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ワールズダスト ~現世に現れし黒き森~  作者: Hekuto
第一章 救出と救済

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第六十四話 工作兵? 世界の壁を超える

 どうもHekutoです。


 修正等完了しましたので投稿させていただきます。暇の合間にでも楽しんで頂ければ幸いです。



『工作兵? 世界の壁を超える』


 現実世界で様々作り出したなかでも、最大サイズの制作物に背中を見送られながら日本と異世界を繋ぐ白い壁へ向かって空を飛ぶユウヒ。


「うん、ジェンガ型高層建築の辺りからやりすぎた感は感じていたが・・・。ふははは、俺は後悔も反省もしていないぞー」

 彼はちょっとだけやりすぎてしまった事を後悔するような表情を浮かべながらも、開き直ったかのような声で笑うとあえて声に出して後悔も反省もしていないと告げるが、その声はどこか棒読みであった。


「次やるなら地中っぽい家を作ってみようか・・・」

 若干の後悔があるものの、魔力の籠った特殊な物を作るよりずっと少ない魔力で済んだ魔法建築に味を占めたユウヒは、次なる野望で様々な妄想を始める。


「まぁそんなことよりも、問題はこっちか・・・母樹にはやってみるとか言った気がするけど、本当に出来るのかね?」

 空を優雅に飛びながら妄想に耽るユウヒであったが、しばらく飛べばすぐにココの世界樹が目の前に迫っており、周辺を適当に開いただけの山の峰を見下ろしたユウヒは、空の上で一時停止すると眼下を見下ろしたまま難しい表情で何事か考え始めた。


「要は世界を越えるわけだろ? んー・・・まぁ、妄想大事、弱気駄目絶対」

 考え込むような姿勢のままゆっくりと地上へ降りて行くユウヒの口からは、何やら不穏な言葉が漏れ聞こえ始め、気合いを入れ直す姿からはいつもの気配が窺い知れる。


「よっと」

 そう、やらかすときの気配だ。


「お父様!」


「おう、元気してたか?」


「はい! 元気いっぱいです」

 地面に降り立つときに感じる足の痺れに眉を寄せるユウヒに元気よく飛びつくのは、今までに増してユウヒへの好感度が上がったココである。ユウヒの姿を見つけ嬉しそうに飛びついたココは、ユウヒに頭を撫でられると擽ったそうに目を細め、ふわりと父の首から体を放す。


「ふふ、ちょっと今からうるさくするかもしれないが、特に気にしなくていいからな・・・うん」

 ユウヒから体を放したのは、彼が今から何か作業を始めることを察した彼女の配慮であり、その事に気が付いたユウヒは暖かい笑みを浮かべながら声をかけ、この時感じた温かな感情がまさに父性と呼ばれる感情であることに気が付くと、思わず頬が引き攣り何とも言えない気分になるのだった。


「? ・・・はい! それと・・・妹の名前、早く決めてあげてくださいね?」


「おう・・・耳の早い」

 急に崩れたユウヒの笑みに首を傾げるココであるが、すぐに気にしないことにして返事を返すと、苦笑を浮かべるユウヒの精神に追い打ちをかける。


「みんなが教えてくれました!」


≪とぅ!≫


 予想もしなかった無邪気な追い打ちを受けさらに表情を引きつらせるユウヒに、嬉しそうに返事を返すココの頭上から、素早い動きで現れる二人の小さな精霊。


<お伝えするなら私たち!><風はだれにも止められない!>


 活発さがよく伝わる全体的に丈の短いパンツスタイルの精霊は、現れるなりヒーローショーのヒーロー登場シーンのようなポーズを決めると、使い慣れているのかよどみなく決め台詞を口にする。


「一発で何の精霊か把握できたわ・・・まぁほどほどにな?」

 そのセリフと姿から何の精霊であるか即座に察したユウヒは、肩を落として目の前の彼女たちに顔を近づけると、お手柔らかにと言う意味を込めた言葉をそっと呟く。


<だが!><ことわる!>


「・・・ですよねー」

 しかしその言葉は即座に切って捨てられ、その様子から自分の噂がどこまで広まっているのかと、肩を落とし無気力な返事を返したユウヒは、脱力感と共に僅かな恐怖を感じるのであった。





 ユウヒの頭の中が異世界流噂拡散術が及ぼす被害範囲の心配でいっぱいになっている頃、とある世界の管理神執務室では、可愛らしいマグカップからゆっくりと湯気が登り空気中に拡散していた。


「今日も平和ですね・・・外郭の外以外は」

 部屋の主の名前はアミール・トラペット。ユウヒが初めての異世界転移を体験することになった原因とも言える女神であり、最近名前が決まった特殊世界『ワ―ルズダスト』の維持運営を司る管理神である。


「怪我の功名か安定化傾向ではありますが、個人用の通信環境はいつ回復するんでしょうか?」

 マグカップ片手に彼女が視線を向ける大きなモニターの中には、世界の外郭の内側である広大な宇宙と共に唯一生命が生存する惑星が映し出されており、ユウヒの知り合いたちの姿を複数のウィンドウに映し出していた。


 一方外角の外側、彼女の背後に存在する大きな窓の外はケミカルでマーブルな色合いの空間がどこまでも広がっているのだが、そのあちこちで空間の歪みや紫電が迸っており、お世辞にも平和そうとはとても言えない。


「まさか意図的に延長とかしてない、ですよね?」

 これでも安定している方であるらしい空間に目を向けたアミールは、その空間の安定化作業を行っている知り合いの顔を思い浮かべながら不満そうに口を窄める。なぜ彼女が不満そうなのかと言えば、この空間の不安定な状況こそ、ユウヒと会う事も話すことの出来ない最大の理由だからだ。


「むぅ・・・ありえ?」

 たった一発で複数の世界を消滅させるような爆弾の実質的な爆発は防げたものの、爆発寸前の余波だけでも大きなダメージを負ったワールズダスト。その修復にはまだまだ時間が必要であり、彼女が勘ぐる様な事実は存在しないが、如何せん当の人物の普段の行いは勘ぐられるに十分なモノであった。


 不満げな呟きを漏らし始めるアミールの先輩である女性がどこか遠くでくしゃみを漏らした瞬間、突然今まで平和な映像で満たされていた大きなモニターが真っ赤な光を放ち、画面いっぱいに緊急事態を伝える文字が踊り出す。


「ええ!? 地表付近で時空の歪み!? あわわわ、今度は外部からの干渉!?」

 先ほどまでの平和なティータイムが嘘の様に怒涛の勢いでモニターいっぱいに溢れる異常警報の数々に、ぽかんとした表情を浮かべていたアミールは、目を白黒させながら慌てて作業に取り掛かる。しかしそんな彼女を嘲笑うかのように更なる異常事態を告げるアラームが鳴り響き、表示がモニター一つでは足りなくなったのか、何処からともなく現れた複数のモニターが彼女を急かす様に取り囲む。


「なんで、どうして? あ、あれ? 地表付近異常なし? これだけ強力な干渉なのにってああ! これ世界間転送です!」

 目にも止まらぬ速さで手を動かし異常事態を把握していくアミール、情報処理能力は管理神の中でも割と高い彼女は次々と警報を解除していくのだが、一番危惧していた人的被害が無いことに動きを止める。しかしすぐにその原因を突き止めると、椅子を蹴飛ばすような勢いで立ち上がり驚きの声を上げた。


 世界間転送とは、文字通り別の世界から別の世界へ移動する技術を指し、ユウヒがワールズダストに連れてこられたのも、帰ったのもこの転送技術である。これは基本的に世界の外郭を通る必要があるのだが、今回はその手順を強引に飛ばして直接惑星の地表付近で行われていた。


「だ、誰がどこにって未登録世界!? こんなナンバリング知りませんよ」

 理論上可能であるが、色々な条件が必要である上に安全な方法を確立している管理神なら先ず行わない方法である。そんな異常事態でも冷静に情報を収集できるアミールは優秀なのだろうが、若干予想外の事態に弱いところもある様だ。


「ウサギナンバー? なんですかこれ・・・」

 あらかたの異常事態を処理し終えたアミールは、最後に残った世界間転送の情報に注視すると、聞いたこともない世界の情報に呆れと疲れの見える表情で小首を傾げる。


「あ、干渉が消えた・・・異常は無し」

 彼女が首を傾げて数秒後、今まで世界に干渉していた力は嘘のように消えてしまい、後に残ったのはそこに異世界から干渉があったという情報だけで、それ以外は眉を寄せたアミールの瞳に映った、いつもと変わらない惑星地表付近の光景があるだけであった。





 通り雨、いやゲリラ豪雨の如く過ぎ去って行った異常警報にアミールが首を傾げながらモニターと睨めっこしている頃、何処とも知れぬ場所では何者かが狭い空間で一人目を開ける。


「ん? 地球経由の魔力干渉? おっと、これってワールズダストじゃん」

 目を開き起き上がった彼の目の前には、ノートパソコンが一台置かれており、そこに表示された内容に不思議そうな声を洩らすと、少し慌てた様に足の間に設置されている一本の操縦桿を掴み小さく動かす。


 どうやら彼が居るのは何らかのコックピットであるらしく、外部の見えないその空間でノートパソコンを注視する彼は驚きの表情を浮かべると、ワールズダストの名前を口にして目を輝かせる。


「えぇ何この複雑怪奇な構成、贅沢な魔力の使い方だなぁ・・・」

 操縦桿から手を離しノートパソコンを操作し始めた彼は、モニターの中に次々と表示される内容に眉を寄せると、呆れと羨望の混ざった声を洩らしてリクライニングシートの背凭れに体重を預ける。


「管理神かな? の割には丁寧な構成だし・・・まぁ危なくなさそうだからいいか」

 起き上がった彼に合わせて起き上がっていた背凭れに背中を預けた彼は、今も変わり続けているモニターの表示に目を細めると俯きがちに呟き始める。しかしそれも数分の事、何か納得した様に顔を上げた彼は真っ白な髪の毛を掻き上げ口元に笑みを浮かべた。


「でもいいなぁ・・・僕も魔法が使えれば機械に頼らなくていいのになぁ」

 起き上がり再度ノートパソコンの操作を始めた男性は、モニターのある一点を注視すると口を窄めて羨ましそうな声を洩らす。どうやらモニター上の情報は全て魔法の観測データであるらしく、男性が羨ましげな表情と声を洩らす理由はそこにある様だ。


「あれ? このナンバリングワールドって・・・」

 しかしそんな表情も束の間、何かに気が付いた彼を驚いたように目を見開くとすぐに目を細め、小さく呟いたかと思うとそれまで以上の速度でノートパソコンを操作し始めるのであった。





 時は少し遡り、アミールの執務室で警報が鳴り響く少し前の異世界ワールズダスト。


「人参畑です! 百歩譲ってもキャベツだけは植えますぅ!」

 ここはアミールの部屋のモニターに映し出されていた惑星の地表、そこに広がる荒涼とした大地と植樹された小さな苗木の広がる場所の中心にある村。大きく丸い湖の畔にある小さな村の一画では、現在白熱した議論が繰り広げられている。


「あほか、あんな栄養バカ食いする作物育てられるわけないだろ・・・」

 真っ白な兎耳を頭に生やし、大きな胸をその感情のまま大きく揺らす女性は、目の前のスレンダー美人に食って掛かるも、目の前の女性は呆れが多分に含まれた顔でダメ出しをすると静かに溜息を吐く。


「だってぇ」


「最初はやれてジャガイモ辺りだ。それでも大部分は大地の力を癒す方が先だ」

 口を窄め不満全開の表情を隠すことのない兎耳の女性は、ワールズダストに数多く存在する女神の一柱であり、呆れた目で妥協案を口にするスレンダーな女性もまた女神である。ユウヒから要らない認定された加護を与える二柱の女神たちは、ユウヒの居なくなった地で彼の残していった者達と穏やかな日常を送っていた。


「むむむぅ、一号ちゃんも人参がいいよね?」


「え? 僕はなんでもいいか・・・」

 しかしそんな穏やかで賑やかな日常は、一号さんと呼ばれた巨大なロボットが突然空を見上げ始めたことで静かに非日常へと動き始める。


「・・・ん? どうした一号? 急に空なぞ見上げて・・・何もないが?」

 スレンダーな女性、名前をメディーナと言う蛇の女神は、5メートルはある巨体の一号さんが見詰める先にある空を見上げ、何も見当たらない事に首を傾げた。


「魔導通信アンテナ展開、感度良好、緊急通信受信。マスターオーダーを確認、第一部隊はD型標準装備へ換装」


「へ? どど、どうしたの一号ちゃん?」

 しかし一号さんには何か見えていたのか、それまでの子供っぽい喋り方が一転システマチックとも言える平坦な声に代わり、驚き見上げる兎の女神ラビーナにとって聞き慣れない専門用語がその場を満たし始める。


「・・・」


「換装確認後ゲート展開、各機一号機を先頭に編隊を組め・・・換装確認」

 頭の白くて長い耳を真っ直ぐ立てるラビーナが、嫌な予感を感じたメディーナに肩を掴まれ、二人してその場から数歩下がると平坦な声の一号さんは見上げていた顔を下ろす。その瞬間、一号さんの周辺に光の粒子が溢れ始め、瞬く間にその巨体に様々な装備を纏いだし、腕も足も肩もそして背中も一回り二回り大きくなる。


「いったいこれは・・・」

 まるで鎧がさらに鎧を着る様に大きくなった一号さんの姿に、険しい表情でさらに数歩下がったメディーナは、頭の長い耳を押さえ震えるラビーナを背後に庇いながら小さく呟く。


「マルチミサイル、弾種変更、空間歪曲弾装填・・・完了。発射シークエンス省略、発射」

 一号さんの言う換装が終わったのか光の粒子が収まったのも束の間、足を広げ重心を低くした彼女は、目を見開く二柱の女神の前で背部ユニットを開いて中から先端の丸い円柱状の物体、所謂ミサイルの頭を覗かせると、間髪入れずに射出する。


「ひょうわ!?」


「おっと・・・」

 連続的な電気の弾ける音を出して射出されたミサイルは、その全貌を青空の下に晒すとすぐにロケットエンジンからオレンジ色の炎を拭きだし空へと舞い上がっていく。その爆炎と轟音に驚いたラビーナは、目の前のメディーナの腰に飛びつき、平静を装っていたメディーナは腰に感じた衝撃に小さく声を洩らし震える兎耳ヘッドを優しく撫でる。


 一号さんと女神たちが見上げる中、ぐんぐんと空へ上ったミサイルは何もない空間で爆発したかと思うと、その爆発の中にぽっかりと開く大きな黒い穴を作って見せた。


「空間の穴展開確認、ビーコン確認・・・完了。出撃!」

 その穴を確認した一号さんは、一対のカメラアイを瞬かせると顔を下げ、気合の声と共にふわりとその巨体を空中に浮かべると、背部から青にも緑にも見える光を吐き出しミサイルにも負けない速さで空へと舞い上がる。


「はは・・・すごいねこりゃ」


「と、とんでっちゃった・・・」

 少し強い程度の風を残し飛び立った一号さんを見上げたメディーナは、静かにその場に座り込むと空を見上げながら呆れた様に呟き、その背中には抱きついたまま一緒に座り込んだラビーナが、真ん丸に見開かれた真っ赤な目と蒼い顔で驚愕の声を洩らすのだった。





 一方、剣と魔法と神々の異世界に似つかわしくない閃光を放ち、空にぽっかりと空いた穴に編隊を組んで飛び込んでいくロボット達。


「これより世界間移動を開始する。数秒とは言え危険が伴いますので各機警戒を厳に」


『ラジャー!』


 先頭で後続を守る様に突き進む一号さんのすぐ隣では、一号さんに比べるとずっと小さな二号さんが後続に続く妹達へ無線越しに指示と注意の声をかけ、二号さんの言葉に彼女達は軍隊の様に統率のとれた返事を返す。


「外郭確認、防御フィールド最大、衝撃まで4、3、2、1・・・―――」

 光と闇がねじ曲がり引き伸ばされた様な模様が周囲を満たすトンネルを、唯真っ直ぐに突き進む5機編隊はそれほど時間をかけないうちに次の行動へ移り始める。空を見上げた時から変わらない平坦な声で、一号さんが無線機越しに僚機へと声をかけると、前方に半透明の膜の様な壁が見え始め、一号さんが不可視の壁で編隊全体を包みカウントが終わると同時に、水面に大質量が打ち付けられるような音が周囲を満たす。


「突破。有視界距離にマスター確認、着陸態勢」

 衝突音と同時に眩い光に包まれた彼女たちの姿は、次の瞬間には名も無き異世界にあった。しかもそれは空を見上げていたユウヒから20メートルほどの上空、高速で移動していた一号さんはユウヒの姿を確認すると一対のカメラアイを瞬かせ、地面に向いていた頭を引き上げると同時に急減速しながらユウヒの目の前へと降り立つ。


「ぬお!?」

 予想外の速度で急に現れた一号さん達に呆けていたユウヒは、目の前で急減速しながら地面へと降り立つ彼女たちの迫力に思わず驚きの声を洩らし身構える。


「ます・・・親方! 御呼びにより第一部隊D型装備で着任しました。今日のお仕事はなんですか?」

 小さな土ぼこりを上げ静かに降り立った一号さんは、衝撃を逃がすために屈めていた体をゆっくりと起こし平坦な声で、いやすぐにカメラアイを瞬かせると普段と変わらない子供っぽい声で元気よく敬礼をして見せ、首を傾げてじっとユウヒの瞳を見詰めた。


「あー・・・けがはないか?」

 しんと静まり返った空気の中で口元を引き攣らせたユウヒは、五メートルほど上にある一号さんを見上げた後、こちらはそれより低く地面から2メートルほどの場所にある二号さんの顔を見上げながら抑揚のない声で問いかける。


「はい、全機異常なしいつでも行けます」

 一方明らかに挙動不審なユウヒの問いかけに対しても、一切不審がる事無く綺麗な姿勢とハキハキとした声で答える二号さんに、ユウヒは日の光に照らされる五体の雄姿を眺めて僅かに微笑む。


「りょうかい、それにしても本当に召喚できたよ・・・」

 ちょっと驚いただけで済んでいるユウヒに比べ、彼の背中に隠れたり世界樹の影や岩陰に隠れる精霊達は、普段の好奇心が消沈した蒼い顔で一号さん達を見上げている。そんな背後の気配でさらにいつもの調子が戻って来たユウヒは、肩から力を抜き軽い返事を返して一号さんを見上げると、彼女達を異世界から異世界に呼び出せてしまった事実に何とも言えない表情で小さく呟く。


「どうしたの親方?」

 小さく呟いた後も、じっと一号さんを見上げるユウヒの姿を、蒼く光るカメラアイで同じようにじっと見下ろしていた一号さん。


「いや何でもない。とりあえずミーティングでも始めるか」

 彼女はその瞳でユウヒの感情を読み取ることが出来たのか、それとも単純に身体情報をセンサーで確認したのか、妙な汗を背中に掻いているユウヒに首を傾げ、その見慣れたしぐさにようやく調子を取り戻したユウヒは、思わず微笑み首を振ると軽い声をかける。


『はい』


「・・・・・・」


≪・・・・・・≫


 いつもと変わらないどこか怠そうな目をしたユウヒの言葉に、重厚な体を僅かに揺らし返事をする一号さん達は、複数の精霊たちに見詰められる中、この日新たな異世界しごとばへと足を踏み込んだのであった。



 いかがでしたでしょうか?


 はい、やらかしましたユウヒです。本人は全く気が付かない中、何人もの人間や神の肝を冷やした魔法は、その割に何の被害も出してない辺り彼の貰った能力の高性能さがうかがえますね。そんな魔法で世界の壁を越えた一号さん達が何をやってくれるのか、どうぞお楽しみに。


 それではこの辺で、またここでお会いしましょう。さようならー

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