表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/28

家事は女のしあわせ

念願だった専業主婦

お料理、お掃除、お洗濯。

彼のお世話をするのって楽しい。


家事の分担とかで、彼が時々手伝ってくれるときがあるけど、実は却ってありがた迷惑。

お掃除やお皿荒いは雑だし、結局あたしがやり直すことになるし、ゴミ出しもスーツ姿に似合わないから止めて欲しい。

あと、お洗濯で下着なんかを触られるのもやっぱり嫌。

家事はあたしに任せて、どっしりと構えていて欲しい。


休日のお掃除のとき、彼っているだけで邪魔。

「もう、向こうでお茶でも飲んでいてください」

あたしは彼を追い出してお茶だしする。

「お茶をどうぞ、ご主人さま」

二人きりのとき、彼のことを「ご主人さま」って呼ぶのは、恋人時代からの秘密のルール。

今でもこの言葉を口にすると少しドキドキする。


お洗濯ものを取り込んでたたんでいる時って、なんだかとても幸せな気持ちになる。

こっそり彼の服にほおずりする。

あらっ、ボタンがほつれている。直しておかなくちゃ。

ふと、初めてソーイングセットを持ち歩くようになった、子供の頃を思い出す。

早く使ってみたくて、気になる男子のボタンのほつれを直してあげると、

他の男子からは、「夫婦だぁ~、ふうふっ!、ふうふっ!」て囃し立てられるし、

女子からは、「ミサのおせっかい、どうせ下手なんだから迷惑してるわよ」って嫉妬の嵐だった。

ウフフっその時の男子が今ではあたしのご主人さま。

あの時囃し立てられたのって、間違ってなかったんだわ。


彼はいづらくなったのか、いつの間にか外出したみたい。

ふうー、これで思いっきりお掃除ができる。

書斎で彼の机を布巾がけ。

ちょっと椅子に座ってみる。

学生時代にこれやってみたかった。

教室で一人きりになることがなくて結局できなかったけど。今では好きなだけ彼の椅子に座れる。

愛しています、ご主人さま。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ