第二十九話 ラーファとの会話 後編
作品名確定しました(^^)
「今回、ここでお話していることはアクロスには観測されませんよ」
強制終了させた話を軽く戻してきた。
もう、勘弁して下さい。
そう思うと、その思った事を逃さないラーファ。
「なかなか、連絡も無くて私……寂しかったんですよ」
少し拗ねたような声音。
最初に見せた怒りも、それが原因らしい。
「そんな事をする予定を組み込めるほど余裕も無かったから、許して欲しいなぁ〜」
一応、今のオレの見た目は「カイン=アストレイア=フォルシオン」七歳。
自分でこんな事を言うのもなんだが、世間的には“可愛い”分類になると思う。
……言動は変だけど。
上目遣いでお願いしてみる。
「いいえ、許しません」
ラーファは淡々と言い切った。
【そうです、許しません】
サブも続けて言い放った。
やっぱりコイツ見た目は天使、中身は悪魔だな。
「……そんな厳しくしなくても」
思わずそう漏らすと、ラーファの表情が少しだけ曇った。
サブも真似するかのように表情を曇らせる。
……いやいや、お前はやるな。空気が冷たくなってる。
そんな混沌とした?
いや、冷たい空気の中で、ラーファは続ける。
「厳しくしているわけでは無いのです。ただ──」
一瞬、言葉が途切れた。
何かを躊躇っているようだった。
「あなたは今、この世界でひとりきりなんです。私が定めたとはいえ……その重さを、わかって欲しいだけです」
「……えっ?」
一瞬思考が停止した。“ひとりきり”?
「オレの周りいっぱいいるけど?」
思わずそう言ってしまった。
「たまには……話しかけてください。私にも、あなたの様子がわからない時間があるのですよ?」
「……勝手に自分の都合で話を続けないでくださーい」
何がどうなったら、そんな「たまには……」ってなるんだ?
ちょっと、ラーファさん?
ボケました?
ラーファがほんの少しだけ微笑む。
だがその目は、微笑むどころか鋭くなる一方で……。
「失礼しましたっっ!」
素直にそう言うしかなかった。
土下座もした。
「謝るのはいいですが、次はありませんからね?」
「……努力します……」
「努力では足りません。義務です」
ぴしゃりと言われて、心のどこかが痛む。
やっぱり神様は容赦がない。
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いきなり、視界が揺れた。
ラーファの輪郭が淡くかすみ、身体が光にほどけ始めている。
「そろそろ戻します。あなたの肉体、今は眠っていますので」
「戻すって……強制終了の逆みたいな?」
「ええ。その表現でだいたい合っています」
淡い金色の光が広がり、ラーファの声が少し遠くなる。
「次は、必ず連絡してくださいね。
でないと……私はまた、干渉したくなってしまいます」
(いや、もう十分干渉してるじゃん……)
そう思った瞬間、彼女の唇がいたずらっぽく動いた。
「ええ、干渉しますよ? あなたは、私が転生させた子なのですから」
返す言葉を探す前に、光が視界をすべて洗い流した。
─────────────
【お目覚めですか、カイン様】
サブの声が、耳の奥に直接響く。
「……うん」
【今は、朝の鐘の30分くらい前です。
ラーファ様との介入で、時間同期は三・二秒遅延しています】
「三秒であれだけの密度の会話したの……?」
【神格存在の演算域は、我々の数千倍ですから】
サブがあっさりと言う。
「……まあいいや。で、“如何しますか?”って、さっきの話?」
【ええ。例の、倒した二名の扱いと、それに伴う今後の策です】
学園の教室で、二人を沈めたまま放置してきた──と言えば聞こえは悪いが、授業が潰れた以上、どうしようもなかった。
「ほっとけばいいでしょ。ここ実力主義なんだし」
【それでも、敵対フラグは立ちますよ】
「そんな大げさな……」
【軽視すると面倒なタイプです。特に──あの二人の背後にいる派閥】
「……派閥?」
【情報解析を行いますか?】
サブのいつも通りの無機質ボイス。
だが、先ほどのラーファとの会話が残っているせいか、やたら現実味が重くのしかかる。
「……頼む。調べて」
【了解しました】
サブの声が低く落ち、空気が凍りつくような感覚が全身を包んだ。
【解析開始──】
そうして、今日もまたクラスに向かうのだった。
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クラスに到着すると、視界がぐにゃりと歪む。
……まさか、またラーファか?
そう思ったが、違った。
揺れの中心に立っていたのは、こちらをふんと見下ろす影。
「やっと起きた? 下級生のくせに、なかなか派手な真似したわね」
長い髪を揺らし、鋭い瞳でこちらを見る少女。
その服に付くバッチは帝国学園の“上位クラス”の証。
そして名前を聞く前からヤバい匂いがするタイプ。
【警告:高確率で敵対的接触です】
「……大丈夫。わかってる」
オレは息を整え、少女を正面から見返した。
「……で、あなたは?」
少女はにこりともせず、ただ淡々と名乗った。
「──ミレニア = オーキッド。あなたが倒した二人、私の“弟子”よ」
(面倒なのが来た……)
サブがすぐさま小声で囁く。
【最悪のタイミングですね】
「ほんとだよ……」
ここから先、学園生活の“本番”が始まりそうだった。
2学期期末テストの試験勉強の為、
2週間〜3週間更新が止まります。
本当にすいません。
もし、試験勉強の息抜きに一話書けたら、その時は更新します。
皆様も普段から何かを頑張っていると思います。
息抜きにこの作品を観てくだだっている方。
面白そう、と思って読み始めた方。
すなわち、読者の皆様。
読んで下さりありがとうございます。
勉強頑張ります。




