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首藤琥珀は恋をした
ある月も隠れる真っ暗な夜その時は確か25時を過ぎた時間帯、
僕は初めて人に興味を持った…否恋に落ちたが正しい
面白半分で話しかけてみた相手、綺麗な黒髪をなびかせながら振り返る彼女は同じクラスの黒井千里。
普段学校に来ず1度だけ見たことがある、遠くから顔までは見えなかったが、今初めて近くでみて、この世で1番綺麗だと思った。
『黒井…千里さんですよね、2年B組僕同じクラスの首藤です』
同級生がいて驚いたのか彼女は一瞬動揺したが、直ぐに表情は戻り
『首藤…さんですか…首藤さんは何故こんな時間に?』
不思議そうに聞いてくる彼女に対し、胸の高まりが抑えきれず、このまま時間が止まればいいとすら思える
『僕は寝れなくて気分転換に散歩を…』
そう僕は彼女に伝えた、本当は意味なんてないのに、
『黒井さんも何故こんな時間に?』
そう聞いたら彼女は困ったような表情をした
まるで聞かれたらまずいような顔
『私も同じです』
月明かりが照らし始め彼女の姿がくっきりと見えた
少し照れたような嬉しいような感じでふにゃりと笑った彼女は月よりも綺麗だった