3、転移への準備
ブックマークや評価をして頂けるとは
思っていなかったので嬉しいです。
ありがとうございます。(*´꒳`*)
「古山明希。44歳。トラックに轢かれました」
単的に素早く答えておこう。うん。
いらない情報入れると伝わらないって生前良く言われてたからね。
『ふむ。いきなり嘘とはいい度胸じゃの』
え?いやいや嘘ついてませんよ?
『魂の情報では45歳じゃ。どれどれ……。
あぁなるほどのぉ。轢かれる瞬間に翌日になったのじゃ。
丁度誕生日に飛んできたんじゃの〜』
なぬ?私は誕生日に死んだのか……。
帰りのコンビニで買い物にそんなに時間かけたか?
なんというかこのシチュってお約束?
それより知ってるなら聞く必要あります?
その情報知らないままなら44歳でいられたのにぃ。
『まあまあ。そうプリプリしなさんな。
あと其方、轢かれてないぞ。記憶にないようじゃが
咄嗟に避けとる。あ〜だから死んではおらん』
はい?死んでない?死んでないのにここに居る……。
これいかに?
『だーかーらー。困ってるんじゃよ。
人生を全うされた魂なら、転生する方向で対応出来ると言うのに。
其方はまだ人生を終えていない。
元の世界にも返せない上に、こちらは其方がいた世界とは違い
いわゆる魔法が存在する世界じゃ。
ちょっとした準備が其方には必要なので、ここに連れてきたのじゃ』
えっとぉ。じゃあ私は45歳から死ぬまで異世界で暮らす?
魔法が使えるようになっちゃうの?
ちょっとだけ…いや、かなりワクワクする!
魔法使って簡単にスローライフ出来るんじゃね?
『あ〜。その期待の眼差し。
魔力はあってもまず魔法は使えるようにはならんぞ?』
へ?私使えないの〜?何でぇ〜?
『其方は産まれた時から、話したり字を書くことができたか?
魔法だって同じじゃよ。訓練しないと使えん。
さらに言えば、師匠…そちらの世界でいう先生もおらん。
この世界で魔法は親から子への伝承じゃからの〜』
はいコレ詰んだ〜。転移してすぐに死亡確定した〜。
魔法の世界なのに魔法使えず生活って無理ぃ。
『其方もせっかちじゃの〜。他人のこと言えんな。
其方には元の世界での知識があるだろ?
それをこちらの世界でも形に出来るよう[創作]という
其方だけが使えるスキルを急遽作っ……ゴホっ…
オリジナルスキルを特別に授ける事にしたのじゃ。
元の世界に戻してやれないせめてもの償いじゃ。
[創作]を使うには素材が必要なんじゃ。
そうじゃの〜。試しに今は
その肩から掛けているカバンを使って
[創作]してみたらどうじゃ?』
あぁ〜せっかちってちゃんと聴いてたのね。
それにしてもバッグを異世界風にってアレしかないでしょう?
未来の猫型ロボットのポケットみたいに沢山入るやつ。
ってことで沢山入って日持ちするカバンになぁれ〜[創作]っと。
あはっ。本当に出来たみたいだわ。コレはイケる。
異世界でも生活出来そうな気になってきたぁ。
『準備は出来たようじゃの。
では、転移するので此方に来るのじゃ』
「え?ちょっ、ちょっと待った〜。
私45歳でこれから衰える歳なんですよ。
少し若返るとか体力は20代とかのチート的なのは?」
『あぁ。伝えてなかったの〜。こちらの平均寿命は約300歳じゃ。
其方の歳はまだ成人したてくらいだから何の問題もないじゃろ?
わかったらとっとと転移させるのじゃ!』
はぁ?300歳?それは長すぎるよぉ……。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m