信じるか信じないか(S)
「空の魔法陣が動いた事は御存知ですか?」
「そ、そりゃあもちろん」
「なら話が早くて助かります」
この子の紅い目。これは巨人族の魔封石と契約してザナキになったからなのだろうか。それとも、生まれつき紅かったのだろうか。そのどちらとも判然としないため声が震えてしまう。もし前者なら、この子は悪者なのかもしれない。
「もう伝えてもいいと判断しましたので、話させてもらいます。あの魔法陣が何なのか、そして私が何者なのかを。信用するしないは適格者の判断にお任せします」
「まずあの魔法陣は、230年前にオリポスで出現した魔法陣の改良版と言えるものです」
「改良版って、前の魔法陣は失敗作ってことなのか?」
アーカブ教授は異なると言っていたが、どうやら繋がりがあるらしい。
「はい。その通りです適格者。あの魔法陣は完成を無理矢理早めようとして、大量の魔力の負荷に耐え切れず、魔法を暴発したにすぎません」
「そして、あの惨劇が起こりました。数十万人にも上る死者を出したあの惨劇が」
まるで彼女はそれを目の当たりにした様に苦しげにその言葉を口にした。
230年前にオリポスで起きた惨劇について書かれた本には、このように書かれていたはずだ。空に浮かぶ魔法陣が突然光り、砕け散ると、オリポスを中心とした数十キロメートルにわたる地域が爆発し、オリポスは炎の海と化した。正確な死者は分かっておらず、十数万人が死んだとだけ書かれている。
「そして、また魔法陣が現れた。あの惨劇を超える惨劇を起こすために」
「今度こそ、止めなくてはなりません。それが宝玉としての私の使命なのです」
「えっ……。宝玉って君なのか?」
「言ったはずです。信じるか信じないかは適格者に任せると」
宝玉ってこの子? もっとこう石的なものを想像していたのだが。それとも単純な嘘なのだろうか。
「私には、共に歩んでくれる適格者が必要なのです。そして、それが貴方なのです」
そう言うと、彼女は懐からあの時と同じ緑色の水晶を出した。
「もう時間がどれほど残っているかわかりません。相手は巨人族の魔封石を手にし、あの魔法陣に着々と魔力を蓄積しています」
彼女の足元に、緑色の光を放つ複雑な魔法陣が出現する。
「ではまたお会いしましょう、適格者。貴方の選択を信じています」
凄まじい圧を感じさせながら、彼女の姿は消えた。
「信じるか信じないかは俺に任せる、か……」
正直な話信じられる確証なんて一つもない。むしろ疑うほうが自然だ。だが、もし本当ならあの魔法陣はとても危険なものだ。そんなものを野放しておいていいはずがない。
「ハドア!」
先程の彼女の話について考えていると、ドアが勢いよく開かれる音がした。ドアを開けた先にはワイナードがいた。一応自分の部屋でもあるが、一緒に過ごしている部屋なんだからノックくらいしてほしいものだ。
「何だよ。そんな大声出して」
「ハドアと僕の事を学長が呼んでいるんだ」
「学長が?」
何度会おうとしても会えなかった人から呼び出しに、多少驚いた。
「どこに行けばいいんだ? こっちも用があるから早く会いたい」
「学長室に来てくれって言われたよ」
「なら、すぐに行くか」
「ああ」
俺は短い返事を返すと学長室に行く為に部屋を出た。
はい、どうもクリスマスという名の強制労働をなんとか終わらせたSです(いくら忙しいとはいえ3日連勤の27時間労働は可笑しいだろ)。
繋ぎの会の時にも言いましたが、私のクリスマスは労働でした。いやーいい汗かきましたよ。皆様が、楽しくパーティしてる間も頑張ってました。貴方がその日彼氏、彼女と見た綺麗な夜景は私達のような非リ……労働を愛する者達によって生まれているんだらね! 感謝してよね!(疲れすぎて頭おかしくなったかもしれないな)
でも、読んでいる皆様の中にも、私と同じように労働を頑張った人がいると思いますので、お疲れ様でした。と言わせてください。
まぁ、クリスマスについてはこれくらいにしましょう。あとで読み直して恥ずかしくなったり、目から汗が出てしまうのでw
さて、そろそろ内容に触れていきたいと思います。今回のお話。Oについては全く問題ありません。この言葉が意味するものが、皆様はもうお分りいただけたと思います。K、君に何があったの? 一瞬書き手が入れ替わったのかと思ったよ! まぁ、ギリギリお話ともつながるし、ギャグ回だと思えばなんとかなるけどさぁー。(というか、最近はKの方がOよりふざけているような……)
自分が書いたお話では、少しだけ空の魔法陣やヴァイオレットに触れていきました。この先ハドアくんは、ヴァイオレットを信じるのか、それとも信じないのか見ものですね。空の魔法陣は、本当に危険なものなのか、これも気になります。
では、今回はこの辺で。また一周後に会いましょう。バイバーイ。




