前へ目次 次へ 21/50 21 僕はテキストの余白に君への想いを記してみる。 《ずっと前から好きでした》 その一文はすぐに出た。 でも、後が続かない。 想いは溢れるほどなのに。 いざ向き合うと、ペンは躍らなかった。 苦しさだけが募って。 なんだか情けなくなって。 本当に君のことが好きなのかすら疑問になって―――。 ―――でも、その気持ちは疑いようもないんだと改めて思い直したり。 《ずっと前から好きでした》 その一文は真実で、それだけで十分だと思えた。