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惨死のアリア
鬼灯が咲いた 傘を差して空模様
歪な感性に苛立っている
億劫で遑遑とした時間 秒針が狂い出す
話は過去へと辿り着く 罵声 腐れ
息を切らし 隘路を渡った
進めど行きつく先は絶望
終わりへの道は免れない
明け透けになった心情の
枯れ果てた 寡言 相俟って
黒い薔薇 潸然とし 聞いてほしいと
ふざけるな
気付け気付けと何回目だ
間違いを正せぬ誤りとはにかんだ
黒髪の少女
隠していたんだって 僕といたら駄目なんだって
それなのに それなのに
酸素の濃度が下がっている
曖昧な判断力 矮小なことだ
深淵の瞞し 溢れる零れる蜃気楼
話も出来ずに 目前で鉄塊が撥ねる
白い百合の花が散った
鮮血と脳漿のハーモニー
瞑目して理を
もういい
何度やりなおしたって君は散ってしまう
咲き誇れない楓の花
挫けてしまう前に 諦めてしまう前に
簡単だと思い切った自分の間違いだった
淡い記憶になっているその笑顔が
一瞬でもいいから見たくて
絶対に
君を泣かせない 君を救いたい 「君」と叫びたい
君といたい 君と笑い合いたい 君と話したいから
たとえ僕が犠牲になったとしても
菖蒲が花開くまで