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ワールズダスト ~現世に現れし黒き森~  作者: Hekuto
第二章 異界浸食

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第二百六十六話 ゲート、飛ぶ!

 修正等完了しましたので投稿させてもらいます。楽しんで頂けたら幸いです。



『ゲート、飛ぶ!』


 日本への巨人来訪により対馬に小島が新しく出来たのは数日前、各地で異世界移民が続々と保護される中、ほとんどテレビで報道されることなく調査ドームの縮小作業は終わっていた。


「なぁ」

「なんぞ?」


 現在は、ドームから解放された地域一帯で縮小後の各種調査がなされる傍ら、新たな試みの為に急ピッチで工事が進められている。大きな音を立てながらフェンスで囲われた通路が作られる光景を見渡すヒゾウは、隣で同じく周囲を見渡しているジライダに声をかけた。


「気のせいかな? 調査ドームの縮小、サクッと終わったな」

「あ? くっそ忙しかったじゃねぇか」


 少し眠たげな眼で振り向いたジライダは、ヒゾウの言葉に眉を歪に歪めると、少し心配そうに、それと同時に思い出しただけでも疲れると言った表情で小首を傾げる。


「そうか? こう、急に準備が始まったけど縮小自体は一瞬だったような?」

「メタいこと言ってないで手伝うでござる」


 準備と根回しに二日、前日リハーサルと問題点の抽出に一日、それから本番と言った流れで始まり、前回の縮小の経験もあって問題なく終わった調査ドームの縮小作業であるが、ヒゾウの言うようにサクッとは終わっていない。どこかの世界線から電波を受けてそうな彼の姿に、ゴエンモは軽くツッコミを入れると資材が載った台車を押す手を止めてため息を漏らす。


「これバッテリー切れてるぞ!」


「ボルトの箱どこだ?」


「台車のところだと思います」

 今回彼ら忍者に言い渡された仕事は、資材運搬の手伝いであって異常の監視についてはついでである。監視を口実に一休みしていた二人は、ゴエンモの声に振り向くと、忙しく走り回る周囲に目を向けて頭を掻いて見せた。周囲では連日の作業で人手が足りず忙しくしている自衛隊員の姿が見られ、明らかに監視より作業の手伝いの手が必要となっている。


「ボルトなら我が持っていってやろう!」


「助かる!」

 少し離れた場所でフェンスを固定するボルトが見当たらないと声が上がると、そのボルトが載ったゴエンモの押す台車に目を向けたジライダは、大きな声を上げて台車から大きなコンテナボックス持ち上げ歩き出す。


「しかし、本当にこれって移送出来るものなのか?」

「その実験でもあるでござるから、拙者にもわからぬでござる」


 人一人で持ち上げられば確実に腰を壊しそうな箱を持ち上げ歩くジライダと、その姿に目を丸く見開く自衛隊員達に目を向けたゴエンモは、ずいぶん軽くなった台車を押しながら隣をついて歩くヒゾウの言葉に肩を竦めわからないと返す。


 ヒゾウが目を向けているのは異世界との通り道である真っ白に光る板の形をしたゲート、どこから触れても手で掴むことは出来ずそのまま異世界へと入り込むため、物理的に持ち運ぼうとしても出来ない。現在は道路の真ん中で地面に少しめり込む様に立っており、どうやらそのゲートを別の場所に移送する為の準備が行われている様だ。


「移送先の準備は完了しました。専門家の立ち会い準備も完了です」

 そんなゲートを横目に資材を運搬している二人の耳に、移送先の準備が完了したと言う声が聞こえてくる。


「了解、移送経路で問題は?」


「今のところ特に問題ありません。住民も全面的に協力してくれています」

 忍者の体はとても耳がいいらしく、少し澄ませば正に地獄耳と言った感じで遠くの音を聞き取れ、そんな彼らの耳には特に問題なく進む工事状況と、ユウヒの到着を意味する言葉が入ってきた。


「ユウヒも到着か……」

「拙者らまだ仕事中でござるよ」

「あとで良いだろ」


 久しく会っていないユウヒが到着したと言う声に思わず反応するヒゾウに、ゴエンモは釘を刺す様に呟き、いつの間に戻って来たのかまだボルトが7割ほど入った箱を抱えるジライダが後で会いに行こうと話し、その言葉に二人は頷くと軽い足取りで仕事に戻るのであった。





 一方その頃、準備が完了したと言う連絡が入っていたユウヒはと言うと、移送予定の場所を金色の右目で確認しながら準備が完了するのを待っていた。


「準備はもう少しかかるってさ」


「そうなの、わかった。こっちは何時でもいけるわ……ごめんちょっと緊張してきたかも」

 元々空き地だったのを国が買い上げた場所には、大きな鉄製のゲートと分厚いコンクリート製の壁が用意され、その上は有刺鉄線で封鎖されており、囲いの周りは複数の監視カメラで警戒されている。また同じ敷地内には、自衛隊員が常に監視するために宿泊施設も設けられ、テニスコート二面分ほどの封鎖された空間内は妙な静けさをユウヒに感じさせた。


「緊張するほど難しいと言う事か」

 そんな場所で一人兎夏と話すユウヒは、緊張していると言う彼女の言葉に眉を上げると、これから行う移送作業の難易度について問いかける。


「難しいと言えばむずかしいかしら? 一番厄介なのは今の不安定な状況で動かして問題が出ないか心配かな」

 今の世の中で誰にも出来ないことをやってのけるのだから難しいのは当然であろうが、ずっと進んだ科学力を有する彼女を持ってしても緊張すると言う事にユウヒは少し不安を感じるが、作業が難しいと言うよりも今の環境に問題があると言う言葉で納得した様に頷く。


「やっぱり危険か??」


「そうね……まったく問題ないかと言われたらね? でも事前に説明していた事より悪くなることは無いわ」

 元々ゲートを動かすことは出来るが、面倒なので動かす気の無かった兎夏。そんな中で経済的、安全管理的な観点からゲートを一か所で総合管理したいと言う政府の要望に、ある程度の危険は伴うも決定的な危険はないと判断した彼女は、ユウヒと相談した上で、今後の事を考え実験の意味も込めて了承したのである。ただ、今になって責任感は感じ始めた彼女は、その後移動が完了するまで自身の胃を痛め続けることになったのであった。





 それから数時間後、ここは防衛大臣である石木の執務室。なんだかんだとゲート対策復興大臣と言う役職をでっち上げられ、兼任までさせられている彼は、目の前で背筋を伸ばす男性から長々とした説明を受けている。


「結論を言いますと成功です」


「うむ」

 その長々とした説明は纏めると一言、ゲートの移送は成功と言う事らしく、結論を聞いた石木は心の中でげんなりとため息を漏らしながら威厳のある声で頷く。


「ただ専門家が言うには、しばらくの間移動に使った経路上は侵入禁止にして監視する必要があるとのことです」

 心の内を見せず頷く石木の姿に満足そうな笑みを浮かべる男性は、しかしユウヒの言に触れると、どこか訝しげな表情を浮かべる。


「それは俺も何となく聞いているが、アーケードゲートはどうする? かなり距離がある上にどう動かしても首都機能にでかいダメージを与えるぞ?」

 未知のものに対する感情と、その未知を当然の様に扱う専門家に対する不信が見え隠れする男性に目を細める石木は、感情を伏せた声で今後の計画について問いかけた。どうやら今回の計画には、最初の縮小成功例であるアーケードゲートの移送も含まれているらしく、しかし移動距離が遠い事と、その経路上どうしても首都のインフラに差し掛かりその影響は計り知れない。


「はい、そこで提案されたのが上空を動かす方法です。我々も考えはしましたが、かなり大掛かりとなることが想定されるので許可が下りるかどうかは不明だと答えています」


「空か……関係各所と連絡を取って調整しよう。アメリカにも話さないといけないな、どれくらいの高度を飛ばす?」

 そんな解決策をユウヒは空に見出し提案した様で、説明をする男性の所属するグループも考えはしたものの、今回の移送状況を確認したことでその難しさを痛感し、ユウヒには検討するとしてお茶を濁している様だ。しかし彼が考えていたほど石木は難色を示さず、すぐに対応を考え、秘書の女性はその言葉に頷きメモを取り始める。


「あ、えっと……高度については専門家と協議しますので少々お待ちください」


「そうか……わかった任せる」

 一方で、説明を行っていた男性は状況の急な変化に戸惑い、思わずどもってしまうもすぐに気を取り直して専門家と話し合うと言って背筋を伸ばす。その姿に含みのありそうな笑みを浮かべる石木は一つ頷き彼に対応を任せた。


「はい! では失礼します」


「……直接やり取りした方が早いんだがな」

 対応を任された男性は元気よく返事を返すと深く礼を残して部屋を出ていく。その無駄にきびきびした動きを見送った石木は、しばらく笑みを浮かべていたかと思うと、背凭れに身体を深く預けてめんどくさそうに呟く。


「また苦情が来ますよ?」


「わかっているさ」

 いつもならユウヒと直接やり取りして迅速に対応していた石木、しかしその行動が一部で問題視されてしまい、現在はその行動を制限されてしまっている。それでも迅速に判断し行動を移さなければならない時は、気にせずユウヒと直接連絡を取っており、その度に一部の人間が騒ぎ立てているのが現状であった。





 それから数日後、急な予定変更により慌ただしいのか暇なのか分からない日々を過ごしていたユウヒは、アーケードゲート近くに作られた簡易のヘリポートでゲート移送作業の準備が終わるのを待っていた。


「それにしても、今回はちゃんとユウヒ殿に会えたでござるな」

「前回は顔合わせることなくいなくなったからな」


「久しぶり、この間は色々聞かれまくって疲れ切ったからそのまま帰ったよ」

 そこには今回の作戦に参加する忍者達の姿があり、久しぶりに顔を合わせると言う事もあって軽く近況を語り合っていた。どうやら前回のゲート移送作業では忙しかったようで互いに顔を合わせることも出来なかったようだ。


「人気者は辛いな」


「おっさんにモテてもな? しかも半分以上否定から話し始める様な相手だぞ? あ、元上司もそうだったわ」


「……すまん、辛かったんだな」

 疲れたと話すユウヒにジライダはニヤニヤした表情で人気者と茶化すも、疲れた表情で肩を竦めて男にモテても嬉しくないと言うユウヒは、思わず過去に経験したのであろう闇の時代を思い出し、表情を消した暗い顔で笑みを浮かべる。その病んだ表情には流石のジライダも笑みを消し、深く理解した様な表情でそっとユウヒの肩に手を置くのだった。


「それほど気にはしてないけど……まぁ、次もあれと話せと言われたら拒否するけどな」

 彼の社畜時代に何があったのか分からないが、少なくともいい思い出はあまり無い様だ。何か察した表情で温かい視線をユウヒに注ぐ忍者達、またユウヒの後ろでは急激に不機嫌になる精霊達の口からぼそぼそと調査と死刑などと言う物騒な声も聞こえてくる。


「ユウヒ殿に拒否されたらドーム対策詰むでござるな……」

「プライド優先で現実見る気が無い奴の相手とか、処すか?」

「ジライダ? なんかあったのか?」


 どうやらドーム縮小に伴う一連の手続きを行う政府関係者は、大臣と仲の良い一般人であるユウヒに対して不審な目を隠す事もしない様で、ただでさえ勘の良いユウヒにはその感情の裏まで透けて見えていた。そんな意味の無いプライドを振りかざす関係者を思い浮かべたゴエンモは呆れた様に肩を竦め、ジライダはヒゾウに心配されながら暗い表情で両目を憎しみで赤く染める。


「今回俺はヘリでゲートと一緒に移動だけど、三人は?」

 三者三様の反応と背後の気配に苦笑を浮かべるユウヒは、まだ来ぬ搭乗予定のヘリを探す様に空を見上げると、三人の予定について問いかける。重要な関係者とは言え全体の予定は大雑把にしか聞いていならしく、特に特殊な立ち位置に居る忍者三人に関しては何も聞いていないようだ。


「おれらは普通の人じゃ警戒できない場所を移動しながら警備する任務だな」

「ビルの屋上とかバルコニーとか、狙撃しやすい場所だとさ……公安からの依頼だって」


「え」

 なにげなく予定を聞いたユウヒであるが、彼らの予定には思わず目を見開き変な声を洩らす。


「ユウヒ殿も、気を付けるでござる」

「死ぬんじゃねぇぞ」

「さよならは言わないぜ」


「勝手に殺すな……よし、危ないなら色々と用心しておくか」

 どうやら今回のゲート移送作業は前回以上のスパイが監視に動いているらしく、その中には実力行使も辞さない人種が紛れ込んでいるのか、ゴエンモは元気づける様に、ジライダは悟った様に、ヒゾウはわざとらしく涙ぐんでフラグを乱立させる。


「「「ん? 余計なこと言っちまったかも?」」」


 彼らから聞いた情報は、ユウヒの耳にはまったく入っていなかったようで、情報を伏せていたのか伝え忘れたのかなど考えた彼は、しかし結果やることは変わらないと一つ息を吐く。そして徐にベンチから立ち上がると、静かに息を吐き目を細め一気に数段警戒心を上げて、一般人には感じ取れない濃密な魔力をその身の奥で練り上げ、目の前でフラグを建てて楽しんでいた忍者の肝を冷やすのであった。





 それから小一時間後、ユウヒは軍用に作られた汎用ヘリコプターの中でじっと空飛ぶゲートを見詰めていた。


「ここまで順調だな……」

 地表から近い場所を動かすよりも早いが、人が小走りする程度のゆっくりとした速さで移動を開始したゲートは、予定されていたルートを順調にクリアしている。そのゲートの周りは、偵察用や汎用型、万が一に備えて攻撃型のヘリコプターが固めており、陸上でも自衛隊の車両が複数展開して不測の事態に備えていた。そんな道程は、今のところ大きな問題なく進んでいる様だ。


「あの、夕陽さん……お聞きしたいんですが、ずっと周囲を追従している鳥はもしかして……」

 だが、ユウヒに問題は無くとも、彼の隣で着け慣れない装備を着ているスーツ姿の男性には問題があったらしく、ゲートを囲むヘリの周りを一定の間隔でついてくる複数のカラスに目を向けると、不安そうな声で問い掛ける。


「あ、魔法です」


「そ、そうですか、他のヘリから確認の連絡があって……出来れば事前に教えていただけたらありがたいのですが」

 よく見ればカラスだけでなく何種類かの鳥がヘリコプターの編隊を囲む様に飛んでおり、気になった、と言うよりもユウヒが使う魔法の鳥を知っている隊員が確認をとってきた様だ。ユウヒのあっけらかんとした返事に対して少し不機嫌そうに眉を動かす男性は、魔法を使うのであれば事前に伝えておいてほしいと言う。


「あー、ヘリに乗る直前に思いついたので申し訳ない」


「お願いします。なるべく不確定要素は無くしたいので」

 腹の中に押し込んだ感情が漏れ出していそうな相手に笑みを浮かべたユウヒが軽く謝罪すると、僅かに責める様な口調になる男性は注意するとすぐにどこかへ連絡を始める。


「そうですか……とりあえず周囲の警戒のためにこのまま飛ばしますので」


「わかりました」

 男性の言葉に笑みを浮かべたまま返事を返すユウヒは、いつもの気怠そうな表情の消えた顔でそのまま魔法の使用を継続する旨を伝え、男性はヘッドセットを押さえながらユウヒに目を向けると短く返事を返しまた誰かとの会話に戻るのだった。


「……(不確定要素、教えない事もその為かな?)」

 男性が完全に背を向けた瞬間、ユウヒはすっと目を細めるとその目に冷たい色浮かべ小さく息を吐く。その表情はほんの一瞬であったが、見る者に言いし得ぬ恐怖を与えるには十分な雰囲気であり、その表情をこっそり見ていた精霊は小さくふるえている様だ。


「(夕陽君、経路上の索敵結果だけど自衛隊や警察関係者じゃなさそうな狙撃手の姿を確認出来たわ。一部は携行型の対空ミサイルを所持しているようね、忍者君たちの話は事実みたい)」


「……(何のためにそんなことするんだか)」

 ユウヒが腹の中にしまい込んだ不機嫌の原因は当然、報連相の不足に対するものである。不確定要素と言うならば、テロを起こす危険性のある何者かの存在はまさにそれに当て嵌まるであろうが、その存在についてユウヒはまだ公式に聞かされておらず、その用心のために複数の魔法鳥を展開しているユウヒ。そんな彼の耳には左腕に付けられた通信機から兎夏の声がダイレクトに届き、お願いしていた偵察結果を簡単に伝えられる。


「(ただ、こちらの索敵に引っかかった狙撃手は次々処理されているわ……)」


「ん? ……何があった? いやまてよ?」

 明らかに危険な状態であるが、発見された狙撃手は次々と鎮圧されていると言う。


「(返事はしなくて大丈夫よ、みんな貴方のお友達が処理してるのよ……ただその処理方法が、ね?)」

 思わず声を出してしまったユウヒに訝し気な表情を向ける男性を横目に、ユウヒは何となく察すると兎夏の声に耳を澄ませる。そう、ゲートの移送ルート上に展開しているテロリストは、そのほぼすべてが忍者達によって処理されており、一部は彼らから連絡を受けた別動隊が処理しており、ほぼすべての危険が次々と排除されていた。


「?」


「?」

 何の問題もないようだがしかし、何とも言えない声で話し始めた兎夏に首を傾げたユウヒは、隣から向けられる視線を気にすることなく兎夏の続く言葉を待つ。


「(その、後ろからお尻を突いたり、顔面にヒップアタックとか、その……急所をサッカーボールみたいに)」

 どうやら忍者達によるスパイとテロリストの排除方法には、明らかに彼らの悪意が詰まっているらしく、やられた側が思い出したりすれば情けなさで精神的に死ぬような排除方法の一部始終を見てしまった兎夏は、顔どころか声からも苦笑が洩れてしまっている。


「……何やってるんだか」

 忍者達が嬉々として不審者を嘲笑う姿が、明瞭に想像できてしまったユウヒは、思わず頭を抱え溜息を洩らす。


「どうしました?」


「いえ、気にしないでください」

 そんな行動を起こせば、ユウヒに対して不審な視線を向けている男性が気にしないわけもなく、問いかけられる声にユウヒは疲れたような表情で首を横に振る。


「(とりあえず変化があったらまた連絡するわね)」


「……」

 心配していた不確定要素も、自称ユウヒの親友マブダチである忍者達によって次々と排除されており、一応の安心を得たユウヒ。しかし彼にとって最も神経を使わなくてはならないのはゲートの存在である。時折魔力の歪みや空間の歪みを発生させながら移動を続けるゲートに目を向けたユウヒは、聞こえなくなった兎夏の声に僅かな寂しさを感じると小さく笑みを零し、視界の一部を占領する地図上を動く三つの青い点に心の中でエールを送るのであった。



 いかがでしたでしょうか?


 危機的状況に瀕したことで急激に物事が進みだした日本で、初めてゲートの飛行と長距離移動がなされ、今後のドーム対策が大きく変わるであろう。そんな中でユウヒにはどんな物語が待っているのであろうか。


 読了ブクマ評価感想に感謝しつつ今日もこの辺で、また会いましょうさようならー

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