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ワールズダスト ~現世に現れし黒き森~  作者: Hekuto
第二章 異界浸食

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第百九十二話 催促とユウヒプラン

 修正等完了しましたので投稿させてもらいます。楽しんで頂けたら幸いです。


『催促とユウヒプラン』


 ユウヒとジュオ族が夜中の屋根上で接触した翌日早朝、朝からイトスギの優しく生暖かい吐息で叩き起こされたユウヒは、苦笑を浮かべる自衛隊員に連れられ自衛隊の待機所となっている一室来ていた。


「こいつは酷い」


「何かわかりますか?」

 そこにはスクリーンにアメリカの大地が映し出されており、元々乾燥した大地であった事前写真と現在の洪水写真を見比べたユウヒは、その変化に思わず酷いと呟く。その感想は単純な見た目によるもので、特に何か新発見したものではない。


「いえ、やっぱり直接視ないとなんとも・・・でもこれ下手すると周囲一帯すべて水没しそうですよね」


「そうですね・・・」

 しかし周囲の自衛隊員からは何かを感じ取った様に思われたらしく、苦笑を浮かべて実際に見てみないと解らないと話すユウヒに、周囲は頷きながらも懐疑的な視線を浮かべている。


「それで、体の方は大丈夫なのか? イトスギからの診断書じゃまだ動けるとは思えないんだが?」

 そんなユウヒに対する意識の変化が伺える場所を生暖かい目で見ていた石木は、テレビ電話を起動させたPCの向こうから語り掛けた。どうやらユウヒに関する戦闘後の初期診断は石木の手元にもあるらしく、その結果に目を向けながら目の前で笑うユウヒに小首を傾げて見せる。


「ほらそこは魔法の不思議パワーでなんとか、ロシアの人にも許可貰えたので、ついでにお土産を先に送っときました」

 実際に当初のユウヒは処置が遅れれば死にかねない大怪我であり、ユウヒをお姫様抱っこで運んだイトスギも内心結構焦っていた。しかしそこはユウヒの絶えぬ妄想力と膨大な魔力を燃料とする神様印の魔法、即時回復とはいかないもののゆっくりと確実に怪我だらけの体を治してしまう。


「お土産?」

 すっかり良くなったように見えるユウヒは、呆れた表情を浮かべる石木にお土産を送ったと笑いながら頭を掻く。自分でもその異常性に自覚がある様な笑みを浮かべるユウヒの顔を見ていた石木は、お土産と言う言葉に不安を覚えつつ、心の中で自覚の足りないユウヒにツッコミを入れたくなる。


「やぁ新しい素材ってつい弄りたくなりますよね」


「・・・まぁそれは良い、明日出てどんなに急いでも一日、体調を考えれば二日三日は欲しいってところだ。元々四日って話だったんだが早く出来そうか?」

 心の中から込み上げてくる感情を飲み込んだ石木は、ユウヒのお土産に対する不安が積み重なり珍妙な表情に変わっていくも、こちらもとりあえず飲み込むと本題の内容に移る。


 それはアメリカ側からの催促に関することで、四日では遅すぎるのでもっと早く来れないか、というよりもすぐ来いと言ったものである。正直過剰な要求であるが、日米の関係上ある程度考慮しなくてはならない事に、問いかける石木は苦々しい表情を浮かべていた。


「そうですね・・・色々協力してもらえるならもっと早くする案もありそうですけど」


「・・・無理はしてくれるな? 俺は戦争なんてもうごめんだ」

 申し訳なさそうな視線に目を瞬かせたユウヒは、小さく呟くと天井を見上げながら何事か考え始め、どうにかする手段も無くは無いと話すが、その仕草と言葉に顔を蒼くする石木は、神妙な声で呟く。どうやらユウヒの仕草がどこかのトラブルメーカーとよく似ていたようだ。


「ははは、俺も嫌ですね。それじゃこんな?」

 急に不安を表に出し出す石木に、キョトンとした表情を浮かべたユウヒは可笑しそうに笑い、こんな案がありますよと口を開こうとした瞬間、PCの向こうから石木を呼び出す電子音が聞こえ、ユウヒは言葉を止める。


「ん? ちょっとまってくれ電話だ」


「どういう案ですか?」

 どうやら備え付けの電話の様で、一言残した石木が画面から消えるとマイクも切られ音も消えた。そんな石木を見送ったユウヒは、背後から聞こえて来た声に振り返り、視線の先で見詰めてくる複数の視線に目を僅かに見開く。


「えっとですね。ところでF35の航続距離ってどのくらいです?」

 じっと見つめてくる力強い視線に心の中で引きつつ、提案に必要な情報を揃えるためF35の航続距離について問いかけるユウヒ。


「直接行く気ですか? 流石に無理ですよ、Bは特に航続距離短いですから、それなら輸送機のほうが―――」

 石木を待つ間に案を頭の中でまとめていくユウヒは、自衛隊員からの説明を参考に、石木に提案する内容について変更を入れていく。そして数十分後、割と長い事席を外していた石木がPCの中に戻ってくると、険しい表情でマイクのスイッチを入れ無言でユウヒを見詰める。


「・・・夕陽」


「はい?」

 無言の圧力を不思議そうな表情で見詰めていたユウヒは、絞り出す様に名前を呼ばれたことに目を瞬かせながら返事を返し、只ならぬ空気に自衛隊員達は息を呑む。


「不活性魔力が洩れた、どうすればいい?」


「え?」

 そしてさらに口を開いた石木は、不活性魔力が洩れたと話し、驚いたように声を漏らしたユウヒをじっと見つめ、その縋る様な視線に自衛隊員達は視線を向け合い無言でざわつく。


「アメリカで何者かが設置してあった吸収装置を持ち出したらしい、ついでに道中で分解したらしくてな・・・」


「えぇ・・・」

 どうやらアメリカの巨大ドーム対策に、ユウヒが目の下に隈を蓄え薄笑いを浮かべながら作った大量の不活性魔力吸収装置が、アメリカで何者かの手により奪われ、しかもその急ごしらえで万が一の安全性を排除した装置は道中分解され、内部に封印された不活性魔力が洩れたらしい。


 ユウヒも予想はしてもまさか実際に起きるとは思っていなかった事態に、彼の口から呆れかえった声が零れだした。考えられる最悪の事態に頭を抱えた彼は、たぶんそれでは足りないくらいの事態になると持ち前の勘が告げ肩を落とす。


「市街地郊外で意識喪失者が大量に出たらしく、調べたらある湖の近くで壊された装置を抱えた車が事故ってたらしい」


「あーじゃぁ犯人は」


「死んでいたそうだ」

 その証拠に、窃盗犯が何人居たかわからないものの、装置を奪った挙句道中で分解を試みた結果、洩れた不活性魔力でアメリカの市街地郊外を不活性魔力で汚染し、被害者を多数出してしまっており、さらにその犯人は罪を償うことなく天に召されてしまったようだ。


「余った装置で吸うしかないんじゃないですかね? 車に設置して走り回るとかして・・・てかどうやって調べたんです?」

 大量に噴出する不活性魔力の拡散を押さえるため、用意された装置は数百個に及び、それでも全てを回収できないとユウヒ達は考えている。そのため、洩れた量こそ少ないとは言え、全周囲に拡散する不活性魔力を回収するには、それなりの数の装置を用意するか装置を動かすしかないだろう。


「最初の調査で体調不良が続出、その後は無人機で・・・だそうだ。全部何とかなるか?」

 そんな目に見えない毒ガスの様な不活性魔力は、すでにアメリカの警察にも被害を出しているようで、現在は軍が出動して無人機での調査が行われている様だ。


「流石に一回広がっちゃうと、大量に装置使わないと全部は無理ですね・・・うーん、まだ魔力が地球に及ぼす影響って解らないから不安だなぁ」


「そっちも頼めるか?」

 回収するにも魔力を認識できる人間が必要なため、現地の人間だけで回収しきるのは難しく、さらにその不活性魔力が地球の環境に及ぼす影響が解らない事の方が、ユウヒにとっては心配の種の様である。


「・・・遅いバカンスついでにでもよければ影響を調べますけど?」


「ははは、手配しておこう」

 その事も含め、どうやらユウヒの仕事が増えた様だ。仕事をクビになったのに忙しさは大して変わらないと、げんなりした表情を浮かべるユウヒに、石木は笑いながらバカンスについても快諾するのであった。


「ところで場所は?」


「クローヴィス・・・と言っても解らんか、カリフォルニアにある都市の近くらしい」

 ユウヒと石木の会話に、いつの間にか集まっていた周囲の自衛隊員達が若干期待に目を光らせる中、追加の仕事場所が発表される。どうやらアメリカの巨大ドームに向かうユウヒのバカンス地はカリフォルニアになりそうで、ユウヒは縁のない外国の地に何か引っかかるところあったのか小首を傾げながら天井を見上げるのであった。





 それから十数時間後のアメリカ、白い建物の中で書類を前に面白くない表情を浮かべている大統領の前に、気難しい表情を浮かべた男が現れ気まずそうに数枚の書類を取り出していた。


「大統領、こちらが日本側からのプランです」


「ふむ・・・」

 その書類はアメリカからの要請を受けた日本側からの正式な返答として送られたものである。その書類を何とも言えない表情で差し出された大統領は、方眉を上げながら鼻息一つ洩らし受け取った。


「・・・」


「・・・なんだこれは」

 不安そうな表情を浮かべ無言で見詰める男の前で、書類を読み進めていく大統領の顔は次第に赤みが増して行き、仕舞いにはふるふると震えながら目の前に立つ男性を睨む様に見上げ小さな声で問いかける。


「はい・・・その、何と言いますか、こちらがそう・・・なるべく迅速にと言う要求を出したらですね。そのような内容の返事が・・・。すこし急ぐように言っただけなのですが、まるでこちらを馬鹿に―――」

 大統領の静かな問いかけに、声の上擦る男性は生唾を飲み込みながら事の経緯を話し始めた。実は彼、本来お願いする立場にも関わらず、相手に対し相当強気な交渉を迫った様で、さらにその事を誰にも話していなかったりする。


 想定では彼が迫った内容に多少近づける程度で、ほぼ変更はないものだと思っていたその返答は、ユウヒの提案によって斜め上のプランとして提出され、すでに提出されたプランに沿って動いているので変更は不可能であり、日本側は危機にあるアメリカの要望を最大限受け入れたので、こちらの要望も最大限受け入れてもらえると信じていると、そう書類にも書かれていた。


「最高か!」


「は?」

 そんな通称ユウヒプランの書かれた書類に対して、握り潰さんばかりの力を腕に込めた大統領は、顔を蒼くする男性に大きな声で吠えた。まるでライオンの咆哮にも似た野太い叫び声は、怒りの声ではなく歓喜の声である。その予想もしなかった言葉に、男性は気の抜けた声を漏らす。


「この専門家ヒーローには是非会って話したい! 軍人でもない人間が単独で高高度降下だと? ははは! 肝が据わってるなんてもんじゃないぞ! しかもそれをあの日本が許可出すのか! ふはははは!」

 石木命名ユウヒプランの内容とは、ロシアからアメリカに到着後は軍用機に乗り換えて最速で移動、その後高高度を飛行可能な輸送機にて巨大ドーム跡地上空まで輸送し、目的区域に到達し次第輸送機よりユウヒを投下して直接巨大ドームに送り込むと言うプランである。


 先ずにして、一般人がプロでも尻込みする高高度降下を行う事がおかしく、さらに機動性を考えて装備は最低限防寒着と酸素ボンベだけでパラシュートは無し、そんな危険極まりない行為を日本政府が承認し、アメリカ国内で実施するために必要な支援全て行うよう依頼されており、それはもう事後承諾の様なものであった。


「しかし要求が」


「構わん! 大統領として許可する。それともお前はロシアの様に大亀が出てこなかったからと、水没するだけでも被害甚大だからとその先にさらなる危険が無いと思っているのか?」

 書類に書かれた様々な要望の中には、国務を担う男性が容認できないような内容も含まれており、しかし大統領は全く気にせず、寧ろユウヒの提案は最低限必要なものであると日本の肩を持つ。実際問題現状だけでもアメリカにとって危機的状況であるが、だからと言ってさらに危険な状況へと進まないとは言えないのである。


「それは・・・」


「ここにも書いてあるだろ、攻撃による危険性を考慮した上での単独高高度降下だと、ヒーローは飛べるのだ何の問題もない」

 そう、このユウヒプランは何もアメリカに対する嫌がらせ、だけで作られたわけではなく、万が一大亀の様な危険生物風兵器が居ても対処できるように、ユウヒ単独での行動を前提としてある。当初自衛隊員達が反対するかと思われたが、実際にユウヒの戦闘を目にした彼らはとても素直で、ユウヒの提案に反対する者はいなかった。しかしそれはそれ、何かあった場合には即時対応できるように万全の準備が、陸自の協力も得てすでに進められている。


「しかし国内での自由交戦許可など」


「敵が居れば戦うのがヒーローだ当然だろ? ならお前らが戦ってくれるか? すでに無人機がいくつも落ちている、それも不活性魔力とやらの所為だろうと言うのには、専門家も同意しているじゃないか」

 そんなユウヒプランの中でも男性が最も危惧しているのは、アメリカ国内での自由交戦権の付与であった。それはユウヒ限定ではあるが、自己の判断で敵と認めたものに対し、アメリカ国内において自由に攻撃しても罰せられないと言う権利の様だ。


 それはユウヒが敵と認識すれば、アメリカの軍にだって攻撃できると言うものであり、一個人に与えたとしても大したことは出来ないが、相手は歩く戦略兵器のユウヒとあっては、その危険性は計り知れない。


 それでも大統領は譲らない、ヒーローであれば何時如何なる状況であっても最善手の為に戦うものであると、目を輝かせ鼻息荒く語る彼は、不活性魔力下で全く役に立たない現代兵器の現状を思い出すと、眉を寄せて男性を見詰める。


「はい、例の件によって町でも数名が意識不明になっています。また軍の人員でも影響が出ているようです」


「自分で出来なければ出来る人間に任せる。それがビジネスの鉄則だ・・・これほど心強い友もおるまいて」

 実際に目に見えない不活性魔力は、じわじわとアメリカの大地と人々を蝕んでおり、その事に男性は諦めたような表情で肩を落とし、大統領は自らのビジネス論を語りながら立ち上がり、窓の外に広がる曇り空を見上げた。


「大統領は、日本が嫌いなのではないのですか?」


「・・・ふむ」

 現在アメリカ全土で原因不明の雲が発生しており、それほど厚く無いため真っ暗にはならないものの、夏とは思えない気温が続いている。そんな空を見上げる大統領に、男性は神妙な表情で問いかけた。日本が嫌いなのではないかと、何故なら彼の前任者は親日家であり現大統領によって辞めさせられたのである。


「以前はあれほど日本の介入を嫌がっていたと言うのに」


「・・・そうだな、以前の私はどうかしていたと言うのもあるが、私は日本が嫌いではない。しかし危険視もしている」

 急に人が変わった様に方針を変更し始めた頃の大統領しか直接見たことのない男性にとって、今の大統領には違和感しか感じない。そんな大統領は、男性にちらりと目を向けると日本は嫌いじゃないと、どちらかと言うと好意的な目で話し、同時に危険視していると静かに話す。


「・・・」


「あの国の人間は根本的なところで我らとまったく違う。そしてそこが奴らをここまで発展させてきたのだろう。日本人は平和ボケしている様で妙な覚悟を持っているのだ、それが第三次に繋がる事態を全てどうにかしてしまった」

 彼は言う、日本人とアメリカ人とでは根本的なところで明らかな違いがあり、第二次世界大戦後の急激な発展、その後に何度となく発生した第三次世界大戦の危機を回避し続けたのは、そう言った日本人の本質によるものなのだと。様々な工作によって日本の力を削いできたアメリカであるが、そこに感じる脅威は未だ健在なのだと大統領は真剣な目で語る。


「それは・・・」


「一度牙を剥けば止めることは困難だ。今のアメリカに無傷で荒ぶる獣を御する様な余裕はない、だがそれをわかっていないのが今のアメリカ人なのだよ」

 万が一にでも日本が牙を剥けば、その暴走を止めることは容易ではなく、アメリカであっても被害は相当なものになると彼は考えている様で、しかし大半のアメリカ人にとって日本人は直接的な脅威として映っていないと、ため息混じりに吐き捨てた。


「・・・特級の牙ですよ」


「突き抜けた相手に小細工など意味がない・・・私の勘がそう言っている」

 そしてそんな牙の中でも、ユウヒと言う個人は特級の牙であり交戦権を与えれば手を付けられないと、男性は大統領を見詰める。すでにユウヒの戦闘記録はアメリカの軍事研究機関で分析されており、最後の魔法に関しては現行の核兵器など軽く凌駕する威力があると考えられていた。


 あまりに強力で、かつ理解の及ばない力を持った相手を不必要に拘束したところで意味は無いと、裏表なく接した方が有益であると語る大統領は、自らの考えに不思議と確信出来るものがあるようだ。


「・・・わかりました。許可を出しておきます」


「うむ、今から会談が楽しみだ」

 ゆるぎない自信に裏打ちされた笑みを浮かべる大統領の横顔を、どこか眩しそうに見詰めた男性は、観念した様に頷くとユウヒプランに書かれた要望を受け入れる。男性の返答に頷いた大統領は、ニカっとした笑みを浮かべると、今からユウヒ(ヒーロー)と会うのが楽しみだと笑う。


「いえ、そっちは却下の方で」


「何故だ!?」

 しかしそうはいかない。


 何せロシアでの戦闘からさらにアメリカへの強行軍である。いくらユウヒが魔法を使えたとしても、そのダメージの蓄積は相当なものだろう。事実彼は魔法で治ったと言いつつも、体に残る違和感を魔法の力で誤魔化しているだけなのだ。


「そんなほいほい会談できるわけないでしょ! 向こうも嫌だって言ってるんですよ!」

 ただでさえ目立つ行為が嫌いなユウヒが、一国の長に会うなど了承するわけもなく、身体的にも精神的にもダメージが蓄積している状態であれば尚更である。まぁすでに盛大に目立っている気もするが、そのほぼすべてに緘口令が敷かれている為、ユウヒ的にはノーカンらしい。


「嘘だろ!? 嘘だと言ってくれ!」

 その日、白く大きな建物の一室から一国のトップの叫び声と、それを諫める忠臣の声が外まで響いていたらしいが、大体の人間は驚きもなく苦笑いで受け止めたとか・・・。


 果たして、ヒーローに憧れる少年の心を忘れない男がトップを務める大国で、ユウヒはどんなドーム跡地と出会うのか、そして何を成すのか、少なくとも大統領との直接会談や衆人観衆の前に晒されることは無い様だ。

 いかがでしたでしょうか?


 ユウヒプラン、普通ならあり得ないが幾重にも重なり、アメリカの大地で一人の男の胃を間接攻撃する。はたしてユウヒはアメリカの地で何を成すのか、そして男の胃はさらなる追撃に耐えられるのか、それは誰にも神にも、彼の頭からはらりと抜けおつ一本の髪の毛も知らない。


 それではこの辺で、またここでお会いしましょう。さようならー

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