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自転車安全整備士、自転車技士、車いす安全整備士試験覚書  作者: 鴉野 兄貴
新章。車いす安全整備士編

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『バンドブレーキってなに』『え』

 かつての自転車メーカー丸石自転車さんはバンドブレーキ採用である。

 ば、バンドブレーキ?! 愚かにも筆者はバンドブレーキを知らなかった。

 丸くブレーキを締め付ける板によりゆっくりブレーキをかけるものである。


 ウィキペディアで調べた。曰く。


『古くなるとキーキーいうのは仕様。雨に弱く水が抜けないのも仕様。安易に油をさすとブレーキ機能が死ぬ』


 死ぬ?! 死ぬ。

 見た目が後年開発されバンドブレーキにとってかわられた皆さんご存じドラムブレーキ(※正しくはサーボブレーキ)に似ているからであるが、何故車いすで採用されているのか。それは整備性が高く簡単にバラして交換できるからだ。マジですぐバラせる。

 かくも整備性は高いが上述の通り安全性に欠ける。それでも車いすに採用されているのは車いすが低速度かつ室内での運用を前提されているからである。あのパラリンピックで使われているのは? 答えよう。あれはJIS適用外である。全て選手に合わせたカスタマイズ車である。ああ、専用機とかなんとロマンにあふれた話だろうか。



 基本、車いすを整備する皆様は自転車屋経験があるとは限らない。

 以下、注意されたことを徒然と列記していく。


 六角レンチを使ったことが皆さまにはあるだろうか。


 いい六角レンチは適正トルクでしなる。

 またつけるときぐにぐにしてまたしめる。

 よく触るところなのでしっかりしめてほしい。さもないとボルトが当たってゆるゆるになる。



 車輪 は外側が緩まないように動かさない。内を回して点検する。


 水洗いで白サビになる。これは皆様には少々胸に『あっ』となるのではないか。

 高ければ高性能信仰によりクソ高いスポーツ自転車が雨ざらしになっているのを見ると『あ~』と筆者は感じるが、車いすならなおさらである。


 完全余談だが整備が苦手な自傷(※誤字ではない)自転車乗りは錆に強くて雨や泥を前提として車体を買ってほしい。特にUberEatsの配達をする人はマジで気を付けたほうが良い。高い自転車は軽い自転車だ。普通に子供に突撃する羽目になる。



 さて、雨や水洗いした車いすだが、乾かす機械ないとパイプ内に水たまるのでバラして水気抜き三日必要となる。うん。これは……だね。


 もう一つ面白いこと、興味なかったかもしれない事をあげてみる。

 自転車のタイヤを想起してほしい。


 はい。色は?


 黒いですね。つまりカーボン入って硬くて黒いのが自転車タイヤになる。車いすタイヤは白くて柔らかなタイヤだがカーボンが床に色移りしないようにカーボンをあえて入れていない。つまりタイヤがすごく柔らかいということである。自転車屋勢は気を付けて扱ってほしい。


 その他リム軸を上に向けるのは損傷汚れネジ山切り直しを防ぐためである。

 自転車前輪と違い、車いすは外側スポークが長い。


 スプリングワッシャーは平たくなっていたら交換を。またバリはマジで利用者を傷つける。ワッシャーやネジ穴の扱いには万全で挑んでほしい。バリはしっかりとるように。



 あまり観察していないとわからないが、アームパットについて。

 障害者用は掌部分が膨らんでいるらしい。



 座面背面取り付け時バリ取りについての注意。


 バリは優しく撫でるようにトンカチ。

 少し閉じてつけたらバンと張って仮止め、本じめ、利用者はかすかなバリで皮膚が破れるので指でネジ山のバリみてトンカチで取る。


 背面はブレーキワイヤーが中に通っているかなどはチェック。

 よくバカ穴になるため同じネジ山に同じネジを入れないとバカ穴だらけになる。メーカーによりバカ穴ネジの頭にはマーク付いているが当てにならない。



 バンドブレーキは先にブレーキハンドルつけるドラムブレーキは逆。

 ブレーキハンドルは真下向きにつける(※介助者が利用)。


 ブレーキワイヤーは背もたれに通すかなどは各製品ごとに違うため、ブレーキテンションに関わるため覚えておく。


 ワイヤーを通す際、ハンドル根元に小さなキャップがハマっているか、およびブレーキ側アジャスターボルトにブレーキワイヤーが入っているかチェック。多くは引っかかっています。


 ドラムの駆動輪ははめるときぐらつきやすいのでガチャガチャしつつしっかり仮止めして締める 。


 停止ブレーキ締め付け時はボルト側薄いレンチ使うと舐めるので眼鏡レンチ推奨。反対の六角レンチでしっかり押さえてこちらは供回りしないように動かさない。


 フットプレート作成時は板バネ落とさない。間のスペーサーしっかりはめる。手で支えて仮止めし、横線でまっすぐに揃えて本じめ。縦線(車体のフレームにまっすぐしゃないよ)ではない。


 前輪は車体背を下にして(車体前を下にするとアルミ車体が歪むよ!)ぶらんとなったとき必ず利用者が座る方向から見て右側からボルトが入っているが、これは走行時に逆回転してボルトが緩まないための工夫。また、取り付け時、先に車輪作り(中にワッシャーあるときは片方づつ入れて丁寧に)、車体にグッとしっかり刺さるまで浮かないようにはめてそれから動かないよう身体で車輪を押して取り付ける。


 クロスフレームのたすき点検はがたつきに関わるため重要。


樹脂ワッシャーなので圧縮欠落しないよう隙間なくなる程度までしか締めない。しめすぎて金属粉出すとサビの元。

片手の指で開き作りつつ供回りしないようスパナで支え、ナットを閉じる。

片方だけしめたら供回りするのが良いが点検時はボルト側をしめる。ナットで供回り確認すると緩むため。


駐輪ブレーキは適切な空気圧でなくば機能せず。

空気いれは車輪内側から。手回しが干渉して斜めになると空気いれられない。


【試験時重要!】

 空気入れは高圧メーターなのに低圧の商品あるのでサイクルベースあさひさんなどで高圧の空気入れを買うこと。筆者はホームセンターで買って高圧メーターぽいのがついた低圧空気入れだったため借りることとなった。


 スポークチェックはスポークの三角ではなく平行部分を握る(自転車屋はスポーク調整の関係でよくやるらしい間違い)。たわみにくい。また普通に車体立たせて下のバー(※ティッピングレバー)持ち上げで握る手の位置は一定で行うこと。

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