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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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第1戦記 神生

 果てしなく広がる、広大な宇宙…。




 その広大な宇宙の海に、青い海と緑の木々で覆われたとても美しい、宇宙の遺産とでも呼ぶべき惑星が浮かんでいた…。




 「ラニアケア超銀河団《ちょうぎんがだん》 おとめ座超銀河団《ざちょうぎんがだん》 おとめ座銀河団《ざぎんがだん》 天《あま》の川銀河《がわぎんが》 オリオン腕《わん》 太陽系第三惑星《たいようけいだいさんわくせい》、 地球《ちきゅう》」。




 この美しい惑星こそが、この物語の舞台となる惑星である。




 かつて地球は、「最終戦争《ハルマゲドン》」とも呼ばれた「第三次世界大戦《だいさんじせかいたいせん》」により、海は枯れ、大地は荒れ、山は消滅し、灼熱の炎によって全ての文明が焼き尽くされ、惑星全体を黒い煙と死の灰が包み込んだ。


 地球上の全生命体の90%以上が死滅し、地球は死の星とまで呼ばれた。


 わずかに生き延びた地球人たちは、いつかまた地球が青い海と緑の木々に覆われた美しい姿を取り戻す日を夢見て、名残惜しくも地球を去り、月や火星へ逃げ延びた。

 中には、地球のはるか地底へと逃げ延び、地球が再生する日を待ち望む者たちもいた。


 そして、太陽系の各惑星で独自の文明と科学を発展させた地球人たちは再び一つになって「地球再星計画《ちきゅうさいせいけいかく》」を始動。

 長い年月をかけて地球人たちの夢であった、「地球再星《ちきゅうさいせい》」を成し遂げたのである。




 新宇宙歴…。




 「第三次宇宙大戦《だいさんじうちゅうたいせん》」が訪れる1年前、新宇宙歴2088年の地球の南極。




 ここより、物語は始まる…。




【第一ターミナル・コア 表層部】


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」


 ここは地球の南極の地下にある「機甲十字軍《きこうじゅうじぐん》」の秘密基地、「ターミナル・コア」。


 その地上に近い表層部にて、ある一人の《《科学者》》の老人が《《試験管》》を手に逃走していた。


 その後ろからは、機甲十字軍の兵士たちが迫っていた。


※機甲十字軍兵=以下、十字軍兵と略。


十字軍兵A「追えー‼︎ 絶対に《《奴》》を逃すなー‼︎」


「ドカァァァァン‼︎」


「ズガガガガガガガガ‼︎」


「ビューン、ビューン‼︎」


 激しい爆発音、「プラズママシンガン」や「プラズマガン」の銃声が鳴り響く中、《《科学者》》は必死で走り抜け、兵士たちは科学者を追う。


科学者「はぁ、はぁ…、《《これ》》だけは…、《《これ》》だけは絶対に渡す訳にはいかないっ‼︎」


 《《科学者》》は曲がり角を急いで曲がると、とっさに目の前の物陰に隠れ、なんとかその場をやり過ごした。


十字軍兵A「くそっ‼︎ 《《奴》》はどこへ逃げた⁉︎」


 兵士たちが辺りを見渡しているところに、プロテクターと仮面を身にまとった大柄な男が間に入って現れた。


「フッ…、ムダな足掻きを…」


 彼の名は「Dr.エビル」。IQ15000を誇る超天才科学者にして、機甲十字軍の指導者《フューラー》である。


Dr.エビル「まだそんなには遠くへ逃げていないはずだ…、探せ。ただし、見つけてもまだ殺すな…。《《奴》》には聞き出さねばならないことがたくさんある」


十字軍兵たち「了解《フェアアインシュタンデン)》‼︎」


Dr.エビル「《《あれ》》だけは絶対に取り戻さねばならん…。我らの理想郷《ユートピア》、「真聖《しんせい》ナチス第三帝国《だいさんていこく》」建国のためにもな…」


 兵士たちが辺りを捜索している。まだ、《《科学者》》の方には気づいていない。


科学者「よし、今の内に格納庫へ…」


 《《科学者》》は足音を立てぬ様に格納庫へ向かった。


 格納庫にたどり着くとそこには、整備済みの機甲十字軍の主力量産機「パンツァーカイル」があった。


 《《科学者》》は急いでパンツァーカイルに乗り込んだ。


科学者「「クアンタムエンジン」は良好…、エネルギーは充分にある…。これで逃げ切れるぞ‼︎」


 《《科学者》》は機内の設備とシステムをくまなくチェックするとメインブースターに点火し、射出口の扉を開けて勢いよく外へ飛び出すと、ナビゲーションとレーダーを起動させ、目標地点を日本の「新東京都《しんとうきょうと》」に設定した。


科学者「あんな危険な《《計画》》にこれ以上手を貸す訳にはいかない。まずは日本へ亡命し、《《あのアーマード・ギア》》と《《少女たち》》を探すことが先決だな…」


「ははっ‼︎ 見つけたぞ‼︎」


科学者「何っ⁉︎ あのカラーリングは…、まさか…⁉︎」


 《《科学者》》の背後から黒く塗装され、肩に薔薇のエンブレムが施された複数のパンツァーカイルが現れた。


 彼らは機甲十字軍の特殊部隊「ハーケンローゼス」。暗殺やスパイ、破壊工作などはもちろん、白兵戦やアーマード・ギアの操縦技術も一流の選りすぐりのエリート兵士の集団だ。


※ハーケンローゼス隊員=以下、H・R隊員と略。


H・R隊員A「残念だったな…。《《貴様》》の企みなど、Dr.エビルはすでにお見通しだったのさ‼︎」


科学者「くっ…‼︎」


H・R隊員「俺たちはDr.エビルの命令で、以前から《《貴様》》の動向を探っていた。すると《《貴様》》は案の定、《《実験体》》を持って軍から逃走した。 

 だから俺たちはあえて、格納庫に整備済みのパンツァーカイルを残しておき、《《貴様》》が乗り込み脱出を計るタイミングを見計らっていたという訳だ」


科学者「罠に嵌められたというのか…⁉︎」


H・R隊員A「さあ、大人しく《《実験体》》を返して貰おうか‼︎」


 ハーケンローゼスの隊員たちはパンツァーカイルのプラズマライフルを取り出し、銃口を科学者のパンツァーカイルへと向けた。


科学者「だが、ここで捕まる訳にはいかん‼︎ 何としても逃げ切るぞ‼︎」


 《《科学者》》はプラズマライフルを取り出し、ハーケンローゼスの隊員たちのパンツァーカイルへプラズマライフルを乱射した。


H・R隊員A「フン…、あくまでも機甲十字軍に抗うつもりか…。ならば腕ずくでも返してもらうぞ‼︎ お前たち、コクピットには当てるな‼︎ ジェネレーターを狙え‼︎ 《《奴》》の機体の動きを止めるんだ」


H・R隊員たち「おおっ‼︎」


 ハーケンローゼスの隊員たちもプラズマライフルをコクピットに当てないように、《《科学者》》のパンツァーカイルへ発射した。


科学者「くうぅ…、ここまでなのか…⁉︎」


 《《科学者》》が諦めそうになった瞬間、《《科学者》》のパンツァーカイルが放ったプラズマライフルの内の一発が動力部に当たり、ハーケンローゼスの隊員のパンツァーカイルが一機撃墜された。


H・R隊員B「うわぁぁぁ…、脱出だ‼︎」


H・R隊員C「チッ…、よくもやってくれたな…」


 機体が爆破する寸前にその隊員は脱出した。


科学者「やった…‼︎ はっ…⁉︎ うわぁぁぁ…⁉︎」


 敵を一機撃墜して喜んだのも束の間、《《科学者》》のパンツァーカイルの飛行ブースターに、ハーケンローゼスの隊員のパンツァーカイルが放ったプラズマライフルが当たった。


 《《科学者》》のパンツァーカイルは急激に飛行速度を低下させた。


H・R隊員A「はっはっは…、もう分かっただろう…‼︎ 機甲十字軍からは逃げられないのさ‼︎」


科学者「くそぉっ…、《《これ》》だけは…、《《これ》》だけは渡す訳にはいかんのに…」


H・R隊員A「そろそろ観念するんだな、《《博士》》‼︎ お前たち、一気に取り押さえるぞ‼︎」


H・R隊員たち「おおっ‼︎」


 ハーケンローゼスの隊員たちのパンツァーカイルが四方八方から、一斉に《《科学者》》のパンツァーカイルに向けて飛びかかった。


科学者「すまん…、《《許してくれ》》…」


 《《科学者》》が捕縛されるのを覚悟したその瞬間だった。


 南極の上空に突如、巨大な時空の裂け目が現れ、南極の空は不気味に赤黒く染まった。


科学者「はっ…⁉︎ あれは⁉︎」



 突如出現した時空の裂け目、これは一体何なのであろうか?


 そして、《《科学者》》の運命は?




【次回予告】


ナレーション:ミア・沙羅・シュナイダー


 ミア・沙羅・シュナイダーだ…。名前は覚えても覚えなくてもどっちでもいい…。


 南極に突然現れた魔光牙とか言う奇妙な怪物。あれから奴は何とか逃げたみたいだが、機甲十字軍の兵士たちは果たして勝てるのかどうか…。


 そして日本に辿り着いた奴は少し騒ぎを起こしてしまうらしい。後々、大きな騒ぎになることも知らずにな…。


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎


 【第2戦記 神化の胚芽】


 と言う話らしいな。楽しみにしておけ。

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