願い(S)
「まずは、そのツールについて説明しようかの」
「はい、お願いします」
「まず、わしが持ってるツールは、君の場合宝玉の意思。つまりは、ヴァイオレットと宝玉の本体との力の繋がりを可視化するものなんじゃ」
「そのツール使えば、適格者を探すもの。もしくは、その本体。どちらかそのもう一方を探す事ができる」
「これを使って、わしもコーシカという大切な相棒と出会う事ができたんじゃ」
ウィガロさんは、孫を思うおじいさんのようなとても暖かい笑みを浮かべた。
「コーシカって、ウィガロさんが契約していた適格者を探すものですか?」
「ああ、そうじゃよ」
「コーシカって、どんなんだったんですか?」
ヴァイオレットみたいに人型なのだろうか。
「猫っぽい見た目だが、尻尾はきつねのようにまん丸で体よりも大きいんじゃ」
猫にきつねの尻尾つけた感じの生き物か、なかなか可愛い気がする。
「叶うならもう一度くらい姿がみたいの」
「え? でも会いたいのならツールを使えば会えるんじゃ……」
疑問に思った俺はそう口にした。
「さっきも言ったようにツールを使うには、適格者を探すものかその本体が無ければいけないんじゃ。わしが適格者ではなくなった時には、コーシカもその本体も綺麗さっぱりなくなっていたんじゃ」
適格者ではなくなる。その言葉をウィガロさんは辛そうに言った。
「適格者ではなくなるって、どういう事なんですか?」
「それはな……。わしが、コーシカの願いを、叶えてやれんかったからなんじゃ」
願い。それは、アーカブ教授の話にも出てきたものだ。
「あの、願いって何なんですか?」
俺は願いが気になり、ウィガロさんに聞いた。
「そうか、君はまだ契約してなかったんじゃったな。願いとは、そのままの意味じゃよ。わしら適格者は、契約することによってその力を使う事ができる。だが、この世の中タダで手に入るものなど存在しない」
「わしらが、力を貸してもらえる代わりに、適格者を探す者は願いを言うのじゃよ」
「そして、わしはその願いを叶えられなかった」
「そうだったんですか」
最初は、宝玉の願いなんておかしいと思っていた。無機物に願いを言えるわけがないと。だが、宝玉にはちゃんと意思があり、人間と同じように叶えたいものがある。それを知れただけでもここに来た意味はあった。
ヴァイオレットの願いって、やっぱり魔法陣の破壊なのだろうか。それなら契約しても、いいんじゃないんだろうか。
「君の相棒候補はどんな願いを言ってきたのかね」
「えーと、空の魔法陣を壊したい。それが使命だからと言ってました」
「ほー。あれを壊すか。あんな得体の知れないものに関わると、ろくな事にならんぞ?」
「でも、あいつは言ってたんです。またあんな惨劇を起こしたくはないって。でも俺は……」
「その先はいい。わしもコーシカの願いには苦労した」
ウィガロさんは優しい笑みを浮かべ、俺の肩に手を置いた。
「気に入った。君にツールを貸そう。元適格者の先輩として、後輩に良いところを見せんとな」
「あ、ありがとうございます!」
俺は頭を下げて礼を言った。
「契約するかどうかは、もう少し悩んでからでも遅くはない。適格者だから仕方ないって理由だけはやめるんじゃぞ? そんな事をすればお互い不幸になるのが、目に見えている」
「さてと、ツールの準備をするからちょっと手伝ってくれ」
はいどうもSです。
旅始まりましたね。ここから何が起こるのか楽しみですね。今回はやっと書きたかった願いについて書きました。そのまんまです。なんのひねりもない普通のお願いです。ハドアはヴァイオレットと契約できるのかまだまだわかりませんね。
まだまだ旅が序盤すぎて書くことがありませんのでこの辺で。また一周後に会いましょう。次は書くことがあると願います。(じゃーもっと内容濃いの書けって話ですよね)バイバイー




