姉弟その後
「ただいま~ あー遊んだー」
「はい、お土産たくさん買って来ましたよ~」
元気な声と共に家に入ってくる姉弟。元気がよすぎて扉が壊れてしまいそうだ。
「おかえりなさい。天照、月読」
瓊杵がそう挨拶する横で、既にお土産にがっついている三日月と世理須。まるでこの二人の方が兄弟のようで少し妬ましい。
「身体の調子はどうですか?」
「最高だね! いっぱい動いて疲れる感じも、懐かしくて心地いい」
「五感の刺激がたまらないですね。とくに味覚が… 今回も食べ過ぎてしまいましたわ…」
ソファーに大の字になって寝転ぶ月読と、そんなことを言いながらも砂糖たっぷりの紅茶を飲む天照。やはり姉弟だ。
一週間と少し前
「あとは任せたよ」
月読が少し寂しそうな顔をする。
「君たちはどうなるのですか?」
このシステムの中で生き続けるのだろうか? いや、たぶん彼らはそんなことは望んではいまい。このシステムが動き続けるかぎり彼らも存在し続ける。そうあるためには、つらい出来事が多すぎた。
「私たちは… 」
姉弟が俯く。一堂、何を言おうとしているのか悟り空気が重くなる。その時
「新しい身体って作れねーの?」
三日月が言い放つ。
「ダメか? 最後の一回だけ自分のために願い事」




