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4話 ハイル・ベルフェゴールとレイナ・ベルゼブブ

 私は可愛い可愛い村娘です。今は村を抜け、最愛の人と旅をしています。


「ダーリン、今日は美味しい魚を獲って来ましたよ」


 ウチは可愛い可愛い妖精っす。今は祖国とも言えた森を捨て、最愛の男性と旅をしているっす。


「ダーリン、今日は美味しいきのみを採って来たっすよ」


 私が、


 ウチが、


 愛しているのは同じ男性です(っす)。


 見た目、性格、仕草………


 私と、


 ウチは、


 何もかも違うけど、一心同体です(っす)。


 そんな、


 私の、


 ウチの、


 正体は、


 一人の女神として彼を愛していた女性、ベルフェ・アルカディアです(っす)。


 元の肉体を捨て、宝具を用いて他者に転身した、


 私と、


 ウチは、


 それぞれの個性的なスペックを活かして、ダーリンとの旅を華のあるものにしようと頑張っています(いるっす)。


 邪魔な奴等は例え、元仲間であろうが叩きのめし、聞き分けのない奴等の場合は始末しました(したっす)。


 ウチは悪い人間が好きとは言いましたが、ウチとダーリンの意にそぐわない者は必要ないと考えています(いるっす)。


 だから、私とダーリンの恋仲を邪魔する人間は実力行使でわからせ、


 ウチとダーリンを手にかけようとした不届きな妖精どもをその地ごとこの世からおさらばしてもらったっす。


 ウチが2つの大きなイベントを越えた末にわかったこと、ダーリンが至上ということ。人間が大好きなんて、ダーリンをより愛するが為の布石としての建前であったのがわかりました(わかったっす)。


 目指すはこの地にダーリンと、


 私と、


 ウチだけの、


 ハーレム帝国を作ることです(っす)。


 でも、未だハーレムには程遠い人数です(っす)。この二人以外にも、十人十色の女を手中に収めないと、目標実現には程遠いですね(っすね)。


「馬鹿もん! 何がハーレム帝国だよ。俺とお前がするのは、旅の中で色々な景色だとか文化だとか、色々と見聞をすることだ! 如何わしい事を書いているんじゃない!」


 ウチは頭にげんこつをされたっす。


「痛いっす!」


 ウチの書いていた日記を見られてしまったっす!


「今日はベルゼブブの方が日記を書いていたか」


◆◇◆◇◆


 妖精の森を焼け野原にした数日後、森を抜け、その先のアルカナ平原まで足を伸ばしていた俺たちバスティア一行。


 今日はもう夜になり、疲れた身体を休める為に広大な地の一点に小さなテントを張り、夜の星々が描く絶景を見ながらスリーピングをしようとしていた矢先に此奴が変な日記を綴っていたのを見た。


 日記を書いていたのはレイナ・ベルゼブブ。妖精の森で絡んで来たお金くれくれ妖精レイナの身体をベルフェが乗っ取ったやつだ。因みにそのお金はなんか数十倍になって帰って来た。元が少なかったのでそこまでの足しにはなっていないが、ちょっとした成金気分を味わえた。


 ベルゼブブという性は、ベルフェゴールの性をつけたハイルのことを考えると、レイナの性も考えないのは決まり悪いと思い、レイナにもあげようと思い至った結果、つけたものだ。


 名前をつけた時、彼女が妖精の羽をはためかせ、オーバーに喜んでいたのを覚えている。今回は2回目だったが、彼女のダーリンである俺から何かを貰うのはとても嬉しいらしい。


「ハーレム帝国はその、悪くないかもしれんが、計画するのも程々にな」


 ハーレム帝国か………旅の癒しとしてなら、悪くないかもしれん。


(ダーリンのあの顔、ほんと正直よね。ダーリンのその正直なまでの欲に、私は惚れたんだけどね)



「ダーリン、寝る前に羽触ってくださいっす。妖精は睡眠の邪魔にならない様、羽を解してから寝るのが習慣なんすよ」


「初耳だな、それ」


 俺は触ったことがない妖精の羽が気になっていたこともあり、ベルフェの戯言抜きでも、興味本位で触ってみたいと思っていた。


 唾を飲み、抵抗なく静止しているベルゼブブの羽に触ってみる。


「あぁん、ダーリンそれは不意打ちっす!」


 どうやら羽で感じているらしい。未知の部分が多い、妖精の新発見だ。


 羽を揉みクシャにしていると、次第にベルゼブブの顔が紅潮していく。喘ぎ声を必死になって口を覆うことで声を抑えているが、そこも実にエロスを唆られる。


「ダーリン……んひっ………はエッチの伝道師っすね。口ではああ言っとき………あん…ながら、それに似合わ……んっ………ないプロ顔負け…のテクニック。お陰で身体が言うことを………聞いてくれないっす! 」


 ベルゼブブが身体を痙攣させながら細々と、途切れ途切れに呟く。


 緑色の髪を振り乱し、快感で身体をビリビリと痺れさせ、微振動を起こしているベルゼブブを俺は羽を揉みながらゆっくりと抱いた。


「んっ〜ダーリン気持ちいいっす………ウチ、お前のテクニックに屈し……あんっ………たダメ妖精っす。ウチの負けっす!お金を全部…んぅ!………返すから許してくださいっす!」


「!………駄目だ………それじゃ、お前に叩きのめされて辛酸を舐めさせられた俺の気が収まらない。もっとお前が快楽によがり狂う姿を見せて貰うぜ!」


「あん!やめるっす!やめてくれっす!なんでも………やめっ!………あぁ………しますっすから!」


 ベルゼブブが嘗てのレイナになりきる、なりきりプレイを仕掛けて来たので、自然と俺も乗っかることにした。


 柔らかく、慎ましやかな胸を、羽を触っていない方の腕で、服越しに揉む。


「うむ、お前の仲間も、美味しそうに実っているな。どいつもこいつも食べごろだ。お前には飽きてきたし、そろそろお前の仲間を食うとするか」


「あ、あんたの…あっ……命令に従うと………んっ…言った筈っす!だから、ウチの仲間に手を…アヒィ………出さないでくださいっす!」


 この背徳的なプレイ、堪らないな。相手は曲がりなりにもレイナ本人だからな。それに加え、ベルフェが演じるレイナが、本人に負けず劣らずのクオリティということもあって、最高峰のなりきりプレイに仕上がっている。


「狡いですよ!レイナさん!ダーリンは私を先に抱いてくださったのですから、私が普通優先されるべきです!」


 俺とベルゼブブが楽しんでいると、御冠のベルフェゴールがテントの中にズカズカと足音を踏み鳴らして入って来た。




「………折角いいところだったのに…じゃあ、次はハイルがやってくださいっす。ウチはもう十分やったっすから」


「30分」


「?」


「私は30分延長してダーリンと楽しみますから」


「仕方ないっすね。ウチは夜景でも眺めながら黄昏てくるっすよ」


 ベルゼブブは名残惜しそうに俺の手から羽を離し、テントから出て行った。


「さあて、なりきりプレイなら、私も負けてはいられませんね。私は恋人に陵辱される村娘というシチュエーションでダーリンとデートをしたいです」


 ベルフェゴールが甘い吐息を出して俺に抱きついて来た。


「ダーリン………さあ、いっぱい楽しみましょうね」


「うわぁぁぁぁぁ!」


 俺は一晩丸々、ベルフェゴールに搾り取られた。とても大人しいハイルとは思えない肉食っぷりと、搾り取る最中に語り掛けてくるハイルの丁寧言葉のギャップに困惑していた俺は、五里霧中でベルフェゴールのケダモノを訳もわからず受け入れ、そのまま果ててしまうのだった。


「ふふふ、女神と人間の赤ちゃん、いっぱい作れるといいですね」


 事を終えたベルフェゴールは舌舐めずりをして下腹部をさすっている。遂に俺の貞操は嘗て俺が夢見ていた美少女ハイルに奪われた。ある意味、夢が叶って嬉しかった。俺は尽き果てた後、夢想の中でハイルの逆レ○プの余韻に浸るのであった。



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