第二百九十二話 火の精霊用ヒーター一号機
修正等完了しましたので投稿させてもらいます。楽しんで頂けたら幸いです。
『火の精霊用ヒーター』
急激な気温低下は日本人の生活に様々な影響を与えており、それは防衛大臣の机の上にも表れている。室内の弱い暖房を補う様に置かれた暖かなコーヒーに口を付けていた石木は、静かに室内に入って来た女性秘書に目を向けると目尻に入っていた力を僅かに緩めた。
「魔力物質保管庫からの報告書です」
笑みを浮かべる石木に不思議そうな表情を浮かべる女性は、胸に抱えていた届いたばかりの報告書を慣れた手つきで手渡す。
「おう、確か夕陽が材料持っていくついでに見てくれるって言ったやつだな」
大半の報告書は石木に届く前の段階で内容を纏められて届くものであり、彼の判断を必要としないものの方が多い、しかし報告書に関わった人間や案件が特殊であれば、一時報告書が直接彼の下に届き、機密性が高いものは電子データでは扱われない。そんな機密の塊になりえる自衛隊からの報告書を受け取った石木は、ユウヒと話した内容を思い出しながら書類を捲る。
「問題がありそうな物は全部夕陽さんが持ち帰って処理すると言うお話でしたね」
「そうだ……やっぱり問題があったか」
ユウヒが精霊用ヒーターの材料確保のために石木へと連絡した際、女性秘書もまた同席しており、会話の内容も覚えていたようだ。その時の話と言うのが、自衛隊の保管施設で起きている異常の調査と対処であり、報告書にはユウヒから説明された原因と対処について書かれているらしく、目を通す石木は大きな溜息を吐く。
「警備の人間が倒れた原因はそちらが?」
「ドンピシャだ……何とかこの毒電波の検知装置だけでも作れないもんかね?」
魔封石と呼ばれるようになった石の保管施設周辺では、度々警備の人間が体調不良を起こすと言う事案が発生しており、当初は施設の重要性からテロの線も考えられたが、保管されている物が物であるためユウヒに調査をさせる必要があると言う意見が出ていた。
どうするか悩んでいたところに丁度良くユウヒから連絡を受けた石木は、ついでとばかりに調査を依頼し、その結果が厳重に保管していた一部の魔封石から毒電波が洩れていたと言うものである。ユウヒから言われた手順通りに行われた作業であるが、彼の様に魔力やそれに付随する現象を確認できない影響が出たようだ。
「研究所の意地ですか……」
「気持ちも分かるがな、まだ余裕があるうちは任せるほかないだろう。民間企業でも研究はさせているが、まだまだ未知しかない世界だからな」
実は、この様な被害は事前にユウヒから示唆されており、そのための機材も用意可能だと言う事であったが、現状は検査機器一つ用意されていない。その原因はいくつかあるものの、主な原因はユウヒの過剰な手助けを嫌った利権者による横槍である。政府も一枚岩ではなく、いくつかの派閥がユウヒの過干渉を嫌い、検査等の機材を政府や関係研究所独自に作ることとなったのだ。
「夕陽さんの異常性が際立ちますね」
しかし、そこは異常なユウヒだから用意できる物であり、いくら優秀な研究者や企業の開発部門の人間が頑張ったところで足下に及ぶわけもなく。その事がよりユウヒの異常性を際立たせ、意固地になった人々からのヘイト増幅させている。
「絶対に守らにゃならん、がまぁ……俺らがどうこう出来る事は少ないがな? 物理的にも間接的にも天野家に触れて無事な奴なんていやしねぇ。しかも続々と傭兵団の人間が入国してるんだから尚更な」
その結果、一部ではユウヒ排斥論まで生まれており、その事に石木は危機感を感じているがその危機感の方向はユウヒ個人にではなく、日本と言う国全体や排斥論を口にする政治家に対してである。何せ世界最強の傭兵団の本拠地と言っても良い天野家と知らずに批判している人間が多く、手を出した場合のリスクなど彼らの言動には含まれていないのだ。
「傭兵団ですか」
「ただの夏休みだと言っとるがな……」
続々と日本に入国している世界中で活動していた傭兵団、その入国理由は明華による避難勧告によるものであり、実質ただの長期休暇であるのだが、彼らの危険性をよく知る石木にとっては底冷えする様な恐怖しか感じないのである。
そんな底冷えの中心人物とも言えるユウヒはと言うと、精霊用のヒーターを完成させたらしく、卓上コンロより一回り大きい程度の装置を前に満足そうな笑みを浮かべていた。
「とりあえずこんな感じか」
「これで元気になる?」
大きな円を描く様に幾何学模様が青く走る装置を突く精霊に目を向けたユウヒは、彼女達の不安そうな表情に曖昧な笑みを浮かべると、装置の側面を開き中から大きな差込口を引き出す。
「どうだろうな? 俺も精霊の医者じゃねぇし、寧ろお前らの方が良くわかるんじゃないのか?」
手のひらに収まるほどの何かを差し込めそうな部分の動きを確認するユウヒは、わからないと答えると、自分より精霊本人の方が分かるのではないかと、見上げてくる土の精霊に目を向け訪ね返す。
「わからない」
しかし返ってくるのは首を横に何度も振って返ってくるわからないと言う言葉だけであった。
「火の事はあまり、水の事ならわかりますが」
「自分たちの属性しか分からんてことか、まぁいいやとりあえず動かしてみよう」
土の精霊に向けていた視線を思わず隣の水の精霊にも向けるユウヒであるが、返ってくるのはやっぱりわからないと言うもので、どうやら彼女達精霊と言うのは自らの事を理解できても司る物が違う仲間については解らない、というよりあまり興味が無い様だ。
「わくわく」
「どきどき」
異なる属性の精霊間に感じるどこか冷たい関係性に思わず眉を上げたユウヒであるが、しかしそれが精霊と言う存在なのかもしれいないと頷くと、装置を挟んで対面のテーブル上に座って待機し始める精霊達に苦笑を洩らす。
「先ず断熱魔法に魔晶石を入れて」
精霊達の準備が整うのを待ったユウヒは、ぎっしりと手乗りサイズの筒が詰まった箱から一本、ガラス質な表面が青く綺麗な筒を取り出して装置の二つある差込口の一つに差し込み、奥まで差し込んで乾いた音が鳴るのを確認すると、装置の一番外側の幾何学模様の輝きを確認する。
「きれいですね」
「風を感じる」
「水と風の魔法だからな、次に計測器のスイッチを入れてっと」
幾何学模様が青く強く光った瞬間、ふわりとした冷たい風を振りまき不可視のドームが装置の上に発生した。その様子にほっとした表情を浮かべるユウヒの前で、水の精霊が目を輝かせ柔らかな笑みを浮かべ、風の精霊は真剣な表情を浮かべるも喜びを隠せない様子で口元を緩める。
断熱の魔法により発生した不可視のドームは水と風の力を使っているらしく、その内部の状況を計る魔法の道具は外付け装置のようで、ヒーターから伸びた線の先にはデジタル表示の小さなモニターが室温と装置内部の温度を表示している。
「何が書いてあるの?」
「今の温度だよ、二重の断熱層の温度……内側がマイナスになっていくだと?」
装置の起動確認が行われる側では、ぐったりした火の精霊が仲間の精霊達によってベッドから装置の上へと移されており、彼女が装置の上に寝そべった瞬間ユウヒの見る計測装置の温度表記は一気に下がっていく。
「火の力が完全に遮られたからだと思います」
「なるほど? まぁいいや早速ヒーターに魔晶石をセットしてっと」
あと言う間に氷点下まで下がった表示にユウヒが目を白黒させ、その原因に小首を傾げると装置の外と中の温度を同時に体感していた風の精霊を指で抓み上げると、頭の上に載せながら二本目の筒を装置に差し込む。
「火の力を感じる」
「あつくるしい」
二本目の筒を差し込み側面の蓋を閉めたユウヒは、円形の幾何学模様の内側が青く強く光り、その色合いが赤色に変色して行くのを見てうれしそうな笑みを浮かべる。どうやら機動が成功したらしい装置からは強い火の力が溢れているらしく、土の精霊が寝惚け目を見開いて呟き、闇の精霊は顔を険しく歪めると光の精霊の後ろから水の精霊の後ろに移動して隠れると小さな声で呟く。
「闇の精霊的には暑苦しいのか……温度が思ったほど上がらない? うわ、熱が生まれた先から吸い込まれてる」
精霊ごとに様々な感想を抱く姿に興味深そうな表情を浮かべたユウヒであるが、その表情はすぐに驚きに染まる。彼の両目には装置内部で生み出された熱い魔力が次々と火の精霊に吸い込まれる状況が映し出されており、断熱の魔法がまったく必要ない状況に釈然としない感情を感じていた。
「あとで慰めておきましょう」
「恥ずかしいもんね」
予想とちょっと違う状況にユウヒが眉を寄せる前では、勢いよく熱を吸収し続ける火の精霊を見詰める精霊たちが、見てはいけないものを見ている様な表情で顔を赤らめている。闇の精霊は手で顔を覆い指の隙間から火の精霊を見詰め、水の精霊の後で慰めようと言う言葉に風の精霊は同意する様に頷き、光の精霊は心底申し訳なさそうに顔を赤くしていた。
「恥ずかしいの?」
『うん』
以前にも似たような経験があるユウヒであるが、それでも精霊たちの言っていることが今一つ理解できないのか無視できずに問いかけ、問われた精霊たちはユウヒを一斉に見上げると声を揃えて頷く。
「ふむ、やっぱり精霊の感性はようわからん」
どうやら火の精霊が勢いよく熱を吸収する姿は精霊にとって恥ずかしいものであるらしく、小首を傾げるユウヒに精霊たちは首を横に振って肩を竦めるのであった。
それから十数分後、精霊用ヒーターの動きを確認して微調整を行っていたユウヒの耳に、何やら騒がしい足音が聞こえはじめ、その音源はすぐにユウヒの部屋の扉を蹴り開ける。
「ユウちゃん! 今何か温かい物作ってるでしょ!」
「どうしたの?」
赤ん坊が見たらひきつけでも起こしそうな目でユウヒを見下ろすのは、彼の母親である明華、彼女は部屋の扉を蹴破るように開けるなりユウヒを問い質す。
「寒いのよぉ」
「石油ストーブ出してなかった?」
優れた勘の良さを持つ明華は、ユウヒが暖房器具を作っていることを察して駆けつけたらしく、よく見れば余所行きの格好をしており外出先から真っ直ぐユウヒの部屋に来たことが分かる。そんな彼女の服装はずいぶん厚着で、ここのところの気候を考えれば特におかしなところはなく、それでも寒いと言う彼女はユウヒの言葉に眉を寄せて見せた。
「それでも寒いし、燃料も確保失敗しちゃったし」
「失敗?」
日本全体で電力不足の現在、ルームエアコンなど電気を用いた暖房はちょっとした贅沢となっている。充電屋のバッテリーがじわじわ普及していることもあって一部地域では改善しているように見えるが、それでも石油ストーブが欲しくなるほど寒く、テレビでは連日同じ月の最低気温の記録が更新され続けているのだった。
「燃料の供給不足だって」
「あぁそうか、そうなるのか、電気不足で発電に使うし寒いし……不味いかなぁ?」
さらにそこへ海上輸送のコスト増加による燃料の不足と言う事態まで発生し、買い占めや出し渋りなどによる影響で明華は燃料の購入に失敗した様だ。
「あまり良くないわねぇ」
いくら勘がいいからと言ってなんでも出来るわけでもなく、何事にも優先順位があるわけで、そんな優先順位の選択により灯油を買いそびれた明華は、部屋の入り口に身体を預け脱力すると、小首を傾げるユウヒに微笑みながら困ったように頷く。どうやらこの寒さが続くとさらに状況は悪くなっていくようだ。
「急がないとなぁ……火力上げるか」
「それより何作ってるの? 温かいものでしょそれ」
その原因の主たる部分は現在の気温が例年に比べ明らかに低すぎるからであり、突然の寒気に衣替えすらままならない人々を救うには、少しでも早く火の精霊を起こすことが必要だ。そんな世を救う力たるヒーターに目を向けたユウヒの視線を追う様に体を屈める明華は、青と赤が混じり紫色の光を浮かび上がらせるゲーミングな輝きを見せる装置がすぐに暖かいものであると理解する。
「まぁ、火の精霊用ヒーターだな」
「……どんな性能なの?」
理解できても詳しい構造や機能まで分かるわけもなく、火の精霊用ヒーターと言う言葉に疑問が深まったのかそれとも危険を感じたのか、目を細める彼女は詳しい性能を問い質す。
「え? ただの強化版ヒーターだよ? 断熱してるから外に熱は洩れないけど」
「ふぅん? 2℃? 冷蔵庫じゃなくて?」
「今は中に火の精霊が寝てるんだよ、ちょっとやらかして温めてやってるんだけど、温める先から熱を吸収するんだよ、魔力切っちゃうと氷点下まで一気に下がるし」
「もしかして最近寒いのって……」
ユウヒが改良を重ねて完成させた精霊用ヒーターは、完全に断熱された内部空間を魔力の熱で加熱すると言うシンプルな構造であり、計器類は安全のために用意した外付け装置である。本来なら断熱に気を付けないといけない程まで加熱できるヒーターであるが、現在は冷蔵庫と変わらない様な有様であり、その原因は装置の上で気持ちよさそうに寝息を洩らす火の精霊が全力で熱量を吸い込んでいるからだ。
不思議そうに小首を傾げる明華の前で装置を止めようものなら、断熱された空間内の気温は一瞬で氷点下まで下がってしまうだろう。その事を聞いた明華はすぐに息子の最近見せる行動の理由を察すると、何もない装置の上を恨めし気に睨み小さな声で呟く。
「この子らが寝込んだからだろうなぁ」
「もっと温めればすぐに治るのかしら?」
目に見えてないはずにも拘らず、的確に顔を睨まれる火の精霊は恐怖を感じたのか震えだし、低く小さな呟きを聞いた精霊たちも距離を放して震える。そんな恐怖を振りまく明華は、精霊を怯えさせる母親に苦笑を洩らすユウヒの言葉に言外にもっと温めろと促す。
「そうだと思う、他の精霊もたぶんそうだって言ってるから」
「でも2℃あ、1℃になったわね」
しかし彼女の思いとは裏腹に、目の前の計測機器は断熱空間内の気温がさらに1℃下がったことを伝え、思わず声を出して反応する明華。
「本当は800度くらいまですぐ上がるはずなんだけどなぁ」
「え?」
「ん?」
目を細め本当に暖房器具なのかと訝し気な視線を装置へ向ける明華に、ユウヒは困ったように頭を掻くと本来なら800℃ほど出ているはずだと言って肩を落とす。本来のスペックを口にしたユウヒは、突然目を見開き見下ろしてくる母親と見詰め合うと、その焦りすら感じる表情を不思議そうに見詰める。
「お、お母さんはもっと温くていいなぁ」
「あぁ、温かくなる物ね。いいよ後で作って持っていくよ、石木さんに言って材料いっぱい持ってきたし」
何か察してくれと言った様子で引き攣った笑みを浮かべる明華を見上げるユウヒは、小さく首を傾げると何かを察して笑みを浮かべ、軽い調子で暖房器具を作ると言って増えた段ボールに目を向けた。そこには数日前より明らかに増えた何かが積み上げられている。
「ほんと!? やったわぁユウちゃん大好きよー!……」
割と前向きな了承の言葉に嬉しそうな声を上げる明華は、いつもと同じようにユウヒに抱き着き彼の頭に頬刷りを始めるが、その視線はユウヒの作った精霊用ヒーターに向いており、浮かべられた笑みはどこか引き攣っている様にも見えた。
「はいはい分かったから、しばらく部屋に入らないようにね……流華も危ないから後でな」
「ぁ……」
そんな母親の過剰なスキンシップを慣れた様子でめんどくさそうに押し退けるユウヒは、部屋から出ていくように促すといつから居たのか、廊下からこっそり部屋の中を覗く流華にも釘刺す。
「ぶーぶー、いいもん! 流華ちゃんティータイムにしましょう」
「え? うん」
家に返って来た母親が真っすぐユウヒの部屋に突撃したのが気になっていたらしい流華は、何が起きているのか分からず目を瞬かせると、不満を漏らす母親に腕を絡みとられ、そのまま連れ去られる。
「駅前で買ってきたシュークリームあるからねぇ」
「ほんと!? やったぁ!」
いつもと変わらぬスキンシップに僅かな違和感を感じ思わず吃る流華であったが、明華の口から出てくる甘い誘惑に魅了されると、ころりと機嫌を高揚させ母と一緒にリビングへと軽い足取りで降りていくのだった。
「…………」
「ユウヒのけものか?」
突然現れて騒ぐだけ騒いで帰っていく母親の背中を見送るユウヒは、開いたままの扉を閉める気にもなれず背中を丸めて疲れた様にため息を洩らす。その背に言い得ぬ哀愁を感じた土の精霊は、テーブルに突いていたユウヒの腕にそっと手をのせると、純粋に心配そうな表情で声をかける。
「我らが居る」
「元気出せ?」
「……」
土の精霊と見つめ合うユウヒの目がじわじわと死んでいく中、土の精霊と同じように駆け寄りユウヒの体にそっと手を置く精霊達、闇の精霊は深い理解をしを示すような目で見詰め、風の精霊は暖かい目でユウヒを見上げながら彼の足を優しく叩く。
「えっと、あの……」
「よし! 一気に火力上げるぞ! そして家庭用ヒーターも自重しないぞ!」
精霊達が寄り添い夕陽を慰める。そんな様子を見ていた光の精霊は、それほど気にしてなかったユウヒが妙な慰めで余計に疲れを感じている事実に気が付くも、何と声を掛けたらいいかわからず右往左往するばかり。しかし彼女が何か行動を起こすより早く、ユウヒは丸まっていた背中を勢い良く伸ばすと、気合の籠った声を上げてそのまま立ち上がる。
「……素敵」
外してはいけない箍を外してしまった精霊達は驚いたようにその場にへたり込むと、髪を後ろに掻き上げ覇気あふれる表情を浮かべるユウヒを見上げ見惚れてしまう。
「とりあえず目標はキリ良くせん……一万℃だな!! そのまま一億だって言ってやるぜ!」
「輝いてる!」
「すごい!」
「眩しい」
800℃では全く歯が立たず、冷蔵庫とまで言われた装置に目を向けたユウヒは、千℃と口にするのを止めて一万度、最終目標を一億度に設定すると腹の底から膨大な魔力を引き出し、その魔力を練り上げ始める。その姿は普通の人間から見ればただの仁王立ちのようにしか見えないが、魔力を知覚できる精霊には眩しく輝いて見えるらしく、ユウヒを見詰める精霊達は大量の活性化魔力を与えられた時と変わらない恍惚とした表情を浮かべるのであった。
果たしてユウヒは目標を達成できるのか、達成して本当に大丈夫なのか、外してはいけない箍を外した彼を止める者は、この場に独りとしていない……。
いかがでしたでしょうか?
精霊の為にヒーターを作るユウヒは、何でもないちょっとした拍子で箍を外してしまったようです。人間と言うのは、案外何でもないちょっとしたことでやる気が出たり無くなったりするのかもしれませんね。
読了ブクマ評価感想に感謝しつつ今日もこの辺で、また会いましょうさようならー




