第八話 サブ更新と家族会議1
ー家族構成振り返りー ※名字は除いてます。
・父:ヴァルド=ジード
・母:エリィ=フェリシア
・長男:フェリス=セラアミラ
・次男:ルード(魂名なし)
・長女:ミレーユ=セラリネ
精神的にとても疲れる実験に協力して数年。
ただいま6歳のカイン=アストレイア=フォルシオンです。
今日は家族会議の日。
普段は商会の業績等を確認して、“中商会”から“大商会”になるための方策を考える時にやる会議なのだが、今日のテーマはちょっと違う。
そう、「オレの入学について」だ。
神名持ちであるが故のその特殊で貴重な人材は早く育てるべきという意見が国の上層部であったようで、家に書簡が送られたのが事の発端だ。
いや、なんでやねん。
おっと、関西弁になってしまった。
………まぁ正直、心の準備はまだまだだけど。
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6歳になったときオレの相棒──サブ──が大型の更新作業に入った。
色々とサブ自身で、この世界の理と神名に与えられた権能を操れるようになったようだ。
折角のこの機会に訊いてみる。
(サブ! 今オレ出来ることはどうなってるの?)
【能力の確認ですね! 現在、カイン様が扱える又は、所持している機能・権能は次の通りです。 周囲観測−継続、人格モジュール−継続、思考読取り−新規、ボケ&ツッコミモジュール−新規、思考速度上昇−新規。 以上になります!】
(ボケツッコミモジュールって?)
思わず二度見した。
心の中だけど……
はてさて、そんなものいるのだろうか?
研究でも戦闘でも役に立たなそうな機能が?
【本モジュールは重要です。重要になります。ミレーユやフェリスに対抗する為のものなので。今に分かりますよ】
何か馬鹿にされた……のは、気のせいか。
いや、断じてそうではない。
まぁいいや。
そうもあれこれやっているうちに、時計は無情に進んでく。
まもなく、夕暮れ。
商会の営業も一区切り。
家族はだんだんと2階の食堂に集まり始めていた。
今日の主役?であるオレももちのろん参加しますよ。
というか、ミレーユと一緒に行くことになっている。
ここまでやってきた実験を隠し通す為にもこの様な細かい演技・演出が必要だからだそう。
あー、面倒い。
そんなのも束の間、約束の時間はやってくる。
「カイン〜」
ミレーユの声がする。
「今行く〜」
同じ様なトーンで返す。
ミレーユに言われたのだ。いい感じを装え、と。
“いい感じ”とは曖昧な。
でもやるしか無い。絶対フェリスにバレるともっと大変な事になると、サブが察知したから。
これまで、何かとサブは嘘をつかなかった。だから、信じる。
「お姉ちゃん。今日って何するのぉ?」
6歳児を装う発言。どうだろうか?
【比較的マシな部類かと……】
そんな刹那を通過して、ミレーユは口を開く。
「今日はね、カインの学園進学を決める話し合いをするの」
そんな感じの会話をしながら、食堂に向かう。
食堂には、細長いテーブルがあり、オレはそのテーブルの短辺に座る。
左には、母と父。右には、ルードとミレーユ。
そして、オレの真正面、つまり反対側には、フェリスが座る。
………ドウナルノカナ?この会議。
家族会議2は明日更新します。
次回へ続く