深まる謎(O)
「あれ、消えた」
俺は目を擦った。
「おおおおお!! 消えた! すげー!」
俺は初めて見る転送魔法に拍手した。すると、
「おーい! 誰か今魔法使ったかー? ダメだぞ~使うなら外でやれ~」
寮長の声が寮内に響く。さっきの子の水晶のせいだよな。俺じゃないもんな。
そういえば、紅い目してたな。ムルフッフが見た人型の目も紅く光ってたって言ってたな。
少しでも可能性あるよな? これまたワイナードに言えば喜ぶんじゃねえの!?でもまた図書室に行くのはめんどくさいな~。
その考えとは裏腹に、体は自然と図書室に向かっていた。
図書室に入る。
ワイナードは先程と同じ場所に座っていた。
「ワイナード! またまたいい情報だぜ!」
「ん? さっき部屋に戻ったばかりじゃないか?」
「その部屋で事件があったんだな~」
「何だ?」
「さっき言った、紅い目の人。部屋に来た」
「……ちょ。待ってくれ」
俺はワイナードの反応を見て食い気味に続けた。
「適格者の観察だ~とか言われて、なんだこいつって思ったけどその人10歳くらいの女の子で、水晶取り出して転送魔法使ったんだぜ? すごくね?」
「…………」
ワイナードは静かに俺を見ていた。
「まず驚いたのが、10歳くらいの小さな子が、転送魔法などという上級者レベルの魔法を使ってるってことだ。それに、水晶ほどの大きさの魔封石を一体どこで……」
「圧も教授が魔法実験の時に出すくらいあってさ、驚いたぜ」
「さっきの圧はその人だったのか」
「ここまで届いたのか?」
「ああ」
「適格者って言葉がなんか引っかかるんだよな〜」
「その適格者って言葉は、今僕が読んでるこの本にも出てきてるんだが」
「え、マジで?」
「ああ。まず、230年前に国から真反対にある国にも同じように大きな魔法陣が出たのは知ってるよな?」
「おう、知ってるぜ」
「その後起きた惨劇も知ってるよな?」
「授業で習ったからね」
「その惨劇を間近で見た生存者が書いた本を読んでるんだけど、『適格者を探す者』って言葉が出てきてる。まだ全部は読んでないんだがな」
「230年前にも!?!?」
「ああ。詳しいことはわからない。もっと色々な本を読んでみる」
「何かわかったら教えてくれ」
「わかった」
俺は図書室を出た。すると、目の前に寮長が通りかかった。
「お、ハドア! 丁度いいとこにいたな!」
あ、やばい気がする。寮長がおれに話しかけてくる時は何かの退治の時くらいだからな。
「今外に出るのはちょっと危ないけど、サップーケに飯食いに行かないかい?」
「え、サップーケにっすか? 別にいいっすけど、まだ人残ってるんすか?」
「首都から離れてるとこの避難は完了してる。けどサップーケは首都に近いからまだ避難はしてない」
「よかった〜。サップーケの飯美味いんすよ」
「だろ!? 美味いだろ? だから行こうぜ〜?」
「いいっすよ! あ、寮長。転送魔法使えます??」
「そんな高度な魔法できないできない!」
「やっぱり。馬車ですか」
「ただの寮長だからな? そんな期待すんな?」
俺と寮長は北に3キロにある街、「サップーケ」に向かって出発した。
どうも久しぶりですOでーす。
Sに後書きかけーって言われたので書きますよ。
「10部まできました~イェーイ! ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。前世の小説だとおふざけが過ぎたOですが、今回はここまで無事にやってこれました。なんと、書き直しが無いんです!! 革命ですよね。パチパチ」
と、ここまでをSに書けって言われたのでしょうがなしに書きました。
では、次の話をお楽しみください。




