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転入
そこそこキレイなスーツに身を包んだこの女教師は、まだ先生と呼ばれはじめてから大して経ってないじゃないだろうか
そんな若い教師の後ろをそこそこきれいな制服を着た男子生徒がついていく
「あまり緊張しなくていいわよ」
笑顔で彼女は彼に話しかける
「あ、いえ、緊張はあまりしてませんよ」
彼も笑顔で答える
いかにも模範的な教師と生徒のやり取りだ
2人は3ー2と書かれた教室の前で立ち止まる
まず教師が教室の扉を開け、入る
それに彼も続く
さっきまで騒がしがった教室は静かになり、好き勝手な場所で話をしていた生徒はゆっくりと自らの席へと戻っていった
「みなさん、おはようございます
えー、昨日も言いましたが、転入生です
まずは自己紹介してもらいましょうか
じゃあ、おねがい」
「はい
はじめまして、宮川武彦といいます
このたび転入することになりました
よろしくおねがいします」