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幾ら神でもミスは勘弁願います! 〜異世界を生き抜く元高校生の物語〜  作者: 砂糖
第三章

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第三十三話 サブとエリアールによる魔法訓練 その1

本日2話目

 

 視線を感じる廊下を通り、寮の自室に戻った。

 その後のことだ。


 エリアールの作った夕食を食べ、シャワーも浴びた。

 ちなみに今日のテーマは「スタミナ」だそうで、ミディアムレアのステーキだった。この世界では高価な塩や胡椒をふんだんに……、いや流石に適度な量だけど、、、を使ったものだったので、非常に美味しかった。ゴルドなんか、「俺はこんなに美味いのを食ったのは初めてだ」と食後に言った。食事中はひと言も喋らずただひたすらに噛み締めて言葉にならない声を上げていた。多分、思考読み取りモジュールを使っていたらオレは、、、。想像するのは止めよう。


 そんな訳で、現在深夜。人目は無い。

 オレは自室の中央に立っていた。

 サブに展開してもらった結界内を明るくして。

 流石に、自分の意思で結界の大きさとか音の透過率とかの調整は出来るようになった。4年掛かったけど……。


「で、どうやったらオレは魔法が使えるんだ?」


【…………】


 未だ秘匿するか……。

 昼間の件を未だ引きずるのか、いつものテンションの面影はそこに無い。


「追求はしないから、教えてくれよな、サブ」

【…………じゃぁ、先ずは魔力とは何かから】


 よかった、と先ず一安心。

 サブに全てを制御されるとオレはサブに依存してしまい、操り人形になってしまう。それは、絶対に避けねばならない。

 何故かって? せっかくの異世界で魔法が使えないというオチを回避出来たのだ。使わないなんて選択肢はない。

 あれっ? 説明になってない……。まぁいい。

 とにかく、使えた方がカッコいいじゃん?

 ちっぽけだって言われても、オレはオレの考えを貫くのだ。


【ラーファ様との会話でもありましたが、カイン様貴方はこの世界の誰とも違う魔法回路を持っています。しかし、この世界での魔法の使い方は他人と何一つ変わりません】

これって(魔法回路って)、ミレーユも知らないよね」

【そうですね。あの人の研究対象は“魂”でしたから】

 そんな会話で、ここが面倒くさいところですよね~、と意気投合。

【で、本題に戻りますが、魔法とは、魔力を自分の意思で回路に流し、その流し方によって現実世界での発現の仕方が異なります。その時、回路の構築を自由に出来る場合そんな魔法でも行使することが可能です。しかしこれを行うには私の様な世界の理を理解している存在がいることが前提となります】

「ところで、どうしたらオレは魔法が使えるようになるの?」

【はぁ、そんなに焦ってどうしたんですか?】


 いやね、ワクワクが止まらないのよ。深夜テンションになってるのかも。

 てか、いつの間にかサブのテンションがいつもの感じに戻ってるし。でも、ため息をつくし……、AIなのに?


「早く使ってみたいんだよ」

【カイン様は、既に常時展開している結界の操作はある程度出来ますよね? なら、それを応用して体外で行うだけですね。結界内だったら、魔法の発動は思うがままに出来ますよ。ただし結界外での行使は一気に難易度が跳ね上がりますのでご注意を!】


 …………。

 ………やってはみたよ?

 ぜんぜーん出来ないんですけどぉ?


「ねぇ、ぜんぜーん出来ないけど?」

【カイン様には説明が抽象的過ぎましたかね。結界の場合は既にあるものを操作するのに対して、魔法の場合は0から1を作り出さないといけないので、かなり精密な集中が必要になります。結界は私の補助があるから簡単ってのもあるんですけど】


 言われたので、集中してみる。胡座を組んで座り、心を落ち着かせるようにして身体の内側を意識してみる。すると感覚的に胸の辺りが少し違うように感じた。心臓の脈ではなく、何かの鼓動がそこを流れる。今度はそこに重点を置いて深呼吸。


【カイン様正解です。そこにあるのが回路の欠片です。そのピースを近くの奴に繋げていってください。ある程度繋げたら魔力が増幅されます。それを感じ取ったら、利き手の方の道を進んでください】


 言われた通り、パズルのピースを組み合わせるかのように繋げていきサブの言う“道”を作る。

 利き手の右手に“道”を繋げていくと、途中で壁のようなものにぶつかる。


【壁の表面に意識を向けてください。どこでも良いのでそこの窪みに道を繋いでください】


 繋ぐと、指先が微かに痺れる。

「バチッ、バチッ」っと2度、指先で小さな火花が散った。

 これは成功か? と思うと顔がにやけてしまう。


「サブ、成功か?」

【魔力の放出は成功ですが、小さ過ぎて形になっていないので完全では無いですよ】


 夜はまだまだこれかららしい。


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