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幾ら神でもミスは勘弁願います! 〜異世界を生き抜く元高校生の物語〜  作者: 砂糖
第三章

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第二十六話 初めてのクラス

 

 こうして略式クラス選別試験は終わり、オレは、寮の自室へとトボトボと戻った。


 疲労困憊。

 魂も、胃も、限界間近。

 だが──疲れ果てたオレを労ってくれる者は、誰一人としていなかった。

 うちの護衛達は最初はオレを気にしていた。

 少し歩いたくらいのところで、寮の料理人が突入してきて三人でどんちゃん騒ぎ。


「胃に優しいスープの改良版が出来ました!炙った魚で出汁を……この方法はどうですか!」

「オレの肉……は?」

「ゴルド君。後でね」

「あああぁぁぁぁああ!!」


 相棒である筈のサブはドS(空気を読まない)発言という銃弾を撃ち付けて来る。


【カイン様、このままだと胃より先に精神が崩壊しますよ?

 あと、魂波乱れてますよー】


 うん、シカト。

 オレは悪くない。


 こんな感じで────一体オレの周囲はどうなっているのか。


 そんな状況にこれから置かれるのかと思うと、自然と表情は曇り、目の前が溢れる液体で少しずつぼやけていく。



「……少し、静かにしてて」



 そうして、オレはベットに沈んだ。


 ─────────────


 翌日。


 昨日はぐっすり寝る事が出来たから、朝はスッキリしていた。

 鏡の前に立つと頬にかけて涙の痕があった。


 洗面所で顔を洗い、リビングに向かう。


 そこにはエリアールとゴルドが横に並んでいた。

 何でも、昨日オレが疲れていたのに、余計に疲れさせてしまった事を詫びたいとのことだった。


昨日(さくじつ)は、お疲れでしたのにサポートが出来ず、申し訳ありませんでした」


 ゴルドも続く。


「俺も、坊主より(自己利益)を優先しちまった。すまん」


 オレは、朝から神妙な空気を吸いたくはない。

 こんな奴等だけど、魂名まで晒して、オレを信用してくれた奴等だから許そうと思った。


「お前等が、反省しているんだったらよし。」


 エリアールとゴルドは“パァァ”っと明るくなる。


「じゃぁ、朝ごはんの準備をしますね」

「俺も、坊主を守る為の筋肉を鍛えてくる」


 ──そうして、ようやく、いつもの朝が訪れた。


 カインは、リビングの椅子に腰を下ろし、深く息を吐いた。


(……やっと、落ち着いた)

【カイン様の魂波安定。胃の緊張も緩和傾向です】

(……サブ、お前も少しは空気読めるじゃん)

【たまには!?】




 キッチンからは、エリアールが軽やかに鍋を振る音が聞こえる。

 香ばしい香草と、優しい出汁の香りが部屋に広がっていく。


「今日は、昨日の反省を活かして“静かに沁みる朝ごはん”をテーマにしてみました」

「……テーマ料理って、なんだよ」

「心のテーマです!」

(……まぁ、うまけりゃいいか)



 一方、ゴルドはというと──


「筋肉は裏切らねぇ。だが、坊主はもっと裏切らねぇ」


 そう言って、ダンベルを持ち上げながら、なぜか感動していた。


(……何があったんだ)




【カイン様、そろそろ本棟に向かう時間です】

(ああ、そうだった。クラス分けの発表か)



 スープを飲み干し、立ち上がる。


「行ってくる」

「いってらっしゃいませ、カイン様」

「坊主、何かあったら合図をな。すぐ駆けつける」

【機能の整理をしておきます!】


 そうして、学園本棟に出発したのだった。


 ─────────────


 一学年千名余りが居住しているこの学園は、とんでもなく広い。東京ドーム何個分なんだろう?ってぐらいには。

 それ故に、教室一つ一つが、講義室レベルで広い。

 ただし、学年上位が位置するクラスは少人数制。

 すなわち、教室は豪華だ。


 オレの案内された教室は、質素な講義室(第七クラス)

 オレは上位に位置していない。

 それはつまり、神名持ちだろうが、実力を見るということ。

 そして、何より、最底辺(第七)クラス。


 周囲からの視線が刺さる。


「おいおい、神名持ちさんが、下のクラスかよ」

「仕方ないよな、そんなチビじゃなぁ」


(……チビは余計だろ)


【カイン様、コイツ等殺っちゃって良いですか?

 こんなゴミクズがラーファ様の管理する世界存在することが許せません。さぁ、命じてください!】

(……サブ、落ち着け。てか、オレじゃなくて、ラーファなのな)

【私の優先順位はラーファ様が一番でカイン様はその次です】

(サブがラーファを慕っているのはよーく分かった。とりあえず、殺っちゃうのはだめだけど静かにさせるくないなら、いいよ)

【慕って、ではなく尊敬です。ついでに、黙らせておきます】


 サブがそう言い放った瞬間、いつもの結界が展開された。

 そして、野次馬二人はその場に倒れる。


 ……ついで、なのな。コイツ等は。


【カイン様、ここで、「オレの実力なめんな」と】

(なんでそんなに厨二なの?)

【……かっこいいから?】

(その()はなんだよ、()は)

【じゃあ、「この学園は、実力主義なんだろ?」と】

(それで行こう!)


「この学園は、実力主義なんだろ? 格下は黙っとけ」


【いいですね、そのままカースト上位に立ちましょう】

(いや、そういうのいいから)




 そうこうしていると、教師らしき老人が入ってきた。

 教壇の上に立ち、いきなり喋りだす。


「貴様らは、この学園でのある意味、問題児の寄せ集めじゃ。じゃから、成績優秀、態度完璧の者から、Cクラスに栄転することが出来るのじゃ。つまりのう、励むが良い。」


 老人の言葉はまだ続く。


「儂は、第三クラスの主任じゃった。老いと共に“扱いやすい場所”へと左遷された。だが、儂は諦めておらん。お前らが這い上がるなら、わしも這い上がる。共に、上へ行こうではないか」



 その言葉で、教室の空気が少しだけ変わった。




(……この人、嫌いじゃないかも)

【カイン様、精神が安定しました。好感度上昇です】

(ゲームじゃないんだから)



 教師(老人)は、最後にこう言った。


「名乗るほどの者ではないが──儂の名は、グラウス = バルド。このクラスの担任じゃ。よろしく頼むぞ、問題児ども」


 こうして、これからの日常がスタートを切ったのだった。

 稀に見ぬ他の問題児と共に。



この学園の成績順のクラス構成です。

わかりにくかったらすいません。


Sクラス……極稀に編成されるクラス。

      各国の要人が在席する。


Aクラス……トップ(25人編成)

Bクラス……2番目 (25人編成)

 :

 :

Fクラス……ここまでが豪華な教室


Gクラス……講義室(80人編成)

Hクラス……上記に同じ

Nクラス……アルファベットクラス終了


第1クラス……(35人編成)(別名:αクラス)

第2クラス……上記に同じ (別名:βクラス)

 :

第7クラス……一番下のクラス(別名:ηクラス)

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