白亜の城を訪れて
翌月、ユミナは母とまたハイキングコースに向かう。
また霧に包まれ、プーカロウと再会する。
案内された先は周囲を木々に囲まれた白亜の城だった。
「ちょっと前に妖精の世界と人間界がつながって人が迷い込むようになりました」
プーカロウに案内され、ユミナは冠を付け髭の生えた妖精と顔を合わせる。
「ただ、なるべく内緒にお願いします」
「わかってるって。お母さんもお父さんも内緒だよって言ってたから」
指を口前に持ってきた妖精の王様と、ユミナは約束を交わす。
「妖精さんも妖精さんで忙しいんでしょ。お仕事大変だって」
「ありがとうございます。ユミナさん」
「どういたしまして、だっけ」
妖精の王様に笑顔で返事をするユミナ。
「ゆっくりしていってください。いろんなものがありますから」
そういって王様は水を出す。
ユミナは口に少し含むと、はちみつ入りだった。
「やっぱり甘い」
「気づかれちゃいますか」
暖かな空気が流れる中、ユミナは妖精のお城とその周りを案内される。
案内を終わると、ユミナはプーカロウに絵を教えてもらう。
帽子をかぶった顔に手と足がついた絵が描かれていた。
「似てますね」
プーカロウが少し困った顔で感想を述べる。
「なら、これあげようか?」
「くれるんですか?」
手を差し出すプーカロウ。
ユミナは描いた絵を頭上に上げる。
「はい、あーげた」
「あげるってそっち?」
「こないだのお返しだよー」
ユミナはひとしきり笑うと、プーカロウに絵を差し出す。
「ありがとうございます」
笑顔で受け取るプーカロウ。
「そろそろ時間ですよ」
扉がノックされ、開く。
「えー、もう?」
お城の妖精さんが手招きする。
「お父さんやお母さんたちも心配しちゃうよ」
「ならまた来月ね」
「うん、待ってるね。今日は別の道にするね。出入り口はたくさんあるから」
プーカロウとまた約束するユミナ。
「あ、そうだ」
ユミナはポケットを探る。
「おうちでも書いてきたんだ。これもあげる」
「ありがとうございます。ユミナさん」
プーカロウは絵を呼びに来た人に預けると、ユミナを出口まで案内する。
「またねー」
母と会う前に、プーカロウに挨拶して別れた。
「どうだった。ユミナちゃん」
「楽しかった!お城に行って絵を教えてもらったの」
ユミナは笑顔で母に話した。