8:賢者ルーシャス
〜図書館〜
「はぁ。なんでこんなに記述が少ないのよ!?此処は城の図書館じゃないの!?」
魔法に関する記述は山ほどあるのに根本的な魔力に関する記述が異常に少ない。まるで、意図的に少なくしているかのようだ。
「こうなったら。あまり気は進まないけどアイツに会いに行くか」
アイツとは賢者ルーシャスのことだ。私は彼がすごーーーく苦手だ。賢者の癖に国の金で豪遊し、仕事は部下に丸投げ、人間のクズの極みの様な存在だ。
「ちょっと城下に出掛ける!」
スッと行ってスッと終わらせる!
〈転移〉の魔法で賢者の家の門の前まで転移する。因みに、賢者の家の中は魔法を防ぐ魔法である反魔法がかけられているので〈転移〉の魔法でも中に入る事は出来ない。
門番に話しかけ、王族の証である胸章を見せて身分証明をする。
国の金で豪遊し続けているクソ賢者(笑)でも実力は間違いないので、魔法に関しては彼の知恵を借りることも多々ある。
〜賢者の部屋〜
「じゃあ俺はフラッシュ」
「ゴメンね。フォー・オブ・ア・カインド」
「はあ」
ため息も出るわこれは。
「なぁ!?15連敗だぁ!」
ポーカーをしていた様だ。
「なんでだよ?だってフォー・オブ・ア・カインドが出る確率は....」
「0.17%!!」
思いっきり叫ぶ。目を見開いて驚いている賢者とポーカーの対戦相手。
「の、ノワール。き、き、来てたのか」
「ええ。約10分前から此処に立っていましたよ?」
「こ、これは違うんだ....」
「ねえ?ルーシャス?」
「はい...」
怒られることが目に見えているので言い訳は諦めた様だ。
「前、私言ったよね?仕事が終わるまでは遊ばないって」
「はい...」
「で?頼んでおいたのは出来たの?」
「マダデス...」
「なら、なんでポーカーしてたの?」
出来るだけ笑いながら問い詰める。
「それはですね...。取り掛かろうとしたらポーカーに誘われましてね...。誘惑に勝てず受けてしまいました」
どうせそんなことだろうとは思っていたが、仕事をほっぽり出してまでやるとは...
「で?あなたは何してるの?兄様?」
「ノワ。君を待ってたんだよ?」
私を待っていた?一体なぜ?
「僕と父上からの伝言だよ。あまり危険なことに首を突っ込まないようにって」
!!!
気付かれているのか!?
「じゃあね。僕は先に帰るよ。ルーシャスまたポーカーやろうねー」
「今度こそ勝ってみせる」
ウリプの意味深な言葉。これから何をもたらすのか楽しみですね。
〜お知らせ〜
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