第二十二話 不穏な森の空気
どうもHekutoです。
加筆減筆修正作業終わりましたので、投稿させて頂きます。気が付けば文章量が当初の予定の五割増しになっていましたが、その分多く楽しんで頂ければ幸いです。
『不穏な森の空気』
異世界の森は夜が早いようで、ユウヒがエルフ達に守られ彼らの集落と思われる場所についた頃には、すでに周囲は少し先も見渡すことが出来ないほど暗くなっていた。樹上や地に住む住民達が、火や魔法の光で照らし出す夜の森は、見る者によっては幻想的にも、また恐怖を掻きたてる対象にもなる。
森に浮かぶ幻想的な光を、興味深そうにユウヒが見上げている頃、こちらでは不安を抱きながら夜の森に目を向ける者が一人、
「・・・やっぱなんかいるな」
ものすごく嫌そうな表情を、日の落ちた暗闇の中で浮かべていた。
彼の名は球磨もといクマ、言わずと知れたユウヒの自称親友であり、現在進行形で異世界の真っただ中を遭難中の身である。
「夕食の準備出来たぞクマ」
「おう、すぐ行く」
そんな彼の下に遭難仲間、もとい遭難の元凶たるパフェが暗闇の中を一人、小さな蝋燭の光源を手に現れると、クマの居る廃屋に向かって声をかけた。どうやら夕食の準備が出来た様で、一人周囲の警戒をしていたクマを呼びに来たようである。
「問題なしっと、そいや!」
パフェの声に顔を向けずに返事を返したクマは、一通り外に目を向けると、元小屋と思われる建物の屋根から飛び降りた。昇るときは梯子もどきで上った様だが、その強度に不安を感じていた彼は、降りる時にまで梯子もどきに頼る気がしなかったようだ。
「・・・やはりいるのか?」
「ああ、包囲って感じじゃないがな」
危なげない身のこなしを見せたクマを、何故か満足そうに見上げていたパフェ、しかしすぐに眉を寄せて表情を引き締めると周囲の様子について問いかける。僅かな光源しかない状態でもその表情が不安そうな様子であることは、彼の目にも分かった様で、苦笑を浮かべたクマはなるべく軽い口調でそう答えた。
「斥候か・・・」
「んーかもな」
昼間クマが見かけたと言う謎の小さな人影、ここはその脅威に対してなるべく安全な場所をと選んだ廃墟である。廃墟とは言え、ある程度休めるだけの状態を保っていた一軒の廃屋を見つけた彼らは、昼間の間に設備の復旧を済ませていた。
そんな中でも周囲の警戒をしていたクマは、再度謎の小さな人影を目にしており、今もその人影の動向に注視していたのである。
「・・・ふむ、なにかあるか?」
「作戦か? ・・・そうだな、まぁとりあえず今晩乗り越えたら移動だろうな」
現状、クマの予想だとすぐに襲われることは無い様で、言葉足らずなパフェの質問に対して慣れた様子で返事を返すと、頷くパフェに眉を寄せ困った様な表情を浮かべながら答える。
「そうなるか、しかし今晩来るかもしれんぞ?」
「そんときゃそん時だが、相手のスペックも分からんからなぁ」
なぜ移動なのか、それは身を守るために寄った廃墟であるが、思った以上に壁が薄く、今ほかのメンバーが休んでいる場所もマシと言うだけで、周囲に施したバリケードが無ければ、異世界で彼女らが安全に過ごすことが出来るほどの防御性能は有って無いに等しかった。
その為、今日一晩はなるべくゆっくり休めそうな家屋の中で休み、明日はまた人を探すか帰り道を探す為移動を開始する予定の様だ。
「一応武器として使えそうな物を用意してみたが、やはり現実とゲームは違うな」
5人が休む建物の周りに即席で作られたバリケードに目を向けながら、パフェは蝋燭と反対の手に持った即席の槍を軽く振ってその感触に眉を寄せる。
「はは、姉さんの口からそんな言葉が聞けるとはな、槍が降るかな?」
今まで現実で格闘技や武道などやったことのないパフェは、ただの棒に鋭利な石を取り付けただけの簡素すぎる槍だと言うのに、思った以上にかかる腕への負担に現実を思い知らされているらしい。普段と違い、どこか不満の中にも気弱さの籠った声を洩らすパフェの姿に少し心配になったクマは、2割増しでお道化た声を出して笑みを浮かべる。
「ふふ、氷槍だったらユウヒかも知れんぞ?」
「はは、現実とゲームの壁が薄いユウヒならあり得そうだな」
そんなクマの気遣いを敏感に感じ取ったパフェは、綺麗な微笑みを浮かべたかと思うとこちらもわざとらしくおどけて見せるのだった。しかしそんなパフェの言葉に、クマは苦笑しながら夜空に浮かぶ満天の星空を見上げると、親友の過去の所業を思い出しながら苦笑を深くする。
「薄い?」
「あれ? 姉さんは知らんのか? ユウヒの奴はリアルもおそろしく強いんだぜ?」
それほどまでにユウヒは一般と言う枠から逸脱した人生を繰り広げて来たらしく、小首を傾げるパフェに、クマはきょとんとした表情を浮かべたかと思うと、いたずら小僧の様な表情でそう語った。
クマの話しに興味を惹かれたパフェは、僅かに身を乗り出して話の続きを聞きたそうな表情を浮かべるも、
「そうなの「あんたたち早くこんか!」・・・むむ、リンゴがご立腹だな」
家屋に申し訳程度に取り付けた扉を蹴破って出て来たリンゴの大声に、びくりと肩を震わせると、唇をすぼめた不満そうな表情で唸り声を洩らす。
「ほんと、リンゴって空腹時は野性味が増すよなぁ」
「くくく、確かにな」
外を歩けば十人中十人が彼女の事を清楚系キャリアウーマンと言いそうな見た目のリンゴ、しかしてその猫を厚着した本当の姿は、良くも悪くも自分の感情にどこまでも素直なダメ人間であった。
ちなみにこの評価を始めて下したのはユウヒであり、出会って数分でそこまで見破られたリンゴは、それ以来ユウヒに一目を置くことになるのだが、それはまた別のお話しである。
一方、クマが予想した姿の斜め上方のさらに上、衛星軌道上をぶっ飛んでそうなユウヒはと言うと、
「ぶえっくしゅん!」
案の定盛大なくしゃみに悩まされていた。
「うにゃ!? またかにゃ」
「・・・そうだな、風の噂だな」
すぐ隣でその盛大なくしゃみを聞いていたネムは、頭の上の耳を立てて驚いた声をもらすと、隣で鼻をこするユウヒを見上げて何とも言えない表情を浮かべる。
どうやらその表情から、このクシャミにもだいぶ慣れて来てはいる様だが、それでも急に大きなクシャミが隣で発生すると反射的に驚いてしまう様だ。
「噂が多いユウヒも大変だにゃ」
驚いてもユウヒのそばを離れないネムは、何とも言えない表情を浮かべる彼を見上げると、気遣わしげに声をかける。その行動は、この短い間でユウヒに気を許している事を示すのだが、その事に気が付いているのは、先頭を歩きながらこっそりと笑みを浮かべるエルフの騎士一人だけであった。
「まったくだ、まぁこれだけ視線が集まれば噂の一つもされてるだろうけどな」
現在ユウヒが歩いている場所は、世界樹の里と呼ばれている獣人やエルフなど多種族が住む比較的大きな集落である。そんな集落で唯一の基人族、に見えるユウヒは、あちこちに点在する僅かな明かりが照らす薄暗い里の中でも注目の的の様であった。
「申し訳ない、この里に基人族が来ることはまず無い故、物珍しさに見ている者もいる様です」
「っても・・・殺気の籠ってそうな視線はなぁ(【探知】もなんだか過激だし、育て方間違ったかな?)」
物珍し気な視線はしょうがないと思うユウヒも、流石に殺気の籠る視線には鬱陶しげな表情を浮かべ、さらに【探知】の魔法がその相手を自動でロックオンしたり、さらには『迎撃推奨』や『見敵必滅』などを某通話通信アプリよろしく表示することに、何とも言えない表情を浮かべざるを得ないのだった。
「・・・」
「あれらって、もしかしなくても迷惑被ったって奴らか?」
なぜユウヒがそんな視線を向けられるのか、それは簡単に言えば彼等と基人族の間に昔からある確執、さらにそれによって生み出された遺恨と言ったもののせいである。
「そうですね・・・何度も戦争をした相手ですから」
「ふぅん・・・」
この世界の事情については、相談役となったネムから道すがらいろいろと聞いていたユウヒ、その中には森の民であるエルフ族と獣人族の同盟関係や、基人族との間で起こった戦争とその後の関係などの話もあった。
「この感情はどうしようもないのにゃ」
基人族についての話を男性エルフとユウヒが交す姿に、周囲の者たちは視線を向けたり頷いたりといった反応を示し、ユウヒを襲ったネシュ族はネムを筆頭に申し訳なさそうな表情を浮かべるも、どうしようもないと言って首を振って見せる。
「ん? もう一戦やるか? いつでもいけるぞ?」
いろいろ思うところがあるのか、ちらちらとユウヒに視線を送るネムとネシュ族少女達、その姿に思わず加虐心をくすぐられたユウヒは、ニヤリと楽しそうな笑みを浮かべてみせると冗談めかしにそんなことを言い出す。
「絶対嫌にゃ!」
「おやざんねん、振られてしまったか」
しかしユウヒの提案は即座にかつ真剣な表情のネムにより拒否され、フラッシュバックでも起こしたのか、ネムの背後に隠れ涙目で震えるネシュ族少女達。その姿に、ユウヒは苦笑を洩らしながら、全く残念そうに感じない声で肩をすくめて見せる。
「ふふ、やはり貴方は基人族とは根本的に違う様だ」
「そうなのか?」
「ええ、基人族の商人でも獣人や我々相手にそれほど友好的な者はいません」
怯えながらもユウヒのそばを離れない彼女たちに、ユウヒは冗談だと伝えながら自然とその猫耳ヘッドを撫でていく。その姿に思わず笑い声を洩らした男性エルフは、首をかしげて見せるユウヒに笑みを浮かべながら説明する。
「そなのか?」
「うにゃ」
エルフにかしげて見せていた首を、頭を撫でていたネムにもかしげて見せるが、事実は変わらないようで、ユウヒの手のひらに頭をこすりつけるように頷くネム。
「友好的な者もいるのですが、大多数は・・・ああ、見えましたあれが母樹様です」
「おお、立派な世界樹だな・・・ふむ(これも作られた樹だが、科学より魔法や魔術って感じだな)」
そんな異世界種族事情について話していた一行は、ようやく世界樹の見える場所までたどり着いたらしく、獣人よりエルフの数が増えてきた少し明るい集落の中に、巨大な世界樹が照らしだされ、その威容を見上げるユウヒとつられて見上げるネシュ族達。
「さぁ急ぎましょう。母樹様がお待ちです」
先を急ぐように先導する男性エルフの後ろで、ユウヒは見上げた世界樹をその金色の瞳で見つめ、視界を埋め尽くす様な世界樹の詳細に難しい表情を浮かべるのだった。
ユウヒが名もなき異世界の世界樹を見上げている頃、こちらではクマが古びた家屋の薄暗い天井を見上げていた。
「割と美味かったな」
「お塩があったのは幸いでしたねぇ」
その理由は久しぶりに満腹感を感じて仰向けに寝転がっていたからで、そんなクマの姿に笑みを浮かべたメロンは、右手で頬を押さえながらリンゴに目を向ける。
「まぁ、ちょぉっと使うのに躊躇したけどねぇ」
「躊躇?」
「えっと、ツボにすごく埃が積もってました」
「大丈夫なのか?」
また満足げな表情の理由には、この廃墟で塩を見つけることができ、久しぶりに塩味を感じる食事にありつけたことも関係してるようだ。
「ええ、しっかり密閉もされてましたし、塩ですからね」
「ふむ、塩は偉大だな」
完全に食事を済ませてしまった後で知った事実に、どこか心配そうな表情を浮かべるクマ。一方女性陣はそこまで気にしていないようで、パフェに至っては頭と骨だけになった焼き魚に着いた塩を手に取り、感心したように頷いてぺろりと舐めている。
「あと異世界の川魚もなかなかだったな、これなら持って帰りたいくらいだ。うちで養殖できるだろうか?」
「養殖って・・・しかし持って帰るか、今のところ持って帰れる派と帰れない派は半々に分かれてたな」
日本で見る川魚と似ているが、妙に歯がギザギザした異世界の魚の頭をいじっていたパフェは、その顔を見つめながら持って帰りたいと口にした。持って帰りたければ持って帰ればいいと思うかもしれないが、クマが起き上がりながら口にした通り、異世界の品を持ち帰れるかどうかはいまだに判明していない。
「ああ、条件があるんじゃないかってやつね」
「そんな悠長に調べられるようなドームはあまりないしな」
理由はいくつかあるが、一つに国の監視が行き届いていないドームが少なく、一般人が勝手に調査できない事、もう一つに検疫などの観点から、国も不用意にドームの向こうからモノを持ち込めないことの二つが主な理由である。
「このドームなら出来るんじゃないか?」
「俺らみたいなむぼ・・・猛者は居んのかどうか」
パフェが言うように、このドームに関して言えばやろうと思えば出来るだろう。しかし実際に侵入した彼女たちは現在遭難中で調べることは出来ず、また彼女のように無謀にも飛び込むような人間が他に居るかと言うと、クマにはどうしても居るとは思えなかった。
「馬鹿は結構いそうだけどねぇあははは」
「・・・」
「・・・」
「あれ?」
そんなパフェとクマに、リンゴは自虐とも取れる言葉を素で吐くと笑い声をあげるが、クマのジト目とメロンの苦笑に気が付くと、きょとんとした表情で首をかしげる。どうやら自分で言っていてその馬鹿に自分が当てはまると言う事に思い至って無いようだ。
「まぁそれはそれとして、お客さんは来そうなんですか? クマ君」
「そっすねー来るかもしれないっすねー」
「あれれ?」
首をかしげるリンゴに苦笑をもらしていたメロンは、いつものニコニコ顔に戻るとクマに質問を投げかけ、クマは特に表情を変えないまま微妙に抑揚のない声で返事を返す。
「猶予は?」
「想像だけならできるけど、頭が悪ければもう来ていて可笑しくないけど、逆に頭がいいと明け方かな?」
この場合のお客さんとは招かれざる客であり、猶予というのはその客が訪れるのがいつになるかということだ。首をかしげるリンゴの前で難しい表情を浮かべるクマの予想だと、もっとも高い可能性が明け方ではないかという見解であった。
「・・・頭ですか?」
「夜目が効くかどうかもあるが、明け方ってのは一番気が緩むからな。あとは、どうも人数が少ないみたいだし、応援呼ぶ時間も必要ってことだな」
首を傾げるルカに、一つ頷き理由を説明するクマ。これは彼の知識の中にある襲撃側の定石に基づいたもので、不意打ちとは、基本的に相手の気の緩みを突くのが最も効果的であり、それらを考えて行動できるならば相手の頭はそれほど悪くないと言える。
「大丈夫でしょうか・・・」
「んー・・・ユウヒじゃないが、戦闘前のひりつく感じもしないし大丈夫だと思うけど、一応監視はしとくさ」
こちらを監視する影が、獣ではなく知性を持つ相手である可能性をクマから説明されたルカは、閉じられた木戸に目を向けると不安そうな声を洩らす。そんなルカの姿に、クマは自分の首の後ろを手で触ると、虚空を見上げて大丈夫だろうと口にし、歯を見せ男臭い笑みを作ってルカに笑いかける。
「あの、私も「はいストップ」え?」
「あんたはメロンと寝てなさいね」
気遣いが多分に含まれたクマの笑みに、ルカは心苦しさを感じたのか、崩れた正座の状態から勢いよく膝立ちになると、監視を手伝おうと口を開くが、その言葉は猫背で胡坐をかいていたリンゴの声に遮られ、さらにおとなしく寝ていろとまで言われてしまう。
「でも・・・」
「護衛対象が前出てどうすんの、メロンは寝ないとダメな子だし、あとは私とパフェが居るから大丈夫よ」
リンゴの言葉に不満そうな声を洩らすルカだが、リンゴの言うことはもっともであり、この場でルカは本来守られる側の人間である。さらに言うならば、どこかの規格外達と違い一般人な女子高生であるルカでは、何かあった時に足手まといになりかねないという理由もあるが、そこは言葉にしないリンゴ。
そんなリンゴは正論でルカをしぶしぶ納得させると、同意を求めるようにクマとパフェが座る場所へと目を向けたのだが、
「・・・リンゴが、真面・・・だと!?」
「ばかな!?」
その視線の先にあったものは、驚愕の表情で声を詰まらせるパフェの姿と、手からコップを取り落し固まるクマの蒼い顔であった。
「ぅおい!」
リンゴにとっても、日ごろの行いから二人がこのような反応を見せることは、ある程度予想の範囲内であったのだが、そのリアクションのレベルと二人の連携具合があまりに良過ぎ、思わず本気で突っ込みを入れてしまう。
「ふふふ、それじゃお願いねリンゴ」
全身で感情を表すリンゴと、互いにひそひそ話をするようなジェスチャーを見せるクマとパフェ、そんな三人の姿に微笑みを浮かべたメロンは、ルカの手を取り立ち上がるとリンゴに微笑んで後をお願いする。
「はいはい、ここで少しは株を上げとかないとね」
後ろからかけられた声に苦情の構えを解き、眠そうな目のメロンに苦笑を洩らすリンゴ、しかしクマ達のターンは終わっていなかったようで、
「そだな、世界恐慌待った無しの大暴落中だもんな」
「え! そんなにさがってた!?」
付け加えるような彼の言葉に、真剣に驚くリンゴと頷くパフェ。
「クマ君、何かあったら起こしてね? 手伝うから」
「あぁメロンさんはルカちゃんメインで」
「あら、残念・・・ふふふ」
リンゴを見る目が少しだけ不安そう、ではなく心配そうなルカの前で、脱力したように四つん這いに崩れ落ちたリンゴ。そんな彼女を慣れた様子で慰めるメロンは、クマを見詰めるとそのたれ目がちな細い目を少し開くとそう声をかけるのだが、当のクマは引きつった表情で寝ていてくれと言う意味の言葉を返す。
「まぁ最悪は頑張ってもらうさ」
「流石パフェわかってるぅ」
「ふふん、まぁな!」
楽しそうな微笑みを浮かべ大して残念そうでもない声を洩らしたメロンは、視線の先のパフェがため息交じりに了承すると、今度はうれしそうにパフェをおだて、その言葉に笑みを浮かべたパフェは整った胸を盛大に反らして見せるのであった。
「・・・むぅ(目視で判断する限り身体能力の面では大丈夫だと思うけど、増援があったら不味いよなぁ・・・早めにユウヒと合流したい、最悪ユウヒが居なくても誰かしら味方を見つけないとな。弾薬無し補給物資無しな敵地捜索か、何時以来だろなぁマジでユウヒどこにいんだよ・・・)」
姦しくも微笑ましく騒ぐ女性陣に、疲れた表情を浮かべるクマ。
そんな彼の心の中では、近づいてくる脅威についてのことが目まぐるしく駆け巡っているらしく、明らかに一般人とは違う思考でこれからのことを考える彼は、きっとこの中で二番目に強くユウヒとの再会を望んでいることであろう。
いかがでしたでしょうか?
日の落ちた森で過ごす流華達と、世界樹の目の前までやって来たユウヒでした。なにやらぽつぽつ不穏な空気が見え隠れしてますが、その空気がどうなっていくのかは、この先をお楽しみに。
それではこの辺で、また次回もここでお会いしましょう。さようならー




