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ワールズダスト ~現世に現れし黒き森~  作者: Hekuto
第二章 異界浸食

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第百七十四話 ロシアの白猫

 修正等完了しましたので投稿させてもらいます。楽しんで頂けたら幸いです。



『ロシアの白猫』


 ユウヒがロシアの空港で、トイレの窓から見える景色を前にため息を洩らしてから数時間後、明るかった空はずいぶん暗くなってきていた。


「本機は間もなく空港に到着します。機長より日本の友人達の武運を祈らせてもらいます」


「武運ねぇ洒落た機長さんな事で」

 その理由は時間の経過もあるが、現在ユウヒが乗る旅客機が西から東へと長距離を移動しているからである。そんな移動時間もそろそろ終わりの様で、窓から地上の光が増え始めた大地を眺めていたユウヒは、機長の洒落た挨拶の言葉に小さく笑みを浮かべていた。


「夕陽君、今のロシア語が解るのかい?」

 機長の言葉は当然ロシア語で、そんなロシア語に対して笑みを浮かべるユウヒに、隣に座っていた小隊長は驚いたように問いかける。対パイフェンガードとして今の席に座ることとなった男性は、まさかユウヒがロシア語を取得しているとは思わなかったようだ。


「いえ、みんなが何話してるか解らなかったので魔法でちょっと」

 しかし、ユウヒは別にロシア語をマスターしているわけではなく、いつもの様に魔法の力に頼っているだけである。アメリカの空港に着いた時点でほとんど日本語を聞かなくなり、漠然とした不安を感じた彼はこっそり魔法を使っていたようだ。


「・・・魔法ってのは便利だな」


「便利ですよねー」

 感心や呆れ、驚きと言った感情が見える表情で呟く男性に、ユウヒはまるで他人事のように返しながら彼の視線から目を逸らし正面に目を向ける。


「・・・(それって俺が内緒話出来ない奴じゃん)」

 そんな視線の先には、椅子の隙間からパイフェンがユウヒを見詰めており、無言でユウヒに目を向ける彼女の表情は心なしか硬く引き攣っているように見えた。


「どうかした?」


「いやいや何でもないよ?」

 妙な表情で見つめてくるパイフェンに気が付いたユウヒは、小首を傾げるとどうかしたのか問いかけるも、返ってくる言葉に反して引き攣った笑みを見せる彼女の姿に眉を寄せると、その表情の真意を読もうとじっと見つめる。


「ふぅん」

 しかしパイフェンの珍妙な表情からは、その真意を読み解くことが困難であったらしく、諦めたユウヒは納得いかないような声を漏らし背もたれに体を預け、そんな彼の姿にパイフェンはほっと息を吐く。


「ああ、そうだ。多分現地の案内をしてくれる知り合いがここで合流すると思うから仲良くしてあげてよ」


「泥棒猫の人?」


「え、まさか・・・姐さんから聞いたのかい?」

 そんな彼女は、元々ユウヒに目を向けていた理由を思い出すと、現地協力者である知り合いが到着予定の空港で合流予定であると、目を細める様な笑みを浮かべる。しかしその笑みもユウヒの返答に思わず引き攣り、その情報を伝えたであろう人物の冷たい笑みを思い出すと、若干震える声でユウヒに問いかけた。


「いや何となく、母さんがロシアには泥棒猫がいるからって嫌がってたから、何となくそんな気がしただけ」


「そ、そうかーそうなんだー・・・やだぁ、これ絶対に死ぬやつじゃーん」

 明華から直接、合流予定である人間の事を聞いたわけではなく、パズルのピースと勘をより合わせた予想だと話すユウヒに、パイフェンは気持ち悪い汗を流し出すと病人の様な声で返事を返し、血の気の引いた顔で自らの死期を悟った様に呟く。


「なるほど、母さんはだから嫌がってたのか」


「ほんと姐さんの勘ってわけわからない、なんで計画する前からこっちの動きを把握できるのか」

 何故なら、ユウヒの勘に察知されると言う事は、その強化版のような明華に察知できないわけもなく、実際に行動する前からすでにユウヒへヒントを与えている明華の行動に、パイフェンはぼそぼそと呟きながら頭を抱える。


「さぁ? 勘じゃないかな?」


「もうそこまで言ったら勘じゃなくて未来予知だヨ!」

 勘と言うよりすでに未来予知の域である明華の勘に、叫ばずにいられなかったパイフェン。そんな彼女の姿に生暖かい視線を送る人間が複数居る機内で、ユウヒはひっそりと新たな出会いを楽しみにしているようで、いつもの気怠そうな顔に小さな笑みを浮かべながら甘い紅茶に口を付けるのであった。





 ユウヒが紅茶を飲みながら、蒼い顔で悶えるパイフェンを眺めて呆れたため息を洩らしてから三十分後、彼らはロシアで最後に降り立つ国際空港のラウンジに居た。


「ここで少し休憩した後、セスナに乗って移動します。そのあと大型ヘリに乗って簡易観測所になっているベースキャンプに移動となりますので少しお待ちください」


「わかりました。ところでなんだか人が少ないみたいですけど?」

 ここからはロシア内の小さな空港を経由後、軍の大型ヘリで巨大ドーム監視の最前線に向かうようだ。しかし、出発までそれほど時間がないと言うにもかかわらず、周囲には自衛隊員が数人しかおらず、その事の方が気になったのかユウヒは周囲を見渡すと、不思議そうに隊長へ問いかける。


「半数は先に現地入りしますので、すでに移動を開始しています。夕陽さんの指示通り10キロ圏外にベースを作っているそうなのでご安心ください」


「ありがとうございます。と言っても危険なのは、俺以外の人なんですけどね」


「はは、正直何が起きるのか解らないと言うのが怖いところですね」

 どうやらこの場に居ない自衛隊員は、事前に準備するためすでに移動してしまったようで、そのことに頷くユウヒに隊長は移動予定の観測基地について話す。事前にユウヒから言われたとおりにロシア軍は最前基地を後退させており、そのことにほっと息を吐くユウヒであるが、その安心は自分自身に関わることではなく、周囲の人間の被害を軽減できたことに対する安心の様だ。


「なんだかあまり楽しくない予感もするので、最悪全力で守ります。石木さんにも自己の判断で全力を出して良いと言われているので・・・これはいつでもやっていいと言う事ですよね?」

 何が起きるかわからない危険な状況に思わず苦笑を浮かべる隊長に対して、ユウヒはニコリと笑みを浮かべると良くない予感も感じると話し、もしもの時は自重を止めると言質をとるように問いかける。


「い、いや・・・その全力を出さなくていいように我々もいるので」


「ええ、頼りにしています。俺もあまり魔力を消費したくないので何も起きなければお任せします」


「はっはっは」

 これまでにない笑みで問われた隊長は、背筋に妙な汗の流れる感触を感じ引き攣った笑みで返答するも、言外に何か起きるとほぼ確信して話すユウヒには、もう乾いた笑いしか出ないようだ。


「おーい夕陽こっちこっち!」


「ん? パイさんが呼んでるので失礼します」


「あ、はい」

 片や苦笑い、片や爽やかな笑みを浮かべ視線で語り合う隊長とユウヒ、そんな二人の無言の間を周囲の人間がどこか不安そうに伺っていると、席を外していたパイフェンがユウヒを呼ぶ。パイフェンに呼ばれその場を離れるユウヒを見送る隊長は、頷き返事を返すとその背を見ながら真剣な表情を浮かべる。


「予定を少し変更だ。先に行った部隊に、何が起きてもいいよう準備させてくれ」


「全部ですか?」

 戦場に立っているかの様に真剣な表情を浮かべた彼は、後ろを振り返ると待機していた部下に予定変更の指示を出す。隊長の指示に眉を上げた男性は、事前に出されていた指示を思い出しながら確認するように問いかける。


「そうだ、いつでも使える様にアレも準備しといてくれ。何か起きる様だから・・・な」


「・・・勘ですか?」

 何か起きると話す隊長の言葉に、数本の白髪がはねて目立つ頭を掻いた男性は勘なのかと話す。どうやらこの隊長も経験の豊富さによる勘の良さを持っているらしく、そんな彼の発言に周囲の人間は険しい表情を浮かべる。しかし、彼は軽く頭を振って見せて自らの頭を軽く掻く。


「俺のじゃない、未来を見通す狐の血は侮れんらしいからな」


「なるほど・・・」

 視線で語り合ったユウヒの目から、何かを読み取れたらしい男性の言葉に、部下は小さく呟き視線を疲れたような足取りで離れていくユウヒに向けてその背中を見詰める。自衛隊から精鋭が集められている関係上、彼らの知識は深いところにまで至っており、それ故ユウヒの家族の詳細もある程度理解していた。





 限られた者だけが知るユウヒの情報故に、彼の予測が冗談にならないと慌ただしく自衛隊員が動く中、呼ばれたユウヒは眠たそうな顔でパイフェンに近付く。


「いたいた、夕陽あれが赤狐の言ってたどろぼう「あなたが夕陽ね! 会いたかったわ!」ぐえ!?」

 何か用かとユウヒがパイフェンに目を向けた瞬間、糸目の笑顔を浮かべ話していた彼女はユウヒの視界から姿を消し、代わりに白と白に近い肌色が彼の視界を埋め尽くした。


「もふー!?」

 真っ白になった視界はすぐに真っ暗になり、柔らかくフカフカした何かに顔を埋め尽くされたユウヒは、驚きの声を上げるもその声はくぐもってほとんど外に漏れることはなかった。


「ふふふ、黒鬼より少し身長が足りてないかしら? でもこのくらいが抱きしめるには丁度いいわね」


「何しやがる白猫!」


「あら居たの?」

 顔いっぱいに、柔らかで温かく良い香りまでする何かを感じているユウヒ。そんなユウヒを襲った人物は、丁度胸の高さにある彼の頭をすっぽり包み込み愛おしそうに撫でながら、過去に思いを寄せた人物と比べて笑みを深める。


 彼女は白猫と呼ばれているらしく、脇腹を手で押さえて怒り心頭なパイフェンの声に、ユウヒを抱きしめたまま振り返ると不思議そうに首を傾げて見せるが、当然彼女はパイフェンが目の前にいたことを知っていてユウヒに襲い掛かり、ついでとばかりにパイフェンの脇に肘鉄を食らわせたのだ。


「目の前にいただロ!」


「うふふ、全然気が付かなかったアン!?」

 牙を剥いて怒りをあらわにするパイフェンに対して、白猫はクスクスと嘲笑いながら胸に抱いたユウヒの頭を撫で続ける。しかしパイフェンが一歩彼女に近付き、ユウヒに手を伸ばそうとした瞬間、白猫は突然胸に感じた擦れる感覚に艶めかしい嬌声を漏らす。


「・・・えっと、初めまして天野夕陽です。傭兵団の関係者ですか?」

 彼女の胸の先端を擦ったのは、窒息の危険を感じて抜け出したユウヒ顔で、大きく深呼吸をして息を整えたユウヒは、少し赤くなった顔で何事も無かったように目の前の白猫に自己紹介をする。


「そうよ、偶に手伝うの・・・一応仕事中だから白猫って呼んでね」


「わかりました白猫さん」

 ユウヒの問いに柔らかい笑みを浮かべた彼女は、傭兵団の仕事を時々手伝うのだと言いながら握手を求めて綺麗な手を差し出す。ファーストコンタクトの激しさが嘘の様に穏やかに笑う女性に、ユウヒはじっと相手の青い目を見詰めながら握手すると、丁寧な言葉で小さく微笑む。


「わたしと扱いが、違う・・・だと!?」

 そんな二人のやり取りに、自らの脇腹を撫でていたパイフェンは愕然とした表情で絞り出す様に呟き、問い質すような不満に満ちた視線をユウヒに向ける。


「そりゃ初対面ですもの、でもこれから友好を温め合いましょうね? ロシアは寒いから!」

 自らとは違う丁寧な対応に不満を見せるパイフェンに対して、白猫は困った子でも見るような笑みで肩を竦めると、ユウヒから見えない位置で目を肉食獣の様に輝かせると、目にも留まらぬ動きでユウヒに抱き着く。


「抱き着くのは恥ずかしいので嫌です」


「・・・早いわね」

 しかし、その動きはユウヒの素早いステップにより空を切り、一歩先で少し恥ずかしそうに呟くユウヒを見た白猫は、目を見開き信じられないと言いたげな表情で呟く。


「すげーだろ? ステップの速度は黒鬼並みだぜ? 見切りはそれ以上かもな」


「ほんと? すごいわね、うふふ」


「そうですか? 俺より皆さんの方がすごいと思いますけど・・・」

 嫌そうに呟きながらも一歩以上の距離を離さないユウヒの姿が、どこか猫の様に見えて頬を緩め笑みを浮かべたパイフェンは、我がことの様に自慢げな声でユウヒを称賛し、そんな称賛に驚いた白猫は抱き損なった態勢を元に戻してじりじりとユウヒに近付く。


 じりじり近づいてくる白猫から常に半歩離れるユウヒに、白猫も頬を緩める中、ユウヒは眉を寄せると小首を傾げながら自分よりも二人の方がすごいと話す。


「謙遜が過ぎる辺りは日本人らしいのかしら、いらっしゃいなこっちに暖かい飲み物を用意してるから」

 何か満足した表情で近づくことを止めた白猫は、ユウヒの言葉を唯の謙遜だと言って肩を竦める。しかし、ユウヒにとってはそうでもないらしく、元々見切りなどを行っていないユウヒは、魔法の力で跳ね上がった身体能力によって抱き着かれるギリギリのところで逃げているだけなのだ。そのため不意打ちには弱く、気を抜いているとファーストコンタクトの様に拘束されてしまう。


「お、酒か?」


「ウォッカでも一気飲みしてなさい」


「いいね」

 それも気を抜いていなければ回避できる辺り、素のユウヒも確実に一般人の枠から逸脱しているのだが、本人はいたって普通の人間のつもりである。


「あなたはいつも通りね、夕陽君もここまでの道中苦労したでしょ?」


「慣れました」

 そんな誰もが否定しそうなことを心の中で考えているユウヒは、歩き出す二人について歩き出すと、前を歩きながら振り返った白猫の問いかけに、苦笑と共に慣れたと返す。


「なら私の愛情表現にも慣れてほしいわね」


「・・・善処します」


「ふふ、どこかの使えない政治家みたいよそれ? まぁいいわ、あっちで現地についていろいろ教えてあげるからいらっしゃい」

 そんなユウヒの姿に微笑んだ白猫は、自分の愛情表現にも慣れていてほしいとウィンクを投げかける。誰が見ても解る好意を向けてくる白猫の姿に、男を手玉に取り稼ぐ女性たちと同じ気配を感じてたじろぐユウヒは、思わず曖昧な返事を返してしまい、その姿に白猫はクスクスと目を細め笑う。


「はぁ・・・」


「どした?」


「いや、なんだか母さんと似た人だなと」

 くすくすと笑い目を細める姿はとても魅力的な女性に見えるのだが、その言葉の端々に感じる気配に、ユウヒは母親である明華に似たものを感じ、ため息交じりの返事を返しながらじっと白猫を見詰め、振り返ったパイフェンは不思議そうに小首を傾げる。


「えーそれはないわよ」

 じっと見詰められた上に思いもよらない事を言われた白猫は、一瞬目を見開くと顔の前でひらひらと手を振り嫌そうに笑う。しかしその表情の奥には特に嫌悪するような感情を感じないユウヒは、目の前の女性と母親の相性はそれほど悪いものではなさそうだと、小さく息を吐いて安心した様な表情を浮かべるのだった。


「そうそう、赤狐は黒鬼と夕陽にしかベタベタしないけど、こいつはどんな男にだって股ひげふ!?」

 一方パイフェンは、ユウヒの発言に思わず吹き出す様に笑ったかと思うと、赤狐と呼ばれる明華と目の前で笑う白猫との違いについて楽しそうに話し始める。しかしパイフェンはその説明を最後まで話し終えることが出来ず、白猫の強く短く的確な肘鉄を脇に受けることで強制的に口を閉ざされてしまう。


「私だって相手選ぶわよ、少なくとも貴方には開くどころか見向きもしないわよ」


「ぐおぉ・・・俺も願い下げだヨ!」


「・・・はぁ」

 目にも止まらぬ一撃を放ちパイフェンを冷たい目で見降ろす白猫と、いつも平常運転な口が軽く残念な友人を見比べたユウヒは頭を抱えると、額をぶつけ合い対照的な顔で睨み合う二人の姿にため息を洩らす。


「馬鹿は置いて行きましょ夕陽」

 一頻り睨み合ってから視線を外した白猫はユウヒに歩み寄ると、ユウヒの腕を大きな胸の間に挟んで先を促し、先ほどまで冷たい嘲笑を浮かべていた表情を柔らかな笑みに変える。


「おのれクソビッチ」


「うるさいわよ節操無し」


「・・・(何となく把握、忍者共が苦手なタイプだ。連れてくればよかったかな?)」

 しかしその表情も、パイフェンの悪態を耳にすると引き攣り、次の瞬間には青筋の浮く引き攣った笑みで罵り合うのであった。その変わり身の早さによく見覚えのあるユウヒは、彼女の性質が忍者たちが苦手とする肉食系だと理解すると彼女に腕を抱かれたまま脱力し、ひどく懐かしく感じる悪友達の事を考え現実逃避し始めるのであった。





 そんなユウヒの悪友たちはと言うと、


「ふご!? ユウヒに魔の手が!? お断りです!」

「如何! ユウヒそやつはビッチぞ! あと断る!」

「ユウヒ殿かむばーっく! そして巻き込みは厳禁でござる!?」


 夜の自衛隊宿舎で飛び起きたかと思うと、ユウヒの危険を察知したのか彼を心配する声を上げていた。


「「「・・・・・・ユウヒ、何か美味しい目に合ってるな」」」


 飛び起きた姿勢のまま放心していた彼らは、互いに顔を見合わせアイコンタクトをとると、一つ大きく頷きユウヒの現状を正しく把握する。いったい彼らの何がこういった千里眼の様な事を可能にしているのか謎であるが、少なくとも今の彼らの目には嫉妬の炎がチロチロと燃えている様だ。


「でも全く羨ましく感じない」

「と言う事はだ・・・」

「あの手の女でござるか・・・まぁ、ユウヒ殿なら朝までヤってもピンピンしてるでござろう」


 しかし、急にその炎を鎮火させた彼らは、先ほどまでと違うどこか気遣わし気な表情を浮かべると羨ましくないと呟き、ユウヒの心配を始める。以前肉食系女子の集団に逆・・・性的に食べられて以来、肉食系女子が苦手になった彼らは謎の感覚で何かを察したようだ。


「そだな、おやすみー」

「おやスピー・・・」

「相変わらず寝付き良過ぎでござるな」


 彼らの中で性豪と言う事になっているユウヒを、レベルの低い自分たちが心配してもしょうがないと言う結論に至ったようで、ごそごそと布団に潜り直した三人はまだまだ先の起床時間まで寝直すことにするのであった。



 いかがでしたでしょうか?


 忍者に心配されているのか信頼されているのか、今日もユウヒの周りは騒がしきにけり、そんなユウヒの今後をお楽しみに。


 それではこの辺で、またここでお会いしましょう。さようならー

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