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ランチタイムと草むらと

「そろそろ、ご飯にしようか」

 近くの石を拾うユミナ。

 白と黒の格子模様のピクニックシートを広げる父。

 その周りにユミナからうけとった石を置く母。

 全員でビクニックシートに座る。

 青と白の縞模様のランチボックスからお弁当箱と取り出す母。

 お茶を注ぐ父。

 煎茶の香りがユミナの鼻孔をくすぐる。

「はい、ユミナちゃんの分」

「いい香りー」

 父から渡されたお茶の香りを楽しむユミナ。

「準備できたね。なら、食べようか」

「いただきます」

 父と母とユミナの声がそろい食事が始まる。


「おにぎりと卵焼きとタコさんウインナーとサラダ。どれから食べたい?」

「卵焼きー」

 卵差しを指さすユミナにおしぼりを渡す母。

 手を拭いていると、母はユミナに卵焼きをひとつ箸で取り、小皿に乗せた。

「はい、あーん」

 母が口元に出した卵焼きをユミナは一口で食べる。

「おいしい!」」

 ユミナの喜ぶ様子を見て母の顔がほころぶ。

「ゆっくり食べるんだぞ」

 父はそう言うと、俵型のおにぎりをひとつ取り箸で取る。

「私も!私もおにぎり食べたい!」

 レタスを食べて、お茶を飲むユミナが言う。

「食事中は静かにね」

 父は口に手を当ててユミナに話すと、母から紙皿を受け取る。

 その上におにぎりをひとつ置き、ユミナに渡す。

「はい、どうぞ」

「ありがとう。お父さん、お母さん」

 ユミナはお礼を言って受け取った。


「ごちそうさまでした」

 家族三人は手を合わせ、後片付けをする。

「ユミナちゃんはこの後どうする?」

 ピクニックシートをたたみ終えた父がユミナに質問した。

「んー、お父さんとお母さんは何やるの?」

「近くの川で自然を感じながら魚釣りかな」

「妖精がいるって噂のハイキングコースを歩くわ」

 父と母から帰ってきた言葉にユミナは迷う。

「うーん。どうしようかな」

「ユミナさんの気持ちが一番大切だからね。好きなのを選んで良いよ」

 しばらく考えていたユミナは父の言葉を聞いて、母と一緒にいることを選ぶ。


 ユミナが母とハイキングコースを歩いていると、視界が白く染まりだす。

「霧かな?ユミナちゃん――」

 母の声が途中で消え、ユミナは霧の中、一人たたずむ。

 やがて霧が晴れると、ユミナは母を探す。

 少しすると、ユミナは自分の名を呼ぶ人影を見かけ、声をかけた。


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