妻の心得
結婚式であたしは、愛と貞節を誓ったけど・・・
「妻の心得」ていうのもあって、妻であるあたしはこれもよく覚えて守らなくちゃいけない。
あたしは、ご主人さまから渡された冊子に目を通してみる。
<妻の心得>
一、妻は夫を主人として敬い、よく従うべし
二、妻は礼儀を正しくすべし
三、妻は貞節をよく守るべし
四、妻は内助の功を立てるべし
五、妻は質素を旨とすべし
【解説】
一、妻は夫を主人として敬い、よく従うべし
夫は妻にとって大切なご主人さまです。
妻は夫を常日ごろから敬い、夫の言葉には素直に従うものです。
「夫に従うは妻の務め」なのですから。
・・・「夫に従うは妻の務め」って、なんだか古めかしいけど、ようするにご主人さまに心から従いなさいってことね。
ちょっと屈辱的な言い回しだけど、妻としてとっても大切なことだわ。あたしはきちんと守ります。
二、妻は礼儀を正しくすべし
親しき仲にも礼儀あり、妻は夫に必要以上に甘えず、常に一歩下がって淑やかに振舞うこと。
また、家の外でも夫に恥をかかせぬよう、礼儀作法に通じておくこと。
・・・ご主人さまに甘えてばかりじゃダメってことね。少しさみしい。
でも、礼儀作法にはちょっと自信があるわ。
こないだ、お座敷にあがるとき、彼の靴を揃えて三歩後ろについていったら、お店の人に褒められたし。
三、妻は貞節をよく守るべし
妻は夫に対して貞操義務があります。
妻はみだりに家の外の男と会ったりせず、慎みをもって行動すること。
一生涯において二夫にまみえず、操を貫く気持ちを持つことです。
・・・男の人と違って、女って一人の男の人しか愛せないもの。
ご主人さま以外の男の人なんてあり得ないわ。
四、妻は内助の功を立てるべし
妻がよく夫に仕えて奉仕することで、夫が活躍することを助け支えることができます。
それは妻の誇るべき功績です。
・・・彼のお役にたつことなら、あたしどんなことでもできるわ。
ご主人さまのお役に立てるなら、どんなことだって・・・
あたし、ご主人さまをしっかりとサポートできるいい妻になるわ。
五、妻は質素を旨とすべし
女は贅沢の誘惑に弱い生き物です。
虚飾に惑わされないよう、質素倹約に励むことです。
・・・確かに女ってそうだわ。豪華な服や高級なお料理とかに目がないもの。
ご主人さまからのプレゼントだって断れないし。
でも頑張るわ。
ご主人さまに高価なものはおねだりしないようにします。
ご主人さまの食べ残しだって、嫌がらずに食べられるようになって質素倹約に努めます。
妻の心得ってなんだか、どれも古臭いけどキチンと覚えて、あたし、いい奥さんになるわ。
愛しています、ご主人さま。
【妻の心得】
結婚した女性の規範とされている五箇条の心得のことです。
【夫に従うは妻の務め】
妻にとって、夫に従うことは責務であるという意味の諺です。
妻が夫に従順であることで夫婦円満になるとされています。




