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染まる瞳(S)

「んー。やっと帰ってきたー! 平和な学園だー!」


 眩暈がなくなり、目の前に広がる見慣れた学園を見て俺は両手を開げた。


「本当にうるさいわね…… 黙らないとぶっ飛ばすわよガキンチョ……」


 あらあら、大分辛そうだこと。いい気味だ。


「あれあれー? なんかさっきより顔色悪くなってなーい? 大丈夫かいレディー?」


 心配をしてるふりをしながら、精一杯このガキを煽った。


「そのレディーっていうのやめてくれる……? 馬鹿にされてるみたいで不愉快だわ……」


 ちっ! 弱っていても減らず口をたたくのかこのガキは。


「じゃー何て呼べばいいんですかー? お嬢さん?」


 そう言う俺を見ながら、憎々しげにガキは名乗った。


「ヒナギク……」


「ヒナギクか。俺はハドアだ」


「ふん、あんたなんかガキンチョで充分よ……」


 このクソガキが!! ま、まぁいい。ここは俺が大人になろう。


「はいはい、それでもういいですよヒナギク」


「さんを付けない! さんを!」


 だんだんと回復してきてやがるなこいつ……。


「はいはい、わかりましたよ。ヒナギク、さん」


「何で一拍空けるのよ!」


 あーもう本当にうるさいな。こんな奴が他の生徒と共に勉強出来んのか?


「あっ! やっぱりハドアだ!」


 学園の方からエレナが走ってやってきた。


「もう、やっと帰ってきた! すんごく心配したんだからね」


 いや、俺はあと二、三日は旅する予定だったんだけど? 日帰りでこれって、俺が日をまたいだらどうなるんだこいつ。


「どこも怪我とか…… ってハドア!」


 俺の体を見たエレナが、俺の顔を見るなら悲鳴に近い声をあげる。もしかして、旅の効果で顔つきが良くなったのかな?


「め、眼! 眼が! 眼がー!」


 なんかどっかで聞いたことあるセリフを言いながら、エレナが俺の顔をつかんで目線を無理やり合わせる。


「い、痛いんですけどエレナさん」


 顔が近づいてちょっと焦った俺は、平静を装うために敬語で喋った。


「何でこんなになっちゃってるの? ハドアちゃんと眼は見えてる?」


「いや、普通に見えてますけど?」


 何をそんなに慌てているのだろうか?


「これ貸してあげるから自分でちゃんと見て! というか気づいてないの?」


 だから何がだよ。と思いながら俺はエレナから手鏡を借りた。


「な、なんじゃあごりゃー!」


 俺の眼の色は黒色だったはずだ。だが、鏡に映る自分の眼の色は学長と同じ翠色になっている。


「学長! こ、これどういうことっすか!」


「あれ、奈落の王から聞いてない? あの実を食べると眼の色が翠色に変わるんだよ」


 聞いてねぇー! 聞いてねぇーよそんなこと! 「汝もディフェスの仲間入りだな」としか聞いてねぇー! これ、そういう意味だったの? 眼の色変わるからねって言う意味も込めらてたの? そんなのわかるわけねぇだろうが!


「害とかはないから安心しなさい」


 害とかあってたまるかよ。ってかあったらあんたもやばいだろ。


「だってさ。特に何もないみたいだし心配すんなよ」


「もう、びっくりさせないでよね」


「俺だって好きでびっくりさせてるわけじゃ……」


 自分で変えたわけじゃないし、自動で変わったわけだし。


「幼馴染の眼の色がいきなり変わったら誰だって心配するの!」


「はい、そうですねー」


 これ以上は何を言っても勝ち目はない。うん、やっぱりエレナはこうでなくちゃな。奈落の王バージョンのエレナは何か…… こう…… エロいんだよな。うん、なんか安心してらんないんだよな。同じ体なのに中身でこうも変わるとは女ってやつは恐ろしいぜ。


「女に心配されるなんて、やっぱりガキンチョで充分ね。名前で呼ぶ価値なしだわ。アタシのパパはママに全く心配かけずに、危ない仕事を難なくこなすんだから!」


 このやりとりを見ていたヒナギクは俺を馬鹿にするようにそう言った。


「ハドア。その子は?」


「ああ、これは転校生のヒナギク、さんだ」


「これって言うな! あと一拍開けるのやめなさいよ!」


「へぇー転校生なんだ。よろしくねヒナギク、さん!」


「アンタもわざとやってんでしょ!」


「あ、そうだ。エレナ」


「無視するな! ガキンチョ!」


「何? ハドア」


「アンタも無視するな!」


「こいつの名前付けてくんない?」


 俺は森で拾った兎をエレナに渡す。


「わぁー! 可愛い! この子の名前私が付けていいの?」


 兎を抱きしめたエレナは、眼を輝かせながらそう言った。


「ああ、なんならエレナが世話してもいいぞ?」


「うん、する! この子のお世話は私がするよ!」


 計画通りだ。


「ガキンチョの分際で、アタシを無視するとはいい度胸じゃない……」


 肩を震わせながらこちらを睨んでいる。


「ケチョンケチョンにぶっ飛ばしてどっちが上かはっきりさせてやるわ!」


「あ? ケチョンケチョンか、ぶっ飛ばすかどっちかにしろや? こっちもいい加減イライラしてんだ」


「ちょ、ちょっとハドアくん?」


 場の空気が変わったことを察知した学長が、心配そうに声をかけてくる。


「ふん、さっきも言ったけどアタシのパパみたいにあんたなんか一捻りだわ」


「できるもんならやってみろ。パパ、パパうるせぇファザコンが」


「っ!」


 ファザコンと言う言葉に、ヒナギクは異常に反応を示した。どうやら地雷だったらしい。


「その喧嘩買ってやろうじゃない……」


「こっちも受けてやるよ」

 はいどうもSです。


 最近登場した新キャラやっと名前が出ましたね。この子とあまり馬が合わないハドアくん。この先この二人の関係は良くなるのでしょうか? そして、ハドアくんの眼も翠色になりました。学長とお揃いです。この先眼の色が翠色の方はディフェスということなのでしょうね。あと何人くらい出てくるのかなー(能力考えるの大変だなとは言えない)。今回の話で旅の中で残っていた疑問を少しは回収できて良かったと思います。謎の青年はまたおいおいでお願い致しますw。あの子どう回収しようかなー。


 色々と疑問やらが散りばめられたこのリレー小説、全ての疑問をちゃんと回収できるのか! 乞うご期待!

 ってなわけで今回はこの辺でバイバーイ!

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