9:特別な日
「ルーシャス。お願いしたの急いで」
「へいへい。わかりましたよ」
「終わったら、私とポーカーしよ?」
ルーシャスにとって最高の魔法の言葉を口にする。その瞬間ルーシャスの手の動きが明らかに早くなった。
単純すぎだろ...
〜30分後〜
「あった!」
「ルー!あったの!?」
「はい、これ。魔力に関する歴代賢者の研究資料と世界の不可解な事変に関する資料。それから古代語で書かれた古い資料と新しい魔法の魔法陣の構築式」
「ありがと」
「ノワール。始めよう!」
「あ、忘れてた」
ポーカーの約束をすっかり忘れてた。軽くやって帰ろう。
〜15分後〜
「ロイヤルストレートフラッシュ」
「あ、負けた〜」
圧勝過ぎてつまらない。ギャンブル好きの癖に滅茶苦茶弱いのだ。
「じゃあね」
「ええ〜。もう帰っちゃうの?」
帰ったらやることが山ほどあるんだから!!暇人のアンタとは違うのよ!!
「うん。古文書の解読もしないとだし」
「そっかー。じゃあね」
「うん。じゃあね。仕事しろよ?」
「分かってるよ」
ルーシャスの部屋から出る。
「アイツ本当に賢者かよ」
〜図書館〜
ノワールはまた図書館に籠もっていた。
「ふわぁぁ。流石に2週間寝てないと疲れるなぁ」
この2週間ノワールはほとんど寝ていない。
ゴーン。ゴーン。
日付が変わったことを知らせる鐘が鳴った。
「あとひと頑張り!」
自分に言い聞かせ、作業を再開するノワール。
〜朝〜
「はや...」
いつの間にか夜が明けていた。集中していると周りが見えなくなる。これは前世と同じだ。
「流石に今日は寝ないと死ぬな」
疲労も結構来ているし、そろそろ本格的に倒れてしまう。
「ノワ。おはよう」
「兄様。おはよう」
何気ない日常。この日々が私は意外と気に入っていた。
「ノワ。誕生日おめでとう」
「へ?誰の誕生日?」
「ノワのだよ?」
「そうだっけ....?」
すなわち今日私は9歳になる。早いねぇ1年経つのは。年寄り臭いな。
「今日ぐらいはゆっくり休めよ」
最近は図書館に籠りっぱなしで家族と顔を合わせることもしていなかったなと今更ながらに思う。
「うん。今日は何か予定はあるの?」
誕生日のお祝いパーティーとかがあるのなら休んでいる暇はない。
「ううん。今日は何も予定はないよ」
「ないの?」
それを期待していたのにいざないと聞くと驚いて聞き返してしまう。
「ないよ」
それなら今日はゆっくり休めそうだ。2週間の徹夜はやり過ぎたと自覚している。でも、今の家族を私は大事にしている。前世は家族という物には恵まれなかったが故に私は人よりも家族に対する特別な感情が強いのかもしれない。
「もう少し寝るかい?」
「ん...」
私の意識は夢の中に戻っていった。
いきなりポイントが10を越えてて腰を抜かしました!
こんにちは(こんばんは)音楽を聴きながら宿題がヤバいと思って執筆している作者です!
今後ともよろしくお願いします!