前へ目次 次へ 39/50 39 じゃあなぜ。 僕は声に出さずに問い掛ける。 なぜ君はそんな態度を取る? サヨナラもせず教室を後にする背中に訴える。 でも、もちろん君が振り向くことはない。 だって、僕がそう思っただけで、実際に呼び止めたわけではないのだから。 声を掛けられなかった自分が腹立たしくて、僕は誰もいないドアを睨んだ。 「もしかして読まれた?」 バツの悪そうに親友が近寄ってくる。 「かも」 短く答えると、 「そっか」 と彼も同じ方へ視線を向けた。