違うのですか? すごい魔法でしたが」
「ユウヒ、普通基人族は魔法が使えないのが多いにゃ。使えるのは一部の特殊な人間かハーフぐらいだし、それでもユウヒみたいにぽんぽん使えないにゃ」
魔族と呼ばれ笑い声を漏らすユウヒを、キョトンとした表情で見詰めたお姫様もまたユウヒを魔族と思っていたようだ。そんなお姫様が自分にじっと視線を向けてくることにため息を吐いたネムは、お姫様に首を振るとユウヒに向き直り何で間違われたのか簡単に説明する。
「なるほど、どうも変わった普通の人間のユウヒです。特に危険は無いと思うので安心してください?」
ネムの一通りの説明を聞いて納得したユウヒは、同じくある程度ユウヒの事を把握できたらしいお姫様に向き直ると、安心するには程遠い紹介文を口にしながら笑みを浮かべるのだった。
「その説明で安心できると思っているのか?」
流石にこの口上には勝気な騎士も毒気を抜かれ、同僚の女性も苦笑いを浮かべる。一方お姫様はにこやなな笑みを浮かべ頷いて見せ、その笑みをユウヒは不思議そうに見つめていた。
「ユウヒ様が安全なのは我々が保証します。それより急ぎハラリアに向かいましょう」
「わかりました。姫御手を」
「ありがとうございます」
「・・・ふむ(あの感じで今日中に帰れるのだろうか?)」
お姫様の不安が解消されたからか、見つめ合う二人に間に割って入ったエルフ女性の声で、集団は移動のために動き出す。その動きを眺めていたユウヒは、樹々の隙間から見える濃い紫色に染まる空を見上げ小さく息を吐くのであった。
一方その頃、ハラリアを囲む巨大な塀の上では、物見の獣人達から遠巻きに見られている二人の女性が肩を並べてため息を吐いていた。
「帰ってこない」
「そうですね」
それは、ユウヒの出ていたと言う門の上にある監視用の通路で、ユウヒの帰りを待つパフェとルカである。二人は終始短い言葉で会話をしながら、ハラリア周辺の切り開かれた森の向こうを眺め続けていた。
「まだやってたのか」
「ふふ、恋する乙女は大変ね」
そんな二人が何度目かの溜息を吐いていると、彼女たちの背後から二つ人影が姿を現す。その影はパフェとルカの様子を見に来たクマとメロンの二人で、呆れた様に肩を竦めるクマにメロンは楽しそうな笑い声を漏らした。
「恋する乙女かぁ良いっすねぇ」
彼女の言う恋する乙女と言うのが誰を指すのか分からないが、クマには解っている様でニヤニヤとした笑みを浮かべながら彼女たちの背後に近づく。
「クマ!」
「ひぃ!?」
その瞬間、背後の気配に気が付いたのかパフェが鋭い口調でクマを呼びつけ、常人の者とは思えない覇気の籠った声に思わず短い悲鳴を上げるクマと、そこでようやくメロンとクマに気が付くルカ。
「お腹減ったぞ!」
「・・・食い気が勝ったか、そいじゃ集会所戻るかね」
後ろを振り向き二人の姿を見たルカは、パフェに吠えられているクマを一見すると、心ここにあらずと言った表情で再度塀の向こう、暗くなってきた森へと目を向ける。
「おう! 行くぞルカ!」
「え? あ、はい・・・あれ?」
明らかにユウヒを心配しているルカの様子にメロンが困った様に微笑んでいると、空腹の限界を迎え始めたパフェがルカに声をかけ、そこでようやく意識を完全に取り戻した彼女は、キョロキョロと周囲に目を向け、暗くなってきた空を見上げると少し驚いた様な表情を浮かべるのであった。
すっかり日も落ち、灯り無しでは一歩先も不安で踏み出せそうにない森を見上げ俺は小さく息を吐く。
「うーむ、予想通りかぁ」
当然と言えば当然なのだろうが、淡い期待を抱いた俺は悪くないと思う、近頃は普通に自分の部屋で就寝する事が多いし、少なくとも夜は屋根のある場所で過ごせていたのだ。野外で一晩を過ごすのは何時以来であろうか? 正直魔法の力が無かったら野宿などごめんである。
「何が予想通りにゃ?」
「うん、今日中には戻れそうにないなとは思ってたんだけどね」
今は灯りと暖の為の焚火をネシュ族少女達と囲んでいるのだが、焚火を挟んだ向こう側で首を傾げているネム以外は皆、丸太椅子の上で身を寄せ合い舟を漕いでいる。
ネムの問いかけに思わず苦い笑みをが漏れてしまう俺は、木々の隙間から見える星空を見上げ、ついでに樹上で太い幹に身を寄せる様に寝ているエルフの女性たちに目を向けた。
「それは仕方ないにゃ、お姫様たちにユウヒみたいな移動速度を求めるのが間違いにゃ」
「ですよねー」
あまり眠る女性を見続けるのも気が引けた俺は、呆れた表情で話すネムに視線を戻すと肩を竦めながらそう返事を返す。
速度計とかで測ったわけではないが、魔法の力を使った俺たちの移動速度は、入り組んだ森の中だと言うのにも関わらず高速道路を直進する車などより速い、ちなみにこれは当然法定速度を守る優良ドライバー基準ではないと言っておこう。
「あの・・・」
そんな移動距離を普通の人間が半日も無い時間で移動できるわけがないのだ、このままいけば最悪明日も野宿である。そんな事を考え焚火を見詰めていると、マルターナ王国の人達用に作った即席テントがある背後から、か細い声が聞こえて来た。
「ん? おや? どうしましたお一人で?」
考え事をしていて背後の気配に気が付かなかった俺が振り返ると、そこには今回の救援対象であるマルターナ王国の第四王女、カデリア・なんとかかんとか・マルターナ王女が僅かに肩を縮め立っているではないか。ちなみに、なんとかかんとかの部分は発音と長さの関係で忘却の彼方である。
「その、もう一度お礼を申し上げたく思いまして。この度は危ない所をありがとうございました」
御付きの騎士も付けずに一人で現れた王女様は、眉を寄せて表情を引き締めると品のある所作でたきびを囲むネムと俺に深く頭を下げた。
「もうお礼は言われたと思うけどにゃ?」
その姿に少し驚いた俺の後ろでは、いつもより硬い口調に感じるネムが疑問を口にしていた。すでに救助した時にお礼は一通り言われているので確かにその通りなのだが、唯一違うとしたら頭を下げられたことであろう。
「いえ、二人の手前しっかり頭を下げていませんでしたから」
「あぁ」
どうやら俺の考えは当たりであった様で、頭を上げた王女様は申し訳なさそうな表情で頭を下げなかったからだと語り、その言葉と表情からはその事を殊の外気にしていたことが伝わってくる。
「お人好し王の娘もお人好しってことかにゃ」
「ふふ、否定できませんね。王族らしくないとよく言われます」
ネムの呆れた感情の籠った声に笑みを浮かべた王女様は、先ほどまでとは違う柔らかな表情で焚火に近づくと、女性騎士の二人が居た時は座る事のなかった、ネムの近くに置かれた丸太に腰を掛けた。
どうやら今の姿が彼女本来の姿であるようで、その立ち居振る舞いにはとある異世界のとある王族に近い空気を感じ、俺は思わず口元が緩むのを感じる。
「ふーん、まぁ良いんじゃないか? 知り合いの王家もそんな感じだし、他種族と仲良くするのならその方がいいのかもね」
「・・・あの、ユウヒ殿はいったい?」
懐かしいと思えるほど時間は過ぎてないはずなのに、そう思えてしまう人物達の事を思い出すと、この二人の関係性はとても良いもののように思える。と言うかこの二人多分だけど大分昔から知り合いなのではないだろうか、騎士の二人がいる時とは明らかに見せる表情が違うあたり、あまり表沙汰にする気は無さそうだけど・・・ん? なぜか二人して同じ表情でこちらを見ているんだが、どうしたのだろうか。
「ん? 俺?」
「はい、先ほどから何度も魔法を使っているのに魔族ではないと言いますし、それに王族とお知り合いと言うことはどこかの貴族でいらっしゃるのでしょうか?」
なるほど、未だに魔族と疑われていると言うわけではなく単純に不思議と言った表情だな、ネムに関してはもう魔法については慣れ切ってるだろうから、多分王族と知り合いと言うところであろう。
「んーどう説明したらいいやら、まぁ王族と知り合ったのは今回と似た様な状況かな」
見た目からして貴族とは思わないと思うんだが、そう言えばアルとの出会いも今と似たような感じだった気がする。何だけ、確か貴族の差し金で盗賊に襲われてたアル達を助けるために盗賊にエキサイティングしたんだったな・・・うん、そこは忘れよう。
「お姫様を助けたのかにゃ?」
「残念その時は王子様だったよ」
「まぁ」
あの時は魔法の力がどれほどのものか解らず思いっきりエキサイティングしてしまったが、相手が悪人で良かったと思う。倫理観とか大分昔にすり減ってるけど流石に一般人相手にあれをやってたら良心が痛む・・・ん? お姫様の表情が少し明るくなったような、そしてネムの目が険しいんだが何か変な事言ったかな。
「と言ってもこの世界の王族じゃないけどな」
「え?」
「ユウヒの世界の王子様なのかにゃ」
「いんや、また別の世界だな」
「・・・?」
はは、流石に俺が異世界の人間だと知らなければこの話しの流れではよくわからんよな。しかし日本の王子様って言うと天皇家の方々になるのか? うん、一般人の俺じゃ先ず出会うことは無いだろう。
「ユウヒはあっちこっちの世界に行けるの?」
「そうあっちこっちにはいけない・・・あぁ事もないのか?」
「「?」」
おっと、今度は二人とも同じ表情で同じように首を傾げてるな、と言うかこの二人かなり仲良いのではなかろうか、二人の仕草からはそんな雰囲気が伝わってくる。
しかしいろんな世界か、あの三人は今頃飛び回っているのだろうか・・・俺も少し興味があるんだよないろんな世界って、まぁどの道ルカの帰還完了後はそうなるかもしれんのだがな。
ユウヒが様々な異世界に思いを馳せている頃、ユウヒの脳裏を一瞬だけ駆けて行った忍者達はと言うと、
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
とある高級個室料亭の一室で、高級そうなテーブルを挟んで険しい表情を浮かべた男性と睨み合っていた。しかしその表情は男性の険しい表情と違い、只々緊張によって固まっているだけの様だ。
「睨み合ってないで何か話したら?」
そんな大人同士の睨めっこを横合いから眺めていたじぇにふぁーは、小さなあくびを一つ噛み殺すと呆れた様にそう零す。
「む、そうだな。知っているかもしれないが俺は防衛大臣とかやってる石木だ」
子供が見たらひきつけでも起こしそうな表情を浮かべていた石木は、後ろ首に一筋の汗を流すとじぇにふぁーの呆れ声で背筋を緩め、三人に話を切り出し始める。
「は、はい忍者です!」
「いや自己紹介しろよ、あーっと忍者ネームはジライダです」
「ゴエンモでござる。そっちでカチカチに緊張しているミリオタはヒゾウでござる」
そんな石木に対して、こちらは只々有名人と出会って緊張していた三人の忍者。ヒゾウはまだ緊張しているのか自己紹介にならない自己紹介を口にし、ジライダは呆れた様に忍者としての名を名乗り、ゴエンモは自分のついでにヒゾウを紹介してついでにディスる。
「本名ではないのか」
じぇにふぁーが三人のやり取りに苦笑を浮かべる中、石木は目を細めて本名を名乗らない三人を見詰め問いかけた。彼の付き合いの中には、本名を名乗らない人間などごまんといるが、彼ら三人もそんな異常者と同じかどうか石木は未だに測りかねている様だ。
「コードネーム的な何かだな」
「おまいら何で緊張せぇへんの?」
「ヒゾウが緊張しすぎなだけでござろう」
「・・・むぅ」
なぜ測りかねているのか、それはこの三人の放つ独特の雰囲気のせいである。一見ただのコスプレ忍者のように見える三人、しかし石木やじぇにふぁーの様な一般とは呼べない世界の人間から見れば、三人が明らかに異常な能力を有しているのは火を見るより明らかであった。
「うふふ、私の言った通りでしょう?」
「気の抜けた話をする割りにゃあ隙がねぇ」
それ故に石木はわからない、大抵そう言った人間には共通する空気感と言うものがあり、その空気感こそ石木が一般人と異常者を見分ける時に使う指標である。しかし彼らからは、その異常者特有の空気感や臭いがしないのだから石木も首を傾げるしかなく、上機嫌に笑うじぇにふぁーの言っていた意味も理解してしまう。
「隙窺われるとか政治家怖い」
「流石いしちゃん!」
一方何やら観察されている気はしていたが、隙を窺われているとは思いもしなかった三人は思い思いに口を開きだす。
「なにが流石・・・は!? ユウヒ殿がまたフラグ建てた気がするでござる」
「「ほんとだ!?」」
しかしそんな会話も束の間、特有の電波にだけ合う受信装置が反応したらしい彼らは、負のオーラを纏いながら、しかしどこか面白そうな表情で同じ方向、とあるアーケード街のある方向を見詰め始める。
「なんですって!? ちょっとそれどう言う事!」
「「「ひぃ!?」」」
反して面白くないのはじぇにふぁーの様で、割と本気で狙っているユウヒに新たなフラグが建ったと聞いては、笑みなど浮かべていられないと言った表情で忍者達に問い質しはじめ。
「・・・頭いてぇ」
高級個室料亭の一室には似付かわしくない喧騒が溢れ始める中、石木は慣れた様子で頭を抱えてため息を吐き、目の前でじぇにふぁーから逃げ惑う三人を見詰めて口元に笑みを浮かべると、懐から使い慣れ始めた最新式のスマホを取り出すのであった。
いかがでしたでしょうか?
ユウヒが名も無き異世界の地で、お姫様と出会いました。ネムもわりと近い立場ではありますが、彼女の場合はお孫様と言ったところでしょうか。
それではこの辺で、またここでお会いしましょう。さようならー




