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「いってらっしゃい」


君は少し潤んだ瞳で僕を捉えた。


背筋を伸ばして、後ろ手に手を組ながら。


少しだけ上目遣いで。


いってらっしゃいって。


ここで待ってるから。


しっかり戦って、また帰ってきてって言ってくれてる気がした。


その時は教室の喧騒とか、今さっきまで抱えていた苛立ちなんてものがすっと消えた。


そして僕は姿勢を正し、正面から視線を受け止めて、


「いってきます」


そう言った。


【好きです】


その確かな気持ちを込めて。

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