5:兄の才能
少々?年齢が飛びます。
月日が経ち。
私、ノワールは8歳になった。
「ウリプ殿下。もう少し中心に魔力を集めてください」
今は兄である、ウリプの魔法の授業を覗き見している。
兄のウリプは魔法に関してはてんでダメで初級の火球を出す魔法で精一杯だ。
「こうか?」
はあ。魔法を発動させることしか考えてないから魔力の流れが見えず大した魔法も発動出来ないのだ。
個別指導の講師もウリプに全く魔法の才能がないことに気付いているが、相手は次期国王だ。依頼相手は現国王と来た。可哀想に思えてくる。
「部屋に戻ろ....」
このままウリプの授業を覗き見していても意味ないからだ。既に魔法の実力はウリプよりノワールの方が秀でている。
「ポッ、ポッ、ポッ」
部屋に戻る間暇なので魔法で小さい火球を出して遊びながら歩く。
久々に外へ行こうかな。一応私は第一王女にあたるので不要な外出は控える様に言われている。でも、前世の趣味が外に出ることが多い趣味だったから外に出るなというのは無理な話だ。
〜ノワールの部屋〜
「お腹空いた....」
腹が減っては戦は出来ぬ。と言うし、今日は外に行くことは我慢しよう。それに、こっそり外に行っていることが侍女に知れたら厄介だ。城中を探しまくり、国王の耳に届けば国中を国軍兵士が探しまくり、国民が混乱するだろう。
「普通の村娘とかに生まれたかった...」
自由に外出することも許されないなんて。しかし、自分の身分は理解しているが故に勝手な行動はあまりしない。
外に出たいと思いながら時間が過ぎるのを待っていたノワールであった。
今回も読んでくださりありがとうございます。
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