理由(S)
巨人が現れてから一週間がたった。サップーケはほぼ壊滅状態だったが、2日前ほどから復興作業が開始された。
巨人もあれから現れた情報はない。ヴァイオレットもあれから俺の前に姿を現わすことはなかった。だが俺には気になっている事が2つあった。俺はその内の一つを知るために、学長室を訪れた。
「あれ? 学長いないのか」
学長室のドアには外出中と書かれた札がかけられていた。
「昨日も今日外出中なんて何かあったのか」
いないものは仕方ないので、俺はもう一つの気掛かりを知るために魔法歴史科室に向かった。
魔法歴史科室のドアをノックする。
「どうぞ」
その声を確認して俺はドアを開けた。
「失礼します。アーカブ教授」
「ハドア君か。何か用かね?」
「あの時の続きを聞きに来ました」
その言葉だけで理解してくれたらしく、教授はお茶をコップに注いで机に置いてくれた。
「さて、何から話したものかな」
椅子に腰を掛け、お茶を一口啜りながら教授の言葉を待つ。
「ときにハドア君。君は何故巨人はこの学校に向かって来たと思うかね?」
「巨人がこちらに来た理由ですか。サップーケから近い場所にあったからではないんですか?」
それっぽい理由を俺は返した。
「それも理由の一つかもしれんが、それなら他の街に行ってもおかしくはない」
「ならもう、巨人がこっちに来たかったからとしか言えなくないですか?」
俺が投げやりにそう答えた。
「ワシは物事には必ず意味があると考えるタイプの人間でね、巨人がこちらに来たのも必ず理由があるんじゃよ。よく考えてごらん」
他の街ではなくこの学園に来た理由。他の街になくてこの学園にあるものか……
「この学院が大きな建物だからですか?」
「目がないのにか?」
「人が多いからとか?」
「それなら他の街にも当てはまるじゃろ。落ち着いて考えてみなさい」
俺はもう一度考え直した。
「あの巨人って魔力を感知できるんですか?」
「正解じゃ。巨人族には生まれつき遠くの魔力を感知する力があるんじゃよ。そして目を失ったことにより我を忘れ、魔力を感じた場所を目指したというわけじゃ」
なるほど。だからこの学園だったのかと納得した。
「そして、君が知りたい事はこの巨人族が何故倒せないのかという事じゃろ?」
もう一つの気掛かり。それは巨人の対策会議が行われる前にアーカブ教授が言った言葉。
「はい。ここには優秀な教授や生徒もいます。みんなで力を合わせれば相当な戦力になると思うんですが」
「確かに相当な戦力にはなるだろう。だが、戦力があろうが無かろうが巨人族には関係ないんじゃよ」
そこでアーカブ教授は一区切り入れてから次の言葉を口にした。
「巨人族は生きていないのだから」
それを聞いた俺は驚きを隠せなかった。
「い、生きてないってどういう事ですか……?」
「そのままの意味じゃよ。巨人族は生きておらん。頭を吹き飛ばそうが、腹にどでかい穴が開こうが巨人族には意味のない事じゃ。だから倒せないんじゃよ」
よくよく思い返してみれば、あれだけ孔が開いているのに動いている方がおかしかった。
「倒せないからこそ学長は転送という方法で我々を守ってくれたのだよ」
倒せない巨人。確かにそんなものに対抗する手段はそれくらいしか思いつかない。
「君の聞きたい事はこんなところか?」
「はい。ありがとうございました」
俺はそう言って部屋を後にしようとして、一つの聞く事を思い出した。
「あ、そういえば」
「なんじゃ?」
「学長が昨日今日といないのですが何か知りませんか?」
「ワシは何も聞いとらんな」
「そうですか。何度もすいません」
「気にすることはない」
俺は一礼してから魔法歴史科室を後にした。
はいどうも毎回休まず営業のSです。
いやー、この世界って食べ物何があるんですかね? Kが着々と食べ物については進めてくれますが、カニカマがあったのが未だに驚きですねw
Oの方では今まで謎のベールに包まれていた(私はモブで終わると思っていたし、そもそもベールなんてものには包まれてない)学長がまさかあんなにすごい魔法を使えるとは思ってませんでした。モテるおじさん。良いですねー。
今回私のお話では巨人族について触れてみました。いつまでもフラグほっとくと回収されず、私達が忘れてしまうかもしれませんからね(あれ、そういえば一人忘れているような気が……)。
自分で考えて言うのはあれですが、どうやって倒せばいいんだろう巨人族。まぁ、これは二人に押し付け…… じゃなくて任せましょう! い、いやでもね。私の回でどうしょうもなくなったらちゃんとやりますからね?
さて、今回はこの辺で。また一周後に会いましょう。バイバーイ。




