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夜、勉強に集中するために断っていたラジオを解禁した。
流れるようなDJのトークやパワープッシュの曲がやけに新鮮に聞こえる。
<さて、今夜もこの時間がやって参りました―――>
お馴染みの悩み相談コーナーが始まった。
<東京都――区在住15才の女の子。"残すところは卒業のみ"さんからのお便り>
思いのほか近いな、と耳を傾ける。
<受験から解放されしがらみのなくなった彼に、卒業までに告白したいと思っています>
自分と同じような人がいたもんだと思わずラジオを見る。
<話すのが苦手なので手紙を書きたいのですが、思うように言葉が出てきません>
手紙――――言われてから自分だったらどう書くだろうと考える。
<どんな言葉で想いを伝えたらよいでしょう。とのことです>
メッセージを読み上げると、DJは一頻り自らの考えを語ったあと、
<それでは、今夜もみんなで一緒に考えましょう。ラジオの前のあなた。あなたならどう書く? ラブレター>
とリスナーにも答えを募ったのだった。




